2024年10月21日
(院長の徒然ブログ)
⚫︎歯科用コーンビームCTとは
昔の歯医者さんでは平面の画像しか無く、歯や骨に対して得られる情報が少なく、誤診や見落としも少なくありませんでした。
しかし近年になって、歯科用CTが普及し、今まで診断が難しい状態が一気に鮮明に映し出せるようになりました。
その歯科用CT(コンピュータ断層撮影)について今回は説明していきます。
特に歯科医療ではCBCT(コーンビームCT)という装置が用いられ、通常のX線撮影よりも詳細な3D画像を提供し、さらには通常のCTより迅速かつ放射線量も少なく歯や顎の構造をより確実に診断することができるのです。
⚫︎コーンビームCT(CBCT)って何?
コーンビームCT(CBCT)は、歯科で使用される特殊な画像診断技術です。
普通のCTが断層のように平面のX線を出して何枚も画像をとって積層していくのに対して、CBCTはその名の通り工事現場のコーン(要するに円錐型のビーム)型にX線を照射し、360度回転しながらデータを収集します。
これによって、従来のCTスキャンと比べてより小さな範囲を高解像度で撮影できるのが強みです。
こうして3次元の画像を作れ、従来撮影することもできなかった方向から歯や顎の構造を正確に把握することができます。
⚫︎普通の歯医者でCTを取るときってどんなとき?
①骨に関係する外科手術をするとき
骨整形手術やインプラント、口腔外科の際に、骨の状態や位置を正確に把握するため。
②歯の正確な位置や根の形状を知りたいとき
矯正治療などでは、移動前に歯の生え方や根の形状を把握する必要があるため。
また難しい根の治療や抜歯の際は、歯の根がどの方向に曲がっているかなどを確認する必要があります。
③顎関節の状態の確認をしたいとき
顎の関節や周囲の組織の状態を調べるために撮影することがあります。
④腫瘍や嚢胞などの位置や大きさを知りたいとき
CTの陰影で移すことのできる腫瘍や嚢胞などの影響や、摘出手術前の確認、摘出後の確認などで用いられます。
⚫︎CBCTって被曝量多いの?
1回のCBCT撮影で0.1~1.0 mSvの被曝があるとされています。
よく見る医科のCTスキャンの1/10以下で、一般的な胸部X線撮影の被曝量(約0.1 mSv)よりやや多い程度です。
デジタル技術の進歩により、更に低下していっています。
当院では、GC社製最新モデルAadva GX-100 3Dを用いて7.7秒で迅速にCTを撮影し、レントゲン室を出る頃には立体図が作成されています。
⚫︎CBCTのメリットって何だろう?
①高解像度の3D画像によってより精密で正確な診断が可能になった。
②従来のCTより被曝線量の低下し、安全性が増した。
③撮影時間が大幅に短縮されて、画像の構築も早くなった。
④立体的な情報を患者さんに見せることができ、説明ツールとして有用となった。
⑤外科手術時などの画像データとして、骨の状態や位置を正確に把握できるため、より適切な治療が可能となった。
以上のようにCBCTは、患者にとっての放射線量が比較的少なく、迅速に撮影できるため、歯科診療において非常に便利なツールです。
当院では「初診」「定期検診」の際に無料で撮影させていただいております。
(こんな診断に特化した機材を、使わない手はありません。
使うことで、見つけるのが困難な病変も見つけやすくなります。)
是非1度、当歯科医院を受診されてみてください。