2024年10月25日
矯正治療を始めると決めたとき、まずは治療方法を決めなくてはいけません。理想の位置まで歯を移動させて歯並びを整えるため、装置を使って歯に力を与えることが必要になります。その方法として選択するのが、マウスピース矯正とワイヤー矯正のふたつになります。だた、全ての歯列矯正に適応する訳ではないため詳しくご説明していきます。
【マウスピース矯正とは】
マウスピース矯正とは、透明なマウスピースを使用して歯並びを整える矯正治療の方法です。一般的なワイヤーやブラケットを使った矯正とは異なり、透明なプラスチック製のアライナーを数週間ごとに交換し、少しずつ歯を理想の位置に移動させます。透明な素材で目立ちにくく、食事や歯磨きの際に取り外せるため、衛生面での管理がしやすくなります。また、ワイヤーやブラケットが直接歯に当たらないため、痛みが比較的少ないこともメリットです。期間的には治療する範囲や程度によって差はありますが、おおよそ半年〜2年半ほどが目安とされています。
【マウスピース矯正が適応でない症例】
重度の不正咬合
重度の出っ歯(上顎前突)や受け口(下顎前突)、極端な開咬(奥歯だけが噛み合う状態)など、大きな位置調整が必要な場合は、マウスピース矯正が適さないことがあります。これらのケースではワイヤー矯正や外科的治療が必要になることが多いです。
深いかみ合わせ(過蓋咬合)
過蓋咬合(上の前歯が下の前歯を深く覆っている状態)の場合、マウスピースが適切に働かないことがあります。このような症例もワイヤー矯正が優先されることが一般的です。
複雑な歯の回転や移動が必要な場合
特に犬歯や小臼歯が大きく回転している場合、マウスピース矯正では歯の回転が難しいことがあります。また、歯を大幅に移動させる必要がある場合も、ワイヤー矯正の方が効果的です。
歯の重なりが大きい場合
歯が重なり合っている場合、アライナーでは理想的な位置に動かすのが難しいことがあります。特に、狭いスペースに多くの歯が密集している場合は、ワイヤー矯正でスペースを確保しつつ移動させる方が効果的です。
骨格的な問題がある場合
上顎と下顎の骨格に大きな不調和がある場合、例えば上顎が極端に小さい、下顎が極端に大きいなどのケースは、マウスピース矯正だけでは対応が難しく、外科手術と矯正を併用することが必要です。
自己管理が難しい方
マウスピース矯正は、毎日20〜22時間の装着が必要です。装着時間が短いと効果が得られず治療が進みません。そのため、自己管理が難しい方や装着時間を守れない可能性がある方には適していません。
喫煙習慣のある方
喫煙によってマウスピースが変色したり、衛生管理が難しくなります。矯正中は禁煙が推奨されますが、それが難しい場合は矯正治療が適さないことがあります。
重度の歯周病や虫歯がある方
歯や歯茎が健康でない場合、矯正治療自体がリスクとなります。まずは歯周病や虫歯の治療を優先し、口腔内が健康な状態になってから矯正を始めるのが望ましいです。
成長期の子ども
成長期の子どもは顎の骨がまだ成長中であり、骨格の調整が必要なケースが多いです。マウスピース矯正では十分な骨格調整ができないため、固定装置を使った矯正が推奨されることがあります。
歯ぎしりや食いしばりが強い方
歯ぎしりや食いしばりが強い方は、マウスピースにダメージを与える可能性が高く、頻繁な交換が必要になる場合があります。このため、長期的なマウスピース矯正が難しいことがあります。
近年ではマウスピースでの歯列矯正が全国各地でだいぶ普及してきました。
さらに、スキャナを使った歯型の再現により患者さんの負担を大きく減らすことまでできるようになりました。
患者さんの年齢や生活状況に合わせて選択の幅が広がってきたことは、歯列矯正がより皆さんに身近になってきているのだと感じています。
当院ではインビザラインを導入しています。矯正相談は無料で行っていますので、気になる方はぜひ一度、お越しください♪