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無くなった歯を補うブリッジ治療についてのメリット、デメリットと材質による特徴

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2025年12月10日

無くなった歯を補うブリッジ治療についてのメリット、デメリットと材質による特徴

(院長の徒然コラム)

はじめに

こんにちは

歯の欠損は、見た目や噛むこと、さらには全体的な健康に影響を与えることが分かっています。

歯を欠損しても適切な治療を行うことで、日常生活の質を高めることができます。

今回のコラムでは「ブリッジ」について、さまざまな視点から詳しく解説していきます。

具体的には、ブリッジの定義や材質による種類、メリット・デメリット、耐用年数、適応・禁忌、メンテナンスに関する知識など、役に立つ情報をしっかり掲載していきますね。

ブリッジの定義と種類

ブリッジは固定式の補綴物であり抜けた歯の両端にある健康な歯(支台歯)を利用してその間を人工のダミーの歯(ポンティック)で補う方法です。

この方法には主に以下の3つの材質や形状による種類があります。

①金属系ブリッジ(PFMや金属冠)

金属系のブリッジは、特に強度を重視した設計で、機能的には非常に優れています。

保険診療ですと、貴金属合金の金属フレームにレジン(樹脂)を唇側や頬側に貼り付けた保険適用ブリッジが主となります。

ただしこのブリッジはどうしても金属面が露出してしまうので、見た目に大きく課題を残します。

一方で自費診療の金属系ブリッジでは、金属のフレームに陶材を焼き付ける(メタルボンド:PFM)で、強度と見た目を両立させることができますが、それでも裏は金属が見えるため審美性には課題があります。

