2024年10月24日
(院長の徒然ブログ)
⚫︎保険診療で白い歯を手に入れる時代到来
CAD/CAM冠(コンピュータ上にて設計、削り出しを行って製造する被せ物)は、近年の歯科治療において注目すべき治療になっています。
今年の6月に保険診療で親知らずまでもCAD/CAM冠が認可されたことは、患者さんにとっても歯科医師にとっても大きなニュースとなりました。
CAD/CAM冠は、デジタル技術を用いて設計・製造されるため、従来の金属の被せ物よりも人の手に依存しないので、安定し精度よフィット感を患者さんに提供できます。
また歯科技工士さんの負担の減り、短時間で作成できます。
これにより、患者さんのトータルの治療期間も減らす上に、保険診療に認可されたことにより、白い被せ物を保険で入れることができて経済負担も減らすことができています。
患者さんにお願いしたいのは、自陣自身の大切な歯を治すための選択肢を狭めないで欲しいということです。
このCADCAM冠治療は、広島であれば中四国厚生局にちゃんと申請している歯科医院でしか受けられないということです。(当院も開院当初から申請し受理されております。)
「セラミックか金属か」と、最初からCADCAM冠を選択肢に入れない補綴選びは、勿体無いです。
ぜひこの機会に選択肢の一つに入れてみてください。
⚫︎CADCAM冠と天然の歯の物性比較(天然歯)
あまり歯医者が教えてくれないデータとして、
「保険診療のCADCAM冠」が他より優れている点を今日は説明していきましょう。
そのために、まず天然の歯の物性データを示します。
天然歯の硬さは、ほぼエナメル質によって決まります。
エナメル質は、人体の中で最も硬い組織で、主にハイドロキシアパタイトというミネラル成分から構成されています。
エナメル質の硬度は、モース硬度(ダイヤモンドを10として物の硬さを表す数値です。)で約7程度とされています。
また、天然歯のエナメル質は半透明で、ある程度光を通す性質があります。
エナメル質の下にある象牙質は、色が濃く、エナメル質の透明度に影響を与えます。
一般的に、若い人の歯はエナメル質が厚く、透明度が高いですが、加齢や虫歯、歯の摩耗によって透明度が低下することがあります。
⚫︎CADCAM冠と天然の歯の物性比較(CADCAM冠)
一方で保険診療のCADCAM冠に使う材料の硬さについてです。
モース硬さで約5〜6程度とされています。
また、天然歯までの透明性はなく、ある程度光を通すものの、少々人工物感があります。
(それでも従来の保険診療で認められていたレジン前装冠に比べたら格段に綺麗です。)
硬さについては、天然歯より柔らかいため、はっきり言うと現在被せ物の材料と認められているものの中では弱いです。
しかし、「噛み合わせの歯を傷つけない」という大きなメリットでもあるのです。
例えば対合歯(反対側の顎の噛み合わさる歯)が神経を取ったり、歯周病が進んでいる場合、噛み合わせの当たりはマイルドにした方がいい場合もあります。
そう言った時は、自費診療のセラミック治療であるジルコニア冠よりもマストな選択肢となり得るケースもあるのです。
⚫︎結びに
いかがでしたでしょうか?
今後も保険診療の認可はどんどん変わっていきます。
今回は保険診療のCADCAM冠のメリットにスポットを当てて紹介しました。
もちろんデメリットもありますので、またの機会に紹介していきますね。
ぜひ保険診療もブランデンタルクリニックにご相談ください。