2024年10月27日
(院長の徒然ブログ)
削らない(ノンプレップ)ラミネートベニアとは?
皆さんは削らないラミネートベニアについて、聞いたことがあるでしょうか?
アメリカ発祥のLumineers(ルミニアーズ)、韓国発祥のゼロネイト、日本で言うスーパーエナメル療法、Vivaneers(ビバニアーズ)、DURAthin Veneers(デュラシンベニア)、Emax Veneers(イーマックスベニア)などなど、実は名前が違えどこれらは
「ノンプレップベニア」という補綴物なんです。
今でこそ、ブランド商標の主導権争いで色んな名前が出ていますが、いずれ落ち着いたら本来の呼び名である「ノンプレップベニア」が定着してくると思われます。
ノンプレップベニアとは、簡単にいうと歯の表面をほとんど削らずに薄いセラミックのシェルを貼り付ける超薄型ラミネートベニアのことです。
製品に多少の差はあれど、0.1から0.3mmの厚さのセラミックベニアを貼り付けます。
治療の流れも単純で、
①初診・カウンセリング
口腔内を診察し、歯の状態と修正点をピックアップし、患者さんの審美的機能的ニーズを確認する。
②診断と治療計画
レントゲン撮影やCT、口腔内写真を撮影し、歯の状態を確認する。
噛み合わせの診断もこの時点で確認し、ノンプレップベニアが適用可能かどうかを診断する。
治療計画を立て、使用するノンプレップベニアの種類と色調を選択します。
③オフィスホワイトニング
薄型のラミネートは、本来の歯の色調を透過します、ですので当院では事前にホワイトニングしておき、基礎を白くしてせっかく入れていただくノンプレップベニアの効果を最大限引き出したいと考えています。
④型を取る
セラミックシェルを作成するために、歯の型を取ります。
⑤色調の最終確認
患者さんにも一緒に鏡で確認してもらい、シェルの色を選びます。
自然な歯の色に合わせるのか、更に今より白くするのか、ニーズに沿って選びます。
⑥ノンプレップベニア作成
型取りを基に、歯科技工士がノンプレップベニアを製作します。
1週間から2週間かかることがあります。
⑦出来上がったシェルを一度試適し、フィット感や色調を確認します。
必要に応じて微調整や再作成を行います。
⑧いよいよ装着
最終的なシェルの装着感をみて、歯の表面を清掃し、専用の接着剤を使用してノンプレップベニアを最終的につけていきます。
装着後、余分な接着剤を取り除き、咬合の調整を行います。
当たりが強ければ破損の原因になるので、最も大事な工程です。
ノンプレップベニアのメリット
①歯の削除が無いorほとんど無い
ノンプレップベニアは、歯の表面をほとんど削らずに装着できます。
そのため、自分の歯を健康に温存できます。
②優れた審美性
透明感もあり、自然な見た目を演出します。
色調もニーズによって変更可能です。
③逆戻りが可能
これも大きな利点です。
歯をほぼ削らないため、将来的に他の治療が必要になった場合でも、元の状態に戻すことができますし、やり直しも可能になります。
④小さな形の修正が可能
通常のラミネートベニアほどでは無いですが、ノンプレップベニアも少量の歯の形の修正は可能です。
⑤歯の痛みが少ない
歯を削る必要がないため、治療中の痛みや不快感が少ないです。
ノンプレップベニアのデメリット
①適応症の制限
-通常のラミネートベニアと同様に、反対咬合や切端咬合では、適用外になることがあります。
また、削らないために出ている歯を引っ込めることなどはできないなどの、歯の位置や形が大きく変わる必要があるケースには不向きです。
②耐久性がラミネートベニアより劣ります
薄いため、通常のラミネートベニアに比べて耐久性が劣ることがあります。
特に、強い咬合力がかかる場合には注意が必要です。
③通常のラミネートベニアに比べて高額
ノンプレップベニアは、一般的に高額になりやすいです。
いかがでしたか?
セラミック技術の発展により、新たな治療法がどんどん出てきます。
患者さんのニーズに合った治療法を紹介できたらと思いますので、ノンプレップベニアについてご要望がございましたら、是非お問い合わせください。