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歯のCR(コンポジットレジン)の着色を防ぐ方法

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2025年7月01日

歯のCR(コンポジットレジン)の着色を防ぐ方法

はじめに


歯の修復に良く使われる材料、コンポジットレジン(CR)は、見た目の美しさや短期間での修復に優れ、ほぼ全ての歯科医院で使用されています。

ただし、長期間美しい状態を維持するためには、着色や変色を予防することが重要です。

特に、CRはその特性上、着色しやすい欠点も指摘されているため、適切な選択とケアが必要となります。
本コラムでは、CRの基本知識から、着色の原因とメカニズム、効果的な予防法、そして抗着色性に優れた製品例までを詳しく解説します。

1. コンポジットレジンとは何か?



コンポジットレジンは、光硬化性樹脂と微細な充填粒子(フィラー)を組み合わせて作られる審美修復材料です。

自然な歯の色や透明感を再現でき、虫歯治療や歯の修復、色調補正に広く用いられています。
⚫︎特徴
CRはセラミック材料には劣るものの、審美性(色調や 透過性)に優れ、術者の操作のしやすさ(即日修復可能)においてはトップクラスの材料です。
充填した後も光で硬化し迅速な仕上げを可能としています。
一方で、材料の性質や表面の仕上げによって、着色や経年的な変色のリスクも存在します。

2. CRの着色原因とメカニズム



①着色の主な原因
⚫︎飲食物や飲料の色素成分
コーヒー、紅茶、赤ワイン、カレー、ソース類などに含まれる色素やタンニン、ポリフェノール類が表面に付着しやすいです。
⚫︎喫煙やタバコの煙
タールやニコチン成分が付着しやすく、長期的に表面を褐色や黄ばみが覆ってしまいます。
⚫︎プラークや歯垢の蓄積
歯垢や菌の代謝産物も着色に関与します。プラークが付着していると、他の着色成分もつきやすくなります。
⚫︎経年劣化と表面の摩耗
日々の咀嚼やすり減りにより、表面の滑沢さが失われやすく、着色しやすい状態になってしまいます。

②着色のメカニズム
CRの素材は、ポリマー自体に若干の吸水性があり、表面にポリフェノールなどの色素が沈着しやすく、表面の滑らかさや研磨状態により着色具合が変化します。

特に粗面や研磨不足部分は色素の付着やすさが増加します。

3. 着色を防止するための日常的なケア法と習慣


①正しい歯磨きと口腔衛生
⚫︎適切なブラッシング

少なくとも毎日2回、歯ブラシとフロッシングを併用し、歯面やCR表面に付着したプラークや着色物を除去することが推奨されます。
⚫︎適切な歯磨き粉選び

研磨剤の粒子が細かいものや、抗着色成分入りの歯磨き粉がおすすめです。

ただし、硬すぎるものは逆に樹脂表面を傷つけ、着色しやすくなることもあります。


②食習慣の見直し


⚫︎着色リスクの高い飲み物にはストローの使用

飲料が直接CRに触れないようにする。

結構芸能人は徹底されているそうです。


⚫︎飲み物の摂取後はすぐに水で口腔内をすすぐ

水ですぐに洗い流すことで色素の沈着を抑える効果があります。


⚫︎濃い色の飲み物の摂取を避ける

必要なら薄めたり、そもそも飲む頻度を減らしましょう。


③定期的な歯科受診とクリーニング


⚫︎専門的なプロフェッショナルクリーニング

表面の着色や汚れを除去し、見た目を良好に保ちます。
⚫︎レジン表面の仕上げ・研磨

滑沢な表面を維持するために重要です。

一度吸水して膨張したCRを再研磨するのも効果的です。


④自宅でのホワイトニング

⚫︎歯科医師の指導のもとでのホワイトニング

フリーラジカルによる内側からの漂白や外側の表面処理で、着色の進行を遅らせます。

ただし、ホワイトニング材自体にCRを劣化させる作用もあるので注意が必要です。

4. 抗着色性に優れたコンポジットレジン材料と製品例



近年、耐色素性・長期安定性に優れる製品の開発が進んでいます。これらを選ぶことで、着色リスクを抑えることが可能です。


①代表的な抗着色性の高いレジン製品


1. Filtek Supreme Ultra(3M)
特徴:ナノフィルトレジンの高密度フィラー設計により、表面が平滑で着色しにくい。

光の波長より小さな、1ミクロンの1/1000というナノサイズのフィラーを結合させるナノテクノロジーにより審美性を実現している。


2. G-aenial Anterior(GC)
特徴:高い透明感と優れた耐着色性を実現。
用途:前歯の審美修復に適し、色素沈着に対して強い。
3. Beautifil II(Shofu)
特徴:フッ素放出と耐着色性を兼ね備え、虫歯予防と美しさを両立。
4. Tetric EvoCeram(Ivoclar Vivadent)
特徴:高い耐久性と抗着色性、長期的な審美維持に優れる。
4.2 製品選びのポイント
ナノフィルトやハイブリッドの設計を選ぶ。
適切な仕上げと研磨により、表面の滑らかさを最優先。

5. 表面処理と仕上げの重要性

とはいえ材料選択だけでは不十分です。

仕上げの段階で適切に研磨し、滑沢な表面を形成することが、着色防止に直結します。

ざらざら感が気になったらすぐに歯科医院で相談したほうが良いでしょう。

6. まとめ:長期間美しさを保つための戦略

正しいセルフケア

丁寧な歯磨きと飲食習慣の改善
定期的な歯科受診

専門的クリーニングと表面の調整
材料選び

耐着色性に優れた製品を選択
仕上げと研磨

適切な仕上げにより表面の平滑さを保つ
必要に応じてホワイトニングや再研磨

色調の維持・改善をメンテナンス時に行う。


これらを実践することで、大事なCR修復物も美しさと機能性を長く維持できます。

終わりに


しっかりとしたセルフケアと、適切なプロフェッショナルによるケア、そして材料選びの賢い工夫によって、CRの着色は最小限に抑えられます。

保険治療、自費治療のどちらでもCRは、あなたの歯の治療の選択肢として有効なものです。

本コラムで解説したポイントを、是非取り入れてみてください。

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