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硬いものを噛むと歯にいいのか?—科学的観点からの歯と脳の健康促進

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2025年6月13日

硬いものを噛むと歯にいいのか?—科学的観点からの歯と脳の健康促進



はじめに

食事中の咀嚼は、単なる食べ物を細かく砕く行為以上の意味を持ちます。特にある程度の硬さをもつものを積極的に噛むことは、歯の健康だけでなく、全身の健康に重要な役割を果たしています。以下に、噛むことのメリットとデメリット、そして脳の発達や認知症予防に関わる最新の研究結果も交えて解説します。

咀嚼を促すことのメカニズムとメリット

◾️歯と歯周組織への良好な刺激
硬い食品を噛むと、咀嚼時の物理的刺激が歯のエナメル質や歯槽骨に伝わります。

これによって、歯周組織の血行促進や骨密度の維持に寄与します。

適度な咀嚼は歯槽骨の吸収を抑制し、歯の喪失を防ぐ可能性があります。
◾️咀嚼筋と顎関節の強化
筋肉のトレーニング効果とともに、顎関節の健康維持に重要です。

特に若年期から咀嚼筋を鍛えることは、顔貌の引き締めや、バランスのとれた顔面骨格の維持につながります。
◾️唾液分泌と抗菌作用の促進
咀嚼により唾液の量が増加し、唾液に含まれる酵素や抗菌成分が口腔内を清浄に保ちます。

これがむし歯や歯周病の予防に寄与します。
◾️脳血流量の増加と認知機能の向上
噛む行為は脳の血流を増やす作用があります。

特に、前頭葉や海馬といった認知機能や記憶に関係する脳領域の血流を促進し、神経細胞の機能を高めると考えられています。

例えば、噛むことで脳の酸素供給が増え、認知症予防や認知機能の維持に役立つ可能性が示唆されています。

注意すべきデメリット


◾️過度な硬さは歯のダメージを引き起こす
あまりにも硬いものを無理に噛むと、歯にひびや割れが入るリスクが高まります。

特に、詰め物やクラウンがある場合は、破損のリスクが高くなります。
◾️歯や顎の負荷による歯周病の悪化や顎関節症
過度な咀嚼負荷は、歯や顎関節にストレスをかけ、痛みやトラブルの原因となることがあります。

顎関節症や歯の摩耗が進行する恐れもあり、適度な力度での咀嚼が推奨されます。
◾️疾患や歯の状態に応じた注意
むし歯や歯周病の進行中は、硬いものを避けるべきです。

歯科医師と相談し、自分の口腔状態に合った咀嚼習慣を心がける必要があります。

咀嚼と脳


咀嚼行動の脳への効果に関する証拠が数多く蓄積されています。特に、認知症患者や高齢者において、咀嚼運動を継続的に行うことで、脳の神経活動や血流が活性化し、認知機能の低下を抑制する効果が期待されています。
他国の研究では、硬いものを積極的に噛む習慣を持つ高齢者は、認知症の発症リスクが低いことが示されています。

これは、咀嚼運動が脳の血行を促進し、神経の健康維持に寄与していると考えられています。

終わりに


硬いものを噛む行為は、適切に行えば歯の健康促進だけでなく、脳の血流や認知機能の改善にもつながる非常に重要な活動です。

ただし、過度な負荷や不適切な硬さは逆効果をもたらすため、バランスと自己の口腔状態に合った適度な噛む習慣を守ることが大切です。

定期的な歯科検診とともに、噛む力を維持・向上させる工夫を行い、健康寿命の延伸を目指しましょう。

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