また金属の裏打ちがあるため、歯に透明感がないのが大きな欠点です。

②オールセラミックブリッジ

オールセラミックブリッジは、金属を使用せずに完成させるため、非常に高い審美性を誇ります。

特に前歯の治療に多く用いられ、自然の歯とほとんど区別がつかないほどです。

ただし、強度が金属系より劣るため、特に咬合力が強い場所では破折リスクが高くなるため注意が必要です。

セラミックの中でも特に丈夫なジルコニア製になると、奥歯の咬合力にも耐えられますが、もちろん金属には一歩劣ります。

③接着性ブリッジ

接着式ブリッジは、支台歯をあまり削らずに接着材で固定します。

インレータイプのブリッジとして利用されることが多く、前歯の治療に向いています。

ただし、長期間の安定性や耐久性には限界があります。

よく誤解がありますが、歯を全く削らない治療ではありません。

歯の裏や側面は削る必要があり、歯の大きさや咬合力によっては適応できないケースも多いです。

また上記2つに比べると耐用年数が低いです。

ブリッジ治療のメリット

①機能回復

歯を補うことで咬合や舌感が回復し食事や会話がスムーズになります。

②固定式である

取り外しの手間がなく、自然な感覚で使用できることが多いです。

③噛んだ感じに違和感が少ない。

入れ歯やインプラントと違い、噛む感覚は依然と遜色がありません。

④材質によって見た目はいい

特にオールセラミックやジルコニアブリッジは、審美的に優れた自然な仕上がりが得られます。

⑤耐久性

適切なケアを行えば、長期間にわたって使用することが可能です。

しかも歴史が古いので、データが蓄積しておるので安全性も高いです。

⑥治療期間が短い

他の欠損補綴治療に比べ、圧倒的に治療期間が短いです。

インプラントのように骨の安定を何ヶ月も待たなくていいですし、入れ歯のように幾つかの手順を踏む必要も有りません。

ブリッジ治療のデメリット

①支台歯への負担

健康な歯を削合することが必要なため、その支台歯が将来的に問題を起こすリスクが増えます(例:虫歯、歯根破折)。

②清掃の難しさ

特にポンティック下(ダミーの歯の下の部分)はプラークが溜まりやすく、虫歯や歯周病の原因となります。

③材質によっては審美性の問題が生じる

金属系ブリッジは透明感がなく、金属が見える場合もあり、審美治療には不向きで、見た目が悪くなる可能性があります。

④コスト

自費の場合、特にオールセラミックやジルコニアは高額になることがあります。

また、昨今の金属価格の高騰を受けて、保険のブリッジの価格も上昇傾向にあります。

耐用年数について

ブリッジの耐用年数は、使用する材料、口腔の状況、患者の日常的なケアによって異なりますが、一般的には以下のような傾向があります。

歴史が古いので、結構エビデンスが蓄積しています。

①金属系ブリッジの場合

金属系(PFMを含む)のブリッジは、適切に管理されると通常5〜10年の耐用年数が期待できます。

多くの研究では、10年後の生存率が70〜90%程度と報告されており、耐久性が高いとされています。これは、金属の強度と堅牢性が理由です。

②オールセラミックブリッジの場合

オールセラミックブリッジは、特に前歯の美観を重視する患者に適していますが、耐用年数は一般的に5年程度かそれ以上です。

材料自体の特性上、強い咬合力がかかる部位では破折のリスクが高くなるため、臼歯部への適用は慎重に行う必要があります。

ただしジルコニアについては臼歯部にも使用できるため、同様の耐用年数を確保できます。

また、セラミック系は汚れがつきにくく、虫歯になりやすいのも特徴です。

③接着性ブリッジ

接着性ブリッジは、その削る量の少なさの代わりに耐用年数をやや犠牲にしています。

あくまでも削りたくない方のために考案された補綴物であり、一般的には耐用年数が限られています。

多くの場合、3〜5年程度が想定され、必要に応じて再治療が必要になることがあります。

ブリッジの適応と禁忌

ブリッジ治療の適応症と禁忌症を説明していきます。歯の生え方や失った歯の本数、歯周病の状況によっては、適応できない場合もあります。

ブリッジの適応症

①健康な支台歯があること

支台歯が十分に健全で安定していることが理想です。

ブリッジの支台歯には通常よりも過負荷になるため、土台がしっかりしていないといけないのです。

②欠損部が1本(場合によっては2本)である場合

複数の歯が欠損している場合は、インプラントや部分入れ歯が選択されることが多いです。

もちろん自費や保険でも一部の欠損例であれば適応にもなりますが、奥歯の2本続けての欠損は、通常ブリッジはおすすめできません。

適応かどうかは歯科医院でお尋ねください。

③患者が短期間での治療を希望する場合

ブリッジは比較的早く完成できるため、治療にかかる時間が短縮されます。

早く機能回復したい方にはオススメです。

ブリッジの禁忌症

①支台歯に重度の虫歯や歯周病がある場合

支台歯が治療の基盤となるため、健康な状態であることが重要です。

例えば歯周病でグラグラな歯は支台歯にできませんし、根っこが割れている歯も同様に支台歯にできません。

②強い咬合力がある患者

歯ぎしりがある場合、材質によってはブリッジが破損するリスクが高まります。

このような場合は、ナイトガードの使用併用が検討されることがあります。

完全に禁忌ではないですが、しっかりと咬合力を見極める必要があります。

③骨の状態が良好でない場合(例:骨量不足)

支台歯を支える骨が吸収され、支持が十分でないと判断される場合は、インプラント治療などが選択されることがあります。

(最もあまりに骨量が不足している場合はインプラントも難しいケースとなりますが)

