エアフロー(Airflow)とは?  :歯医者で受けられる痛みも少なく着色を落とすクリーニング法とその禁忌|広島市中区立町の歯医者(紙屋町、八丁堀、袋町からすぐ)|ブランデンタルクリニック|土曜日、日曜日、祝日診療

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エアフロー(Airflow)とは?  :歯医者で受けられる痛みも少なく着色を落とすクリーニング法とその禁忌

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2025年12月08日

エアフロー(Airflow)とは?  :歯医者で受けられる痛みも少なく着色を落とすクリーニング法とその禁忌

(歯科衛生士さんのある日の日誌)

器具

はじめに

皆さんこんにちは。

エアフローという言葉を聞いたことはありますか?

エアフローは、空気・水・微細粉末を混ぜて歯面に噴射し、着色(コーヒー・お茶・タバコなど)や歯の表面に付着したバイオフィルム(細菌の膜)を除去するお口のクリーニング機器です。

従来の手で行うポリッシングやスケーリングと比べて「痛みが少ない」「短時間で済む」「歯面がつるつるになる」と感じる患者さんが多く、「歯の掃除が苦手」「歯ぐきが敏感で器具がつらい」という方にも向いています。

保険診療適応外であるものの、患者様に広く希望されている施術です。

エアフローで何ができるのか

それではエアフローの期待できる効果について列挙していきます。

①外因性着色の除去

コーヒー、紅茶、赤ワイン、喫煙などによる歯の表面の着色を効率的に落とします。  

②バイオフィルムの除去

歯ブラシや歯磨きでは落としにくい細菌膜を除去し、むし歯や歯周病の予防に役立ちます。  

③患者の快適性

多くの治療を受けた患者様から、エアフローは従来の器具操作より痛みや不快感が少ないという

④インプラント周囲のメンテナンス

専用の低研磨パウダーを用いることで、インプラント表面を傷めずクリーニングできます。

エアフローの効果

エアフローの効果についていくつかご紹介いたします。

①着色除去

エアフローは従来のポリッシングと比べて着色除去効果が良好で、患者満足度や快適性が高いと言われています。

②低刺激でクリーニング

低研磨性の粉(グリシン、エリスリトールなど)使用により、歯質やインプラントへのダメージが抑えられます。

③歯周ポケットへの適応

浅いポケットには効果がありますが、深いポケットでは、従来の治療法がメインです。

あくまでも併用という形になります。

エアーフローにあたって注意が必要なケース

①深い歯周ポケットや重度の歯周炎

単独での使用は不十分で、他の歯周治療が必要です。  

②露出した根面

過度の噴射は知覚過敏を引き起こす可能性があるため、低研磨粉や出力調整が必要です。  

③呼吸器疾患のある患者

エアロゾルの発生によるリスクを考慮する必要があります。  

④被せ物やクラウンの素材を考慮

被せ物やクラウンの素材によっては、表面が傷む場合があるため、適切な粉末選択が不可欠です。

エアーフローで使用される粉末の種類

エアフローで使用される粉末の代表的なものは以下です。

⚫︎重炭酸ナトリウム

いわゆる重曹。着色除去に優れているが、研磨性が高め。  

⚫︎グリシン系・エリスリトール系

低研磨で歯質や歯肉に優しく、インプラント周囲に使いやすい。

当院では、特に理由はなければエリスリトール主成分のものを使用しています。

歯肉縁上、縁下両方使用可能であり、通常の紙歯面清掃で使う研磨パウダーより粒子サイズが平均粒径14μmと細かく、より歯面をより傷つけず処置ができます。

また、水溶性が高いため歯周ポケット内の噴射でもパウダーが残りにくくなっています。

(残存したパウダーは逆に歯周病の原因となることがあります。

処置当日の流れ

それでは処置の流れについて説明します。

①問診・口腔内チェック

既往歴や症状を確認します。また、どこまで白くなりたい、着色を取りたいかなどの患者さんのご要望をお聞きします。

②エアフロー処置(スケーリングを併用することも)

痛みは少なく、短時間で行われ20〜30分程度で、範囲や内容により変動します。

処置中は水しぶきや音がありますが、ほとんど痛みは伴いません。  

③アフターケア

処置直後から飲食・歯磨きは通常通り可能です。

ただし、着色再発を防ぐため日常のブラッシング、フロス、うがい、生活習慣の見直し(喫煙、着色性飲食の節制)を続けることが重要です。

定期的なプロフェッショナルクリーニング(目安:3ヶ月に1回)を推奨します。

エアフローで期待できること(メリットについて)

①コーヒーやお茶、タバコの着色(ステイン)を目に見えて落とせます。  

②歯ブラシでは落ちにくいバイオフィルム(細菌の膜)をやさしく取って、むし歯や歯周病の予防に役立ちます。  

③痛みや不快感が少ないので、処置中に怖さやストレスを感じにくいです。  

④インプラントや被せ物がある方には、素材に合った粉を選べば安全にメンテナンスできます。

エアフローで期待できないこと(デメリット、限界)

①歯の内部の着色(内因性着色=インストリンシックステイン)は取れません。

歯の色が変わっている原因が、歯の内部(神経の変性、テトラサイクリンによる変色、フッ素症、外傷後の変色など)の場合、エアフローでは改善しないため、ホワイトニングやラミネートべニア、セラミックやCAD/CAMクラウンなど別の治療が必要です。  

②歯石(硬くなったプラーク)はエアフローでは除去できません。先にスケーリング(歯石除去)が必要になります。  

③深い歯周ポケット内の頑固なプラークや感染は、エアフロー単独では難しいことが多く、スケーリング・ルートプレーニングや歯周外科が必要になる場合があります。  

④被せ物の色や形は変わりません。詰め物・被せ物自体の変色は、該当素材の交換や補綴治療が必要です。  

⑤一時的に知覚過敏が起きることがあります(特に根面露出が多い方)。症状が強ければ知覚過敏の処置が必要となります。

よくある質問(Q&A)

Q. 何回で効果が出ますか?  

A. 多くは1回で目に見える改善があります。予防目的なら定期的な受診と処置が効果的です。  

Q. 痛みやしみますか?  

A. 一般に痛みは少なく、しみる感じも軽度ですが、根面露出が多い場合は術者が出力や粉末を調整します。

Q. インプラントにも使えますか?  

A. 低研磨粉末を用いることで、インプラント周囲のメンテナンスに適しています。術者の判断で安全に行います。

Q. 保険適用ですか?  

A. 一般的に保険適用の処置ではありません。当院では2200円(税込)で実施しております。

終わりに

エアフローは「短時間で快適に着色とバイオフィルムを除去できる有用な予防ツール」です。あなたの口の状態(インプラントの有無、根面露出、既往疾患など)に応じて最適な粉末と設定を選び、安全に処置を行います。

もしご不安であれば受診前に「私の場合、エアフローは適切ですか? どの粉を使いますか?」と担当医に相談してください。

他にも何か疑問点等ございましたら、お気軽にお尋ねください。

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