2025年6月24日

お子さんの乳歯がグラグラし始めると、本人が歯を気にしてあまり食べなくなったり、歯のことをずっと気にしてしまったりして大人も心配になりますよね。
グラグラしてすぐに抜けてくれればいいのですが、多くの場合はグラグラし始めてから抜けるまでにある程度の時間がかかります。
そんな場合に自分で抜いてしまっても問題ないのか疑問に思ったことはありますでしょうか?
今回は乳歯から永久歯への生え変わりに関して、「自分で抜いてしまっても大丈夫なのか?」などといった疑問点に詳しくご説明します🦷
乳歯が抜けるのはいつ頃?

乳歯の生え変わりは、まず一番前の前歯から起こり、大体前から順に奥の臼歯にかけて起こっていきます。(途中の順番が入れ替わる場合もあります)
乳歯のグラグラしてくる年齢というのは多少の個人差がありますが、大体歯の種類によって決まっています。
生え変わりの年齢の正常範囲は大体以下の通りです。
・A(前から1番目の歯) ⇒ 5~8歳頃
・B(前から2番目の歯) ⇒ 6~9歳頃
・C(前から3番目の歯) ⇒ 9~12歳頃
・D(前から4番目の歯) ⇒ 9~11歳頃
・E(前から5番目の歯) ⇒ 10~12歳頃
この年齢を過ぎてもなかなか生え変わりが起こらない場合は、念のために一度歯医者に相談してみることをおすすめします。
乳歯がなかなか抜けてこない原因
乳歯が自然に抜けていくことは当然、と思われがちですが実際なかなか抜けてこない場合もあります。
乳歯がなかなか抜けない場合、次のようなことが原因になっている可能性があります。
永久歯の位置がずれている
通常は、乳歯の奥の骨に永久歯が控えており、永久歯がだんだんと歯ぐきに近づいてくるにつれて、乳歯の根っこが吸収されていきます。
その後、乳歯の根っこが短くなったら乳歯は支えを失い、抜けてきますが、永久歯が埋まっている位置がずれていると、乳歯の根っこの吸収が順調に起こらず、乳歯が抜けてきません。
永久歯が欠損している
10人から1人くらいの割合で、永久歯が元々備わっていない「先天欠如」のケースがあります。
先天欠如歯が多いのは、下の前から2番目の側切歯と、前から5番目の第二大臼歯です。
このような場合にも、乳歯の根っこが吸収されないため、乳歯が抜けてきません。
この場合、いずれ自然と根っこは吸収し、30代くらいまでに抜けることが多いですが、それまでは乳歯を大切に使っていく必要があります。
その後は、ブリッジやインプラントなどで歯を補う治療を行います。
永久歯が深い位置に埋状している
稀に、永久歯が深い位置に埋状していて、出てこない場合があります。
そのような場合にも、乳歯の根っこが吸収されませんので乳歯は抜けてきません。
乳歯が抜けない場合に起こり得る影響

歯並びが悪くなる可能性がある
乳歯と永久歯は大きさが違います。
もし乳歯が抜けないままの状態が続くと、他の歯とのバランスが悪くなってしまい、将来的に歯並びや噛み合わせが悪くなってしまうリスクがあります。
また、永久歯の埋まっている位置が乳歯と少しずれていて、乳歯の根っこが順調に吸収されずになかなか抜けてこない場合、永久歯はそのままずれた状態で生えてきてしまうので、歯並びがガタガタになってしまう可能性があります。
永久歯に虫歯ができる恐れがある
乳歯のしたから永久歯が顔を出して生きているのになかなか抜けない場合、乳歯が邪魔になって永久歯をしっかりと磨くことができないので、永久歯に虫歯が出来てしまうリスクがあります。
乳歯を自分で抜いても大丈夫?

乳歯は全部で20本ありますので、乳歯がグラグラしてくる度に歯医者に行くのは大変です。
そこで、乳歯を自分で抜いても大丈夫な条件を知っておくとよいでしょう。
また、同時に自分で乳歯を抜くリスク、自分で乳歯を抜く方法についても詳しく解説していきます。
乳歯を抜いても大丈夫な条件
乳歯を抜いても大丈夫な条件として、次のようなことが挙げられます。
◎生え変わる適齢にきていること
乳歯がぐらついてきて、その歯が生え変わる適齢に達している場合には、そろそろ抜き時だと考えて良いでしょう。
◎かなりグラグラしている・できればぶらぶらしている状態である
乳歯というのは、グラつき始めてからすぐに抜けるわけではありません。
お子さんによっては少しでもグラつくと気になってしまう場合もありますが、通常は時とともにだんだんとグラつきが増してきますので、グラグラの度合いが強くなってぶらぶらしているくらいになったら、抜いても大丈夫と考えて良いでしょう。
自分で乳歯を抜くリスク
自分自身で乳歯を抜く場合、いくつかのリスクが挙げられます。
◆歯ぐきが裂けてしまう
あまりグラグラが十分でない時に無理矢理抜いてしまうと、歯ぐきが裂けてしまう恐れがあります。
◆根っこが折れてしまう
これは奥歯の場合のリスクですが、複数ある根っこの一部が十分に吸収していないのに力ずくで抜いてしまうと、根っこが折れてしまうこともあります。
◆痛みがトラウマになってしまう
痛みを感じる間もなくすぐに抜ける場合だと良いのですが、なかなか抜けなかったりするとお子さんが痛みに敏感になってしまうので、痛みがトラウマになってしまうリスクがあります。
◆雑菌が入るリスク
清潔にしていない状態で抜いたり、抜いた部分を指などで触ったりすることで、傷口に雑菌が入るリスクがあります。
自分で乳歯を抜く方法
自分で抜きたい場合、グラグラからぶらぶらになるまでじっくりと待つことが大変重要です。
無理矢理急いで抜こうとしても、時期を間違えると辛い思いをするだけなので、それはおすすめしません。
通常は、下や指などでいじっているうちにだんだんとグラグラの度合いが大きくなっていきますので、ぶらぶらになる頃を見計らって抜くと良いでしょう。
何か異常を感じたら早目に歯医者へ受診することをおすすめします。
もし可能なら、お子さんのうちはお口の環境が刻々と変化しますので、異常がなくても、定期的に歯医者を受診し、管理してもらっておくと安心です。