2024年11月04日
歯医者に行くと「ポケット」という言葉をよく聞きます。
歯科では同様に「歯肉溝」という言葉があります。
両者はどのように違うのでしょうか。
1. 歯肉溝(しにくこう): これは、健康な状態の歯と歯茎の間にある浅い溝のことを指します。通常、深さは1~3mm程度で、歯茎が健康な場合はこの溝が存在します。歯肉溝は、歯を支えるための正常な構造です。
2. 歯周ポケット(ししゅうぽけっと): これは、歯周病などの影響で歯肉溝が深くなった状態を指します。深さが4mm以上になると、歯周ポケットと呼ばれます。歯周ポケットは、歯周病の進行を示すもので、細菌がたまりやすく、炎症や感染のリスクが高まります。
- 要するに、歯周ポケット(歯周病)は病気そのものであり、歯肉溝はその病気の影響を受ける可能性のある部分です。
歯周病は、歯を支える組織(歯周組織)に影響を与える病気の総称です。主に歯肉炎と歯周炎の2つの段階があります。歯肉炎は初期の段階で、歯肉が赤く腫れたり出血したりしますが、通常は逆転可能です。歯周炎は進行した状態で、歯を支える骨が失われることがあります。これが進行すると、歯がぐらついたり、最終的には抜けてしまうこともあります。
歯周ポケットと歯肉ポケットを同じ部位を指しますが、歯周病か健康な歯肉かで呼び名が変わります。
1. 健康な歯肉溝
– 深さ: 1~3mm
– 特徴: 歯茎は健康で、出血や炎症は見られない。歯周ポケットは正常な状態。
2. 軽度の歯周病
– 深さ: 4~5mm
– 特徴: 歯茎に軽度の炎症が見られ、出血があることがある。歯周ポケットがわずかに深くなっている。
3. 中等度の歯周病
– 深さ: 6~7mm
– 特徴: 歯茎の炎症が進行し、出血や腫れが見られる。歯周ポケットがさらに深くなり、歯の支持組織に影響を及ぼす可能性がある。
4. 重度の歯周病
– 深さ: 8mm以上
– 特徴: 歯周組織の破壊が進行し、歯の動揺が見られることもある。歯周ポケットが非常に深く、治療が必要。
5. 分類上定められていないが、破折なども疑われる状態
– 深いポケット: 10mm以上
– 特徴: 重度の歯周病が進行し、歯の支持組織が大きく損なわれている状態。外科的治療が必要な場合が多い。
まとめ
歯周ポケットの深さは、歯周病の進行度を示す重要な指標です。
定期的な歯科検診と適切な口腔ケアが、歯周病の予防と早期発見に役立ちます。
もし歯周ポケットの深さが気になる場合は、歯科医院で診察を受けて見た目ください。