2024年11月18日
歯科医院で行う歯のクリーニングは、歯の健康を守るために非常に重要な手段のひとつです。歯磨きだけでは落としきれない汚れや、歯周病の原因となる歯垢(プラーク)を取り除くことができます。今回は、保険診療で受けられる歯のクリーニングについて、わかりやすくご説明します。
1. 歯のクリーニングの目的とは?
歯のクリーニングは、虫歯や歯周病の予防を目的としています。日々の歯磨きでは取り切れない汚れや歯垢を取り除き、口内を清潔に保つことができます。歯垢は、細菌の塊であり、放置しておくと歯茎の炎症を引き起こし、最終的には歯周病や虫歯の原因となります。
定期的な歯のクリーニングによって、歯を健康な状態に保つことができ、口臭の予防にもつながります。
2. 保険診療で受けられる歯のクリーニング
歯科医院でのクリーニングは、保険診療でも受けることができます。保険診療でのクリーニングでは、主にスケーリング(歯石取り)やブラッシングを行います。
• スケーリング(歯石取り)
歯石は、歯垢が固まってできたものです。歯石が付着すると、歯ブラシで取ることができません。スケーリングでは、専用の器具を使って歯石を取り除き、歯の表面をきれいにします。これにより、歯周病を予防することができます。
• ブラッシング
歯科衛生士が正しいブラッシング方法を教えながら、歯の隅々まできれいに磨きます。特に、歯と歯茎の境目や、歯と歯の間など、普段自分で磨きにくい部分を重点的に清掃します。
保険診療でのクリーニングは、基本的に必要な範囲内で行われるため、比較的短時間で終了します。
3. クリーニングの流れ
保険診療での歯のクリーニングは、次のような流れで行われます。
1. 診察
まず、歯科医師が口の中をチェックし、歯垢や歯石がどの程度ついているか確認します。
2.精密検査
歯周病の進行度をチェックしたり、出血部位、歯が揺れてないか、磨き残し部分など細かくチェックします。治療後に歯茎がどれくらい改善したか分かるように口腔内写真も撮影します。
3. スケーリング(歯石取り)
歯の表面や歯と歯茎の間にたまった歯石を取り除きます。歯石が多い場合は、数回に分けて行うこともあります。
4.ブラッシング指導
歯科衛生士が歯を丁寧に磨き、歯と歯茎の隅々まできれいにします。また、磨き方の指導も行います。
4. フッ素塗布(オプション)
必要に応じて、歯の表面にフッ素を塗ることがあります。フッ素は歯を強化し、虫歯予防に効果があります。
4. クリーニング後のケア
クリーニング後は、口内がとても清潔な状態になります。歯茎が引き締まり、歯の表面がつるつるになります。しかし、歯科医院でのクリーニングだけでは完全に虫歯や歯周病を防ぐことはできません。家庭での歯磨きも重要です。
• 毎日の歯磨き
クリーニング後は、歯をより丁寧に磨くことを心がけましょう。歯ブラシだけでなく、フロスや歯間ブラシを使うことで、歯と歯の間の汚れも取り除けます。
• 定期的な受診
歯科医院での定期的なクリーニングを受けることで、口内の健康を保つことができます。虫歯や歯周病の早期発見にも繋がるため、半年に一度など、定期的に受診しましょう。
5. クリーニングは痛い?
クリーニングは基本的に痛みを伴うことは少ないですが、歯茎が炎症を起こしている場合などは、少し痛みを感じることもあります。しかし、歯科医師や歯科衛生士は、お子様やご高齢の方でも安心して受けられるように配慮して行いますので、気になる方は事前に相談してみましょう。
保険診療での歯のクリーニングは、虫歯や歯周病の予防にとても効果的です。歯石や歯垢を取り除き、口腔内を清潔に保つことで、健康な歯を長く維持することができます。定期的な歯科医院でのクリーニングと、家庭での歯磨きを組み合わせることで、より良い口内環境を保ちましょう。