2024年12月17日
口腔ケアは、口腔内を清潔にすることで虫歯や歯周病予防だけでなく患者さんの心身の健康をサポートすることを目的に行われます。口腔ケアには、「器質的口腔ケア」と「機能的口腔ケア」の2つに分けられます。
患者さんのその人らしい生活を支えるためには、この器質的口腔ケアと機能的口腔ケアのいずれも行ってはじめて、口腔ケアの実施とすることが大切です。
器質的口腔ケア
清拭によって口腔内の細菌数を減少させ、清潔な状態に保つ方法です。歯ブラシやスポンジブラシなど、さまざまなケア用品を使用して食物残渣や歯垢(プラーク)を除去し、歯(義歯)・粘膜・舌を清掃します。
義歯ブラシ
舌ブラシ
機能的口腔ケア
口腔には、摂食、嚥下、呼吸、発話などさまざまな機能があります。機能的口腔ケアとは、これら口腔機能の低下に対してアプローチする方法です。障害されている機能を見極め、適切なアプローチを行うことが大切です。
口腔ケアの効果
器質的口腔ケアでは、感染予防の効果が期待できます。たとえば、認知症や寝たきりの患者さんは口腔内の清潔が保たれにくく、歯の表面を細菌の塊であるバイオフィルムが覆ってしまいます。このバイオフィルムは歯周病や誤嚥性肺炎の原因とされていますが、器質的口腔ケアでバイオフィルムを除去することでこれらの疾患の発症リスクが下げられるのです。
また、機能的口腔ケアは唾液の分泌や話す・食べる・飲み込むといった口腔機能の維持・向上の効果が期待できます。