2024年10月29日
皆さんは「初期う蝕」という言葉をご存じでしょうか?初期う蝕とは、むし歯がごく初期の段階である状態を指します。歯の表面のエナメル質が少しとか初めている状態で、白く濁ったような色になります。この時点で気付けると、治療をせずに自然に治せる場合もあるのです。今回は、この「初期う蝕」がどのようにして治るのかについてお話しします。
初期う蝕とは?
むし歯は、プラーク(歯垢)に含まれるむし歯菌が出す酸によって、歯の表面のエナメル質が溶け出すことで始まります。初期う蝕は、まだエナメル質の表面が少し白く濁って見える状態で、歯の内部までは進行していません。この段階であれば、歯を削らずに回復が期待できるのです。
初期う蝕は「再石灰化」で治る
「再石灰化」とは、唾液に含まれるカルシウムやリンなどの成分が、溶けたエナメル質に再び取り込まれ、歯の表面が修復される現象です。唾液は自然の回復力を持っており、むし歯の初期段階であれば、この力によって歯の健康を保つことができます。
再石灰化を促進するためにできること
- フッ素の活用
フッ素は、エナメル質を強くし、再石灰化を促進する作用があります。歯磨き粉や洗口液など、フッ素入りの製品を日常的に使うことで、初期う蝕の進行を抑えられます。 - 食生活の見直し
むし歯菌は糖をエサにして酸を作ります。間食や甘い飲み物の摂取を控え、バランスの良い食事を心がけることで、むし歯のリスクを減らすことができます。 - 定期的な歯科検診
歯科検診では、歯の状態を専門的にチェックできるため、初期う蝕の段階で発見しやすくなります。さらに、フッ素塗布などの予防ケアも受けることで、再石灰化の効果を高められます。
歯科医院で購入できる歯科専売品🦷
- 高濃度フッ素配合歯磨き粉
通常の市販の歯磨き粉よりもフッ素濃度が高く、歯科医院で処方されるものです。高濃度フッ素がエナメル質を強化し、再石灰化を促進します。歯科医院の指示に従い、適切な量で使うと効果的です。 - フッ素ジェル
フッ素ジェルは歯磨き後に塗布することで、フッ素が歯にしっかりと残り、再石灰化のプロセスをサポートします。特に初期う蝕が気になる箇所に重点的に使うことで効果が期待できます。 - MIペースト(CPP-ACP配合)
MIペーストは、牛乳由来のカゼインホスホペプチド・非結晶リン酸カルシウム(CPP-ACP)を含んでおり、フッ素と併用すると再石灰化が促進されやすくなります。初期う蝕だけでなく、歯の知覚過敏にも効果があり、保湿効果で唾液の働きを補助します。 - フッ素洗口液
毎日のうがいに使用することで、歯全体にフッ素を行き渡らせ、むし歯予防に役立ちます。小さなお子様にも使用できるものがあり、むし歯の予防習慣としても取り入れやすいです。
初期う蝕の段階でむし歯に気づくことができれば、治療をせずに健康な歯を保つことができます。定期的な検診と日常のケアで、むし歯を防ぎ、健康な歯を保ちましょう。