2025年3月14日

唾液は口内を潤している分泌液で、通常1日に1~1.5リットル分泌されるといわれています。(分泌量は健康状態・年齢などによって差があります)
実は口内を常に潤すことでさまざまな働きをしてくれる液体なのです。
7つの唾液の働き
唾液は主に7つの役割を担っています。
その役割は、以下の通りです。
▹消化作用 (食べ物を消化する働き)
▹口内の粘膜の保護作用 (口の中に傷が出来ないように守る働き)
▹洗浄作用 (自浄作用)
▹殺菌・抗菌作用 (細菌が入ってくるのを防ぐ働き)
▹緩衝作用 (口の中を中和してくれる働き)
▹再石灰化作用 (虫歯を防ぐ働き)
▹排出作用 (異物などをカラダから排出しようとする働き)
唾液の分泌が少ないことで起こること
唾液のもつ働きや効果を知ると、唾液が体にとってどれだけ大切なものであるかがわかります。
唾液の分泌が減少してしまうとどのようなことが起こるのでしょうか。
◎虫歯になりやすくなる
唾液の働きの中にもあったように、唾液が減ることで食べ物の刺激も直接受け
ることになります。
そしてお口の中を中和する作用が働きにくくなり、再石灰化も効率が悪くなる
ため、虫歯になりやすい口の状態になってしまいます。
唾液の分泌が極端に少ない就寝中は、1日のなかで最も虫歯菌が繁殖しやすい時
間帯のため、「寝る前の歯磨きが重要」と言われるのはこのためです。
◎歯周病が進行しやすくなる
唾液はお口の中の細菌のバランスを保つ作用があるため、唾液が少ないとコン
トロールがうまくいかず、虫歯菌だけでなく歯周病菌も増殖しやすくなり、歯
周病が進行しやすくなってしまいます。
◎口内炎ができやすい
唾液の粘膜保護作用がうまく働かないと、様々なお口への刺激から守ることが
できず、粘膜が傷つきやすくなってしまいます。
この傷から口内炎を引き起こしやすくなってしまうのと同時に、抗菌・殺菌作
用も減ることで、口内炎の治りも悪くなってしまいます。
◎入れ歯がうまく使えなくなる
入れ歯を使用している人は、唾液の減少によってさまざまな弊害を感じること
があります。
入れ歯を載せている歯ぐきの「顎堤(がくてい)」という部分は、唾液によっ
て保護されていますが、減少すると入れ歯と歯ぐきが直接当たって擦れ、炎症
や痛みに繋がります。
◎口臭が気になる
口臭はお口の中の細菌が関係しており、これをコントロールしている唾液が減
少することで細菌が増加し、臭いが強くなってしまうのです。
寝ている間は唾液の分泌量が大幅に少なくなるため、朝起きたときに口臭を強
く感じることがあるのはこのためです。
◎口腔カンジダ(カビ)の発症の可能性
抗菌・殺菌作用が減ることにより、お口の中のカビ菌の一種である「カンジダ
菌」が繁殖してしまうことがあります。
これにより歯ぐきや舌が痛んだりする「口腔カンジダ」を発症してしまうこと
もあるのです。
唾液が少なくなってしまう原因はいくつかありますが代表的なものだと、
薬による副作用、食事の噛む回数が少ない、口呼吸、加齢による減少等が挙げられます。
また、心理的要因で緊張する場面でのどが渇くという経験をしたことはないでしょうか?
人は緊張状態にあると「交感神経」が優位に働き、唾液の分泌を抑えてしまうのです。
唾液の分泌を促すには?
では、唾液の分泌を促すにはどのような方法があるのでしょうか。
・唾液腺マッサージ
一番効くのは「唾液腺を刺激すること」です。
大きな唾液腺がある3か所あたりを外側から自分の手でマッサージしたり、お口
を開けたり閉めたりと顎を動かすなどの運動をするのも良いでしょう。
・噛む回数を増やす
顎を動かすことで唾液の分泌を促すことができます。
薬の副作用による減少に効果的で、食間にガムを噛んだりして顎を動かし、唾
液腺を刺激することが良いでしょう。
・鼻呼吸に改善する
副鼻腔炎や鼻炎など口呼吸になっている原因があれば治療し、口呼吸が元々癖
になっている方は、鼻呼吸のトレーニングをおこないましょう。
もしも「唾液が少ないかな?」と感じるようであれば、ぜひ上記の対策を試してみて、日常的に質の良い唾液をたくさん分泌できるように心がけましょう😊