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歯磨き粉の研磨剤(清掃剤)のメリット・デメリット

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2024年10月26日

歯磨き粉の研磨剤(清掃剤)のメリット・デメリット

(院長の徒然ブログ)

歯磨き粉の研磨剤って良くないって聞いたんだけど

はい、本日のお勤めも終わったのでコラムの時間です。

最近、患者さんから研磨剤についての質問を良く聞きますね。

普段は衛生士から説明を受けることが多いと思うんですが、私からも多少は学術的に説明してみようと思います。

そもそも研磨剤は何か説明しますと、

歯磨き粉に含まれる「歯の表面の汚れや細菌(プラーク)を物理的に刮ぎ落とすために含まれている成分」です。

別の言い方だと「清掃材」とも表現されます。

研磨剤は細かな粒子で、本来配合割合は、歯の表面を痛めない程度の量だったんですが、何年か前にホワイトニング大ブームの時代に、結構多めの割合で研磨剤の成分を含んだ歯磨き粉が発売されたとしたんですよね。

(そりゃ大量に含まれたら、歯は着色もとても取れて無理やり白くなるなるでしょうが…)

あえて名前は伏せておきます💦

そして更に敢えて今度は言いますが、「研磨剤」=「悪い物」では無いんですよ。

アルカリ成分などで汚れを浮かすという画期的な歯磨き粉もありますが、汚れを取る効率性という意味では、研磨剤は容量と「質」さえ間違えなければ、十分に役に立つ物です。

因みに同業者ですらネットで間違った知識を流布している方がいらっしゃいます。

研磨剤をマイクロビーズ(プラスチックの小さな微粒子)と拡めている方がいらっしゃいますが、マイクロビーズなのは保湿剤、界面活性剤成分のポリエチレングリコールです。

(そもそもシリカとか思いっきり無機物なのに、有機物のプラスチックのわけないです。)

それはさておき、その研磨剤の「質」というところから説明しますね。

使われている研磨剤の種類について

⚫︎個人的に「お勧めしない」研磨剤

①シリカ(二酸化ケイ素・無水ケイ酸)

結構主流の研磨剤で、合成または天然のシリカが使われています。ケイ素を含んでいて研磨能力が高く、体内にも存在するので成分的には安全なんです。
でも硬いんですよね💦1番使われているんですけど、私は患者さんには進めていません。

試しに、電動歯ブラシにつけて、アサリの貝殻にでも当てて見てください。(電動歯ブラシに研磨剤入り歯ブラシはそもそも推奨できませんけどね)

めちゃくちゃ削れます。


②アルミナ(酸化アルミニウム)
最近ほぼ使われてない研磨剤です。

これもめちゃくちゃ硬くて、歯がめちゃくちゃ削れます。

日本人はブラッシング圧強い人多いので、この研磨剤もお勧めしません。

⚫︎個人的にお勧めする研磨剤
③リン酸カルシウム


歯の再石灰化を促進する作用がある研磨剤で、ほぼ歯と同じ結晶構造です。

硬さは前述のものよりは柔らかいので、日本人の歯には合う研磨剤と言えます。

④炭酸カルシウム
ホワイトニング専用歯磨き粉で良く見られる研磨剤ですね。

自然由来の研磨剤で、歯より柔らかいので歯の表面を優しく磨くことができます。

某歯磨き粉ではLime粒子と呼ばれています。

⑤重炭酸ナトリウム(ベーキングソーダ)

シリカやアルミナほどの研磨作用はない研磨剤です。上記二つよりは研磨効果が高いので、お勧めとまではいきません。

ただ、重曹による口臭予防効果やアルカリでの虫歯防止効果は魅力的です。

毎日ではなく、時々使用するなら…でしょうか。

⑥トリカルシウムリン酸(fTCP)

低研磨性の研磨剤で、良く歯医者で行うPMTCのペーストの中に入っています。

「3M」性のペーストには大抵入っており、再石灰化促進効果があります。

研磨剤のメリット

①汚れの除去効率が上がる

研磨剤は、歯の表面に付着したプラークや食渣やステイン(着色)を物理的に効率よく落とすのに役立ちます。

②口臭の予防に繋がる

プラーク除去効率が上がることによって、口臭の原因となる細菌や食渣の取り残しが減るため、口臭予防にも繋がります。

③舌感が良くなる。

歯の表面が滑らかになるので、ツルツルした感じに仕上がりやすくなります。

またその後の汚れがつきにくくなるので虫歯予防にも一役買います。

④虫歯と歯周病リスク現象

研磨剤が含まれる歯磨き粉は、歯の表面を滑沢かつ清潔にしやすいので、虫歯や歯周病のリスクを減少させることができます。

研磨剤のデメリット

①エナメル質が削れてしまう

研磨剤の量が多かったり、その際のブラッシング圧が強かったり、研磨剤が硬すぎると、歯のエナメル質が削られてしまうことがあります。

これが常態化すると知覚過敏や虫歯のリスクが高くなります。

②歯周組織を傷つける可能性がある

研磨剤が粗すぎると、歯周組織を傷つける可能性があります。

健康な状態なのに、ブラッシングで歯茎の炎症や出血を引き起こすさないようにしましょう

③色素沈着のリスク:

研磨剤を適正の使用しないと、歯の表面が傷つき、その傷に着色しやすくなります。

④歯と歯茎の間の歯肉溝に研磨剤が入り込み、腫れを起こしやすくなる時がある。

小さい粒子が歯肉溝や歯周ポケットに入りこむ可能性があります。

ただ、十分なうがいで取れる物ではあります。

終わりに

いかがでしたでしょうか。

歯磨剤使用を反対している医院でも、低研磨製の歯磨き粉は販売してたり推奨していたりします。

当院では低歯磨剤の歯磨き粉と研磨剤フリーの歯磨き粉を使い分けることを推奨しております。

それにしても、私が歯磨き粉について話すとえらく長くなりますね。

歯磨き粉全体を話し始めたら朝から晩まで掛かりそうですね。

何かご質問等ございましたら、お気軽にお尋ねください。

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