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歯の着色を取る新素材:クリアアパタイトについて

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2025年5月14日

歯の着色を取る新素材:クリアアパタイトについて

(院長の徒然コラム)

はじめに

近年、歯科医療の分野では新しい素材の開発が進んでおり、その中でもユニテックフーズが開発した「クリアアパタイト」は特に注目を集めています。

この新素材は、歯の着色汚れを効果的に除去するだけでなく、口腔ケアの新たな選択肢として期待されています。

本コラムでは、クリアアパタイトの特性、利点、応用例、そして今後の展望について詳しく解説します。

クリアアパタイトとは

クリアアパタイトは、ユニテックフーズが独自の技術で生成した食品グレードのヒドロキシアパタイトです。

ヒドロキシアパタイトと言えば、歯のエナメル質の約97%、骨の約70%を構成する成分です。化学式はCa₁₀(PO₄)₆(OH)₂となります。

一方、今回紹介するクリアアパタイトの化学式は(Ca:Mg)₁₀(PO₄)₆(OH)₂で、この素材は、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルを含んでおり、通常のヒドロキシアパタイトに比べて生体親和性に優れています。

特に、クリアアパタイトは国内初の食品グレードのヒドロキシアパタイトであり、食べることができ、飲み込んだ後はカルシウムなどのミネラルとして生体利用されます。

クリアアパタイトの特性

クリアアパタイトの特性は、歯科治療において非常に有用です。以下にその主な特性を挙げます。

①高い吸着力

クリアアパタイトは、タルクの11倍の吸着力を持ち、細かくなめらかなパウダー状の粒子が多孔質の構造を形成しています。

このため、歯や粘膜を傷つけることなく、汚れをやさしく物理的に吸着除去します。

②多様な吸着メカニズム

クリアアパタイトは、表面電位による吸着とイオン交換性による吸着の両方を利用して、様々な物質を吸着する能力があります。

これにより、歯の表面に付着した色素や細菌を効果的に除去することができます。

③生体適合性

食品グレードの上に、そもそもアパタイト自体は体内に存在する物質であるため、人体への悪影響がなく、安心して使用できる点も大きな特徴です。

歯科においてのクリアアパタイトの効果

クリアアパタイトは、以下のような効果を持っています。

①歯の着色物質の吸着(ホワイトニング)

クリアアパタイトは、歯の汚れの原因となる色素を優れた吸着力で取り除き、研磨することなく歯本来の白さを取り戻します。これにより、ホワイトニング効果が期待できます。

②口腔内の細菌やタンパク質、脂質の吸着

クリアアパタイトは、表面電位により細菌やウイルスを吸着することも確認されています。通常のヒドロキシアパタイトと比べ、さらに吸着力に優れているというデータが得られています。

クリアアパタイトを食品にするメリット

口腔ケアとしては歯磨きが一般的ですが、磨く手間や場所を気にする必要があります。

クリアアパタイトは食品として摂取できるため、磨いたり口腔内をゆすいだりする手間が不要です。いつでもどこでも摂取することができるため、口腔ケアの頻度を高めることができます。

もちろん、ブラッシングする方が清掃性は高いですが、口腔内の清掃の補助として効果を期待できるでしょう!

さらに、従来の歯磨き粉には研磨剤や界面活性剤、エタノールなど、体内に入れたくない成分が含まれていることがありますが、クリアアパタイトは食べても安心なシンプルな設計になっています。これにより、より安全で効果的な口腔ケアが実現する可能性があります。

今後クリアアパタイトを使った製品が、どのような展開を見せて行くのか非常に楽しみです。

環境への配慮

クリアアパタイトは、卵の殻などの未利用資源を有効活用して製造されており、環境にも優しい素材です。

国内で年間約26万トンが廃棄されている卵の殻を利用することで、持続可能な製品の開発に寄与しています。

このような取り組みは、環境保護の観点からも非常に重要です。

クリアアパタイトの今後の展望

現在、クリアアパタイトは「ドンブラン」という着色除去を目的としたヒドロキシアパタイト含有食品としてタブレットのみが販売されていますが、今後は歯磨き剤などの新しい商品展開が期待されています。

クリアアパタイトの特性を活かした製品が市場に登場することで、より多くの人々がその恩恵を受けることができるでしょう。

また、クリアアパタイトに関する研究が進むことで、その特性や応用範囲がさらに広がることが期待されます。特に、抗菌性や再石灰化に関する研究が進むことで、虫歯予防や治療における新たなアプローチが見つかるかもしれません。

終わりに

クリアアパタイトは、歯の着色汚れを効果的に除去する新しい素材として、歯科医療において大きな可能性を秘めています。

その優れた吸着力や生体適合性、環境への配慮など、多くの利点を持つクリアアパタイトは、今後の口腔ケアのスタンダードとなるかもしれません。

歯科医師や消費者がこの新素材を理解し、適切に活用することで、より良い口腔環境を実現することができるでしょう。

クリアアパタイトの今後の展開に期待しましょう。

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