ブリッジのメンテナンス

ブリッジの寿命を延ばし、口腔内の健康を維持するためには、以下のメンテナンスが重要です。

①日常の口腔ケア

⚫︎清掃について

デンタルフロスや歯間ブラシを用いて、ポンティックの下や支台歯周囲をしっかり清掃することが必要です。

これにより、虫歯や歯周病のリスクを低下させます。

⚫︎うがいについて

食後に清潔な水やうがい薬でうがいを行うことも、口腔内の衛生を保つ助けとなります。

特にポンティック下には詰まりやすいのでしっかりうがいしましょう。

②定期的な歯科受診

⚫︎定期検診について

平均3ヶ月ごとに歯科医院での定期検診を受け、ブリッジの状態や周囲の健康を確認します。

また、問題が早期に発見できるため、長期的な健康管理が必要です。

⚫︎プロフェッショナルクリーニング

歯科医や衛生士による清掃を受けることで、普段のケアでは落としきれないプラークや歯石を取り除くことができます。

③生活習慣の見直し

⚫︎食事について

硬いものや粘着性のある食品(キャラメルなど)は避け、健康的な食事に心がけることで、ブリッジや周囲の歯に加わる負担を軽減できます。

⚫︎歯ぎしり対策

歯ぎしりがある患者さんには、ナイトガードを提案されることが多いです。

寝ている間に使用することで、ブリッジや歯にかかる強い力を和らげ、破損リスクを減少させる効果があります。

ブリッジと他の治療法の比較

ブリッジは多くの利点がありますが、他の治療法と比較することも大切です。

今回は他の主な治療法として、インプラントと部分入れ歯との比較を紹介したいと思います。

①VSインプラント

⚫︎特徴

インプラントは、顎の骨に人工の歯根を埋め込み、その上に人工歯を取り付ける方法です。

長期的な安定性があり、隣接の歯を削る必要がありません。

⚫︎メリット

骨の維持ができ、隣接歯に影響を与えません。咬合力も通常の歯と同様に回復します。

残った歯にも負担をかけません。

⚫︎デメリット

手術が必要で、治療に時間がかかることがあります。また、コストも高めです。

あと誤解しがちですが、噛みごごちはブリッジに比べれば、違和感があります。

(歯と骨の間に歯根膜という組織がないため)

②VS部分入れ歯

⚫︎特徴

抜けた歯の補うため、残っている歯で支える取り外し可能な義歯です。

⚫︎メリット

治療が比較的短期間で、費用が抑えられることが多いです。(ブリッジと同程度に早く終わることもあります。)

⚫︎デメリット

使用する際の違和感が大きく、清掃の際などに取り外す必要があるため、手間がかかります。

長期的に見ると支台歯に影響を及ぼす可能性があります。

※欠損歯補綴は自身のライフスタイルに合わせた選択を

各々のライフスタイルや口腔内の状況によって、どの治療法が適切かが異なります。治療選択が自身のライフスタイルにどのように影響するかも考慮に入れると良いでしょう。

ブリッジ治療を受けた後も、定期的な検診を怠らず、歯科医院からアドバイスを受けることが大切です。

健康状態を維持するためのポイントを適切に把握しておきましょう。

ブリッジについてのエビデンス

ブリッジは歴史が長いため、現在では多くの研究がブリッジ治療の効果についてのエビデンスを提供してくれています。

安心して治療を受けていただくためにも、いくつか紹介していこうと思います。

①生存率について

固定式ブリッジの5年生存率は85〜95%、10年生存率は70〜85%とされています。

これはインプラントと比べてもそこまで悪い数値ではなく、高い方だと言えます。

②故障因子について

主な撤去理由には二次カリエス(要するに虫歯)や支台歯の問題があり、特に支台歯の健康状態が寿命に大きく影響します。

やはり清掃を怠ってしまうと、寿命は短くなってしまいます。

③治療選択における決定要因

患者の年齢、全身状態、咬合力、口腔衛生状態などが治療の成功率に影響します。

このため、個々の患者に依存して最適な選択をすることが重要と言えるでしょう。

終わりに

固定式ブリッジ治療は、欠損した歯を補うための効果的な手段の一つであり、機能的かつ審美的な観点から多くの患者さんに適応されています。

しかし、治療を受ける前にはリスクや利点をしっかり理解し、適切な選択をすることが求められます。

支台歯の状態をきちんとチェックして健康な支台歯かどうか、虫歯や歯周病のリスクはどの程度なのかをしっかり考慮し、治療を受けましょう。

そして補綴物の生存率を上げるためにもライフスタイルを見直してあなたの食事習慣、口腔衛生習慣、そして全般的な健康状態が健全かどうか、しっかり改善していきましょう。

その上で定期的なメンテナンスをおこない、ブリッジ治療を受けた後も、適切な口腔ケアを受けて治療後の経過を追うことで、万全のフォローをしていきましょう。

固定式ブリッジは、多くのメリットを持ちながらも、治療の選択を考える際にはデメリットも考慮する必要があります。

担当の歯科医師と十分に相談した後、治療法を選ぶことで、より良い結果につなげることができるでしょう。

患者さん一人一人が抱える問題や希望に応じた適切な治療法を見つけることで、より良い歯科医療サービスを実現できます。

今の口腔内の状況や治療について更に詳しく知りたいことがあれば、いつでも相談してください。

一緒に最適な治療計画を立て、健やかな口腔環境の維持を目指していきましょう。

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