2024年10月28日
(院長の徒然ブログ)
虫歯を本当に最終的に放置すると…
おはようございます。
今日は虫歯について話そうと思います。
虫歯を本当に放置し続けるとどうなるのでしょうか?
結論、死に至る可能性があります。
「そんなわけない」と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、事実江戸時代の日本では、死因の上位でした。
徳川家将軍の徳川家茂、新撰組二番隊組長の永倉新八など、虫歯の合併症により亡くなったといわれる歴史上の人物もいます。
(徳川家茂は30本虫歯を放置したという逸話も残っています。)
海外のデータでは、虫歯菌が感染を広げて首から下に菌が回ると、致死率20%となるそうです。
今日は、その虫歯の初期段階から進行していく様子を説明していきたいと思います。
初期虫歯段階(C0)
エナメル質に小さな変化、例えば白濁などが見られる段階です。
この段階では、虫歯は歯の中に侵入しておらず、虫歯菌の作る酸で内部が一部壊された程度です。
フッ素やリン酸カルシウム成分などの塗布で再石灰化を行っていきます。
エナメル質までの虫歯(C1)
エナメル質までに小さな穴が空いた段階です。
この段階では、痛みを感じることは少ないです(エナメル質は石灰化度合いも高く、神経に伝わるような小さな穴が空いていない)、
しかし、このまま放っておくと穴がどんどん大きくなってしまうため治療が必要です。
通常、虫歯の部分を削って白い詰め物を即日に行う治療が選択されます。
象牙質までの虫歯(C2)
虫歯が進行してエナメル質を越えて象牙質に達した状態です。
象牙質には神経に刺激が伝わるように小さな管が無数に存在しているため、冷たいものや甘いものに対して敏感になることがあります。
治療は虫歯部分を削って詰め物、範囲が広い場合は被せ物をすることもあります。
神経まで到達した重度の虫歯(C3)
虫歯がさらに進行し、歯髄腔という神経と血管が入っている空洞に到達した状態です。
この段階では、強い痛みを感じ、何もしなくてもズキズキ感じることがあります。
治療としては歯に歯髄腔まで通じる穴を開け、神経を除去していきます。
その後感染を防ぐために消毒を行い人工の材料で歯髄腔を塞いでいきます。
歯の頭が無くなった虫歯(C4)
虫歯が非常に進行してしまい、歯の頭がほとんど失われて、根だけが残っているいる状態です。
この段階では、何とか残せる場合もありますが、抜歯が必要になるケースもあり、根っこを超えてばい菌が骨の中に巣を作っているケースも少なくありません。
更なる感染
通常ここまでになる前に、普通は歯医者に受診されるのですが、この後も放置すると虫歯菌が骨に感染します。
「顎骨炎」や「歯周病性骨髄炎」という病気になり、大激痛に苛まれます。
顎には大きな血管が通っているのですが、そこから虫歯菌が血管内に流入し、「敗血症」となります。
敗血症とは体内の感染が原因で全身的な炎症反応が引き起こされる重篤な状態です。
感染症が血流に広がり、免疫系が過剰に反応することで全身に炎症が生じ、臓器機能が障害されてしまい、最悪死に至ります。
こうなるともう救急搬送です。
終わりに
以上のように虫歯は早期発見して治療に取り掛からないと、症状がどんどん重くなっていきます。
ちょっとでも気になるならば受診されることが大事ですし、定期的な歯科検診を受けることで早期発見をしていくことが重要です。
是非かかりつけの歯医者を作り、定期検診を行ってくださいね。