2024年11月18日
妊娠中はホルモンバランスや生活習慣の変化により、お口の中の健康状態も変わりやすい時期です。妊婦さんのお口の健康は、赤ちゃんの健康にも影響を与えるため、特に注意が必要です。今回は、妊娠中に気をつけるべき口腔ケアについてお伝えします。
1. 妊娠中に起こりやすいお口のトラブル
妊娠中はホルモンの変化や免疫力の低下によって、次のようなお口のトラブルが起こりやすくなります。
• 妊娠性歯肉炎
妊娠中の女性の約7割が経験すると言われています。歯茎が腫れたり、出血しやすくなったりするのが特徴です。
• つわりによるケア不足
つわりで歯磨きがしにくくなり、磨き残しが増えると虫歯や歯周病のリスクが高まります。
• 虫歯の進行
妊娠中は唾液の分泌が減りがちで、お口の中が酸性に傾きやすく、虫歯が進行しやすくなります。
• 妊娠性エプーリス
歯茎にできる腫瘤で、一時的なものですが、不快感や出血の原因になることがあります。
2. 妊娠中の口腔ケアのポイント
妊娠中のトラブルを防ぐために、次のようなケアを心がけましょう。
1. 丁寧な歯磨きを心がける
柔らかめの歯ブラシを使い、歯茎の境目や奥歯など磨き残しやすい部分を意識してケアしましょう。歯磨き粉はフッ素入りのものを選ぶと、虫歯予防に効果的です。
2. つわり中のケアの工夫
つわりで歯磨きが辛いときは、以下を試してみてください。
- 歯ブラシを小さめにして負担を減らす
- 無理せずデンタルリンスやフッ素洗口液で口をゆすぐだけの日もOK
- 胃酸で歯が弱っているときは、すぐに水で口をすすぐ
3. 間食や飲み物に注意
妊娠中はお腹が空きやすく、間食が増えがちです。砂糖を含むお菓子やジュースではなく、ナッツやチーズ、無糖の飲み物を選ぶと虫歯のリスクを減らせます。
4. 定期的な歯科検診を受ける
妊娠中の検診は、安定期(妊娠4~7か月)に受けるのがおすすめです。普段以上に虫歯や歯周病のチェックをしてもらい、必要に応じてクリーニングを受けましょう。
3. 赤ちゃんのためにもお口の健康を守る
妊婦さんのお口の健康状態は、赤ちゃんにも影響を与えることがあります。
• 早産や低体重児のリスク
妊娠中の歯周病は、早産や低体重児の原因になる可能性があるとされています。歯周病を予防し、健康な妊娠生活を送りましょう。
• 赤ちゃんの歯の健康への影響
お母さんのお口に虫歯菌が多いと、生まれた赤ちゃんに虫歯菌が移りやすくなります。妊娠中からお口を清潔に保つことが、赤ちゃんの虫歯予防にもつながります。
妊娠中のお口のケアは、妊婦さん自身だけでなく、生まれてくる赤ちゃんの健康を守るためにも大切です。日々のケアに加えて、歯科検診や専門的なクリーニングを活用して、お口の健康を維持しましょう。
妊娠中のお口のトラブルやケアについて気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。あなたと赤ちゃんの健康を、私たちがお手伝いします!