2024年11月04日
歯周病と聞くと、「歯ぐきが腫れる」「出血しやすくなる」といった症状を思い浮かべるかもしれません。でも、その原因となっている「歯周病菌」については、あまり知らない方も多いのではないでしょうか?実は、歯周病を引き起こす細菌にはいくつか種類があり、それぞれが口の中で異なる“悪さ”をしています。
代表的な歯周病菌の種類
- ポルフィロモナス・ジンジバリス(P. gingivalis)
これが歯周病菌の“リーダー”ともいえる存在。強力な毒素を出して歯ぐきの炎症を引き起こし、免疫機能にも悪影響を与えます。さらに他の歯周病菌を引き寄せ、歯ぐきにダメージを与える協力体制を作り上げます。 - トレポネーマ・デンティコラ(T. denticola)
この細菌は運動性が高く、歯ぐきの深い部分にまで侵入し、歯周ポケットをさらに深くしてしまいます。これによって歯ぐきの中で増殖し、炎症を拡大させる役割を持っています。 - タンネレラ・フォーサイセンシス(T. forsythia)
目には見えませんが、この菌は特に“しぶとい”とされています。歯周ポケットの奥に潜んで、歯ぐきや歯を支える骨をじわじわと破壊するため、知らないうちに症状を進行させてしまうことがあります。
歯周病菌が口の中でどんどん増えるとどうなるの?
歯周病菌が増えると、歯ぐきが炎症を起こし、歯を支える骨が徐々に溶けてしまいます。最終的には歯がぐらつき、失ってしまうこともあります。さらに、歯周病菌は血管を通じて全身に回るため、心臓病や糖尿病など、全身の健康にも影響を与えるとされています。
歯周病菌を撃退するためには?
歯周病菌は、日ごろのケアや定期的な歯科医院でのクリーニングでコントロールすることができます。特に歯間ブラシやフロスの使用、正しい歯みがき方法を身につけることが大切です。自宅でのケアに加えて、歯科医院での歯周病検査やクリーニングを受けることで、早期発見・早期治療が可能です。
歯周病菌について少しでも知識を深めていただくことで、口腔内の健康への意識が高まるはずです。皆さんも「口の中の悪役たち」を知り、毎日のケアをしっかりと行いましょう!