2025年2月18日

歯の隙間は、見た目の問題だけでなくお口の健康全体に関わる重要な問題です。
歯の隙間が発生する原因は様々で、また放置すると進行して深刻な問題に繋がる可能性もあるため、適切な対処が必要です。
今回はこれらについてと予防方法を詳しく解説していきます✨
歯の隙間ができる原因とは?
歯の隙間は歯科医院では『空隙歯列(くうげきしれつ)』という専門用語で呼ばれ、生まれつきの隙間と後から出来る隙間の2種類に分けられます。
◎生まれつきの隙間
特に前歯の真ん中にできる「正中離開」が代表的なもの
◎後から出来る隙間
年齢とともに徐々に隙間が広がっていくケースもあり、これは主に歯周病による歯ぐきの退縮や、歯を支える骨の減少が原因
また、歯ぎしりや噛み癖によって歯が少しずつ移動することで、隙間ができることもある
歯の隙間の種類と特徴
歯の隙間は、できる場所や原因によって様々な種類があります。
・正中離開
最も多く上の前歯の真ん中にできる隙間で、実は歯が生えてくる時に自然にできるものであり、通常は隣の歯が生えてくる際に押されて閉じるようになっています。
しかし、上唇から歯ぐきにつながる筋(上唇小帯)が長すぎる場合などは、隙間が残る場合があります。
・歯周病によってできる隙間
歯の根元付近から徐々に広がっていくのが特徴です。
これは歯を支える骨が溶けて、歯ぐきが下がることで起こります。
・歯ぎしりや噛み癖によってできる隙間
歯に力が加わり続けることで少しずつ歯が動き、同時に前歯だけでなく奥歯の間にも隙間ができることがあります。
歯の隙間が出来やすい年齢や条件
歯の隙間は、どの年齢でも起こる可能性がありますが、特に気を付けたい時期や条件があります。
子供の場合は、永久歯が生えてくる7~12歳頃に前歯の隙間が出来やすくなります。
これは永久歯の生え変わりの過程で一時期的に起こるもので、多くの場合は自然に解消されていきます。
大人の場合は、30代後半から歯周病による隙間のリスクが高まってきます。
特に歯磨きが不十分な方や喫煙習慣のある方は要注意です。
また、デスクワークの多い方に多い「歯ぎしり」や、無意識に下で歯を押す「舌癖」がある場合も隙間ができやすい条件となっています。
舌を出したときに、舌の縁にガタガタした跡(歯の跡)が残っている方は、舌癖があるサインかもしれません。
加えて、爪楊枝を頻繁に使用する習慣のある方も、徐々に歯の隙間が広がっていく傾向にあります。食べ物が詰まりやすい方は、爪楊枝の代わりにデンタルフロスを使用することをオススメします♪
すぐに歯科受診が必要なケース
歯の隙間に気づいた際、特に以下のような症状が伴う場合は、早めの歯科受診が必要です。
◎歯ぐきが赤く腫れていたり、出血しやすくなっている場合
これは歯周病が進行している可能性を示すサインで、放置すると隙間がさらに広がってしまう恐れがある
◎歯の隙間に痛みを感じる場合
冷たい飲み物を飲んだ時にしみる感覚があれば、歯の表面が傷んでいる可能性がある
◎歯がグラグラする感覚がある場合
歯を支える骨に問題を生じている可能性がある
◎急に隙間が広がったと感じる場合
突然の変化は、歯ぎしりや噛み合わせの問題が隠れている可能性がある
放置すると考えられるリスク
歯の隙間を放置した場合のリスクは、隙間ができた原因によって異なります。
・生まれつきの隙間(正中離開)
主に見た目の問題に加えて、サ行やタ行の発音が不明瞭になりやすく、コミュニケーションに影響が出ることがあります。
・歯周病
歯周病が原因の隙間の場合は特に注意が必要です。
歯を支える骨が溶けていく進行性の病気のため、放置すると隙間がどんどん広がっていき、最終的には歯が抜け落ちてしまう可能性もあります。
また、歯ぐきの位置が下がることで、歯の根元が露出して知覚過敏になりやすくなってしまいます。
・歯ぎしりや噛み癖
徐々に歯並び全体が乱れていく傾向があります。
これにより噛み合わせが悪くなり、顎関節症や頭痛の原因となることもあります。
また、どの種類の隙間でも、食べ物が詰まりやすくなって虫歯のリスクが高まります。
予防とケア方法

歯周病による隙間を防ぐには、日々の適切なケアが欠かせません。
最も重要なのは、歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスを使った丁寧な歯間清掃です!
歯磨きの際は強い力で磨くと、かえって歯ぐきを傷つけ、下がりやすくなってしまうため、歯ブラシはやわらかめなものを選び、歯と歯ぐきの境目を意識して、優しく小刻みに動かすのがポイントです🦷