2024年10月15日

(歯科助手さんの治療見学ノート)

はじめに
虫歯治療を見学していると、歯科医師が虫歯を削ったあと、歯に何種類かの液を塗り、風を当て、白い材料を少しずつ詰めています。最後には青い光を何度か照射し、噛み合わせを確認してから表面を磨きます。
この白い詰め物が「コンポジットレジン」です。歯科医院では「レジン」「CR」「白い詰め物」などと呼ばれています。
コンポジットレジンは、虫歯を削った部分へ直接詰めて歯の形を回復する材料です。型取りをせず、その日のうちに治療を終えられることが多く、虫歯治療として条件を満たす場合は保険診療で行われます。
しかし、すべての虫歯をレジンだけで治せるわけではありません。
虫歯の大きさ、残っている歯の量、治療する場所、噛む力、唾液や血液を防げるかどうかによっては、インレーやクラウンなど、別の治療方法を検討することがあります。
今回は、保険の白い詰め物として広く使われているコンポジットレジンについて、材料の特徴、治療の流れ、適応、寿命、変色、欠けたときの修理まで、歯科助手の視点からご説明します。

保険の白い詰め物「コンポジットレジン」とは?
コンポジットレジンは、「歯科用プラスチック」と説明されることがあります。
ただし、一般的なプラスチックだけで作られているわけではありません。樹脂の成分であるレジンマトリックスに、細かなガラスやシリカなどの無機質フィラーを組み合わせた歯科用の複合材料です。
フィラーとは、レジンの強度や硬さ、光の反射、研磨後の滑らかさなどを調整する細かな粒子です。
樹脂成分には、歯の形に合わせて詰めやすいという特徴があります。一方、ガラスなどの無機質フィラーには、強度や耐摩耗性を補う役割があります。
性質の異なる材料を組み合わせることで、歯へ直接詰められ、光で硬化し、噛む力にも耐えられる白い修復材料が作られています。
レジンには複数の種類がある
コンポジットレジンは、すべて同じ硬さや流れ方ではありません。
流動性が高く、細かな凹凸へなじみやすいフロアブルレジンもあれば、盛り上げた形を維持しやすく、歯の山や溝を作りやすいタイプもあります。
以前のフロアブルレジンは、主に小さな虫歯や修復物の内側に使用されていました。しかし現在は、材料の機械的性質が改善し、製品や症例によっては奥歯の噛む面にも使用されています。
歯科医師は、虫歯を削った部分の深さや形、噛む力が加わる場所などを確認しながら、レジンの種類を使い分けます。
「白い材料」でも色や透明感が異なる
天然歯は、単一の白色ではありません。
歯の外側にあるエナメル質には透明感があり、内側の象牙質には黄みや不透明感があります。治療する場所や深さによっては、同じ白いレジンを詰めても周囲の歯から浮いて見えることがあります。
そのため、コンポジットレジンには色や透明度の異なる種類が用意されています。
近年では、周囲から受ける光を反射・散乱させることで、幅広い歯の色になじみやすく設計された材料もあります。ただし、どの症例でも一色だけで自然な見た目を再現できるわけではありません。
深い虫歯、前歯の広い欠損、歯の裏側まで抜けた欠損などでは、色や透明度の異なるレジンを重ねて歯の見え方を調整することがあります。
昔のレジンと現在のレジンは何が違う?
以前のコンポジットレジンには、粉と液を混ぜるタイプや、2種類のペーストを混ぜ合わせるタイプがありました。
材料を混ぜた時点から硬化が始まるため、歯科医師は限られた時間内にレジンを詰め、歯の形を作る必要がありました。
また、現在ほど歯への接着技術が発達していなかった時代には、詰め物を外れにくくするため、健康な歯質まで削って引っかかりを作ることがありました。
現在、一般的な虫歯治療で多く使われているのは、専用の光を当てることで硬化する「光重合型コンポジットレジン」です。
光を当てるまではすぐに硬化しないため、歯科医師が形や厚みを確認しながら操作できます。接着材も進歩し、詰め物を引っかける目的だけで健康な歯を大きく削る必要が少なくなりました。
現在のレジン治療は、単に白い材料が開発されたというだけではありません。
歯とレジンを接着させる技術が発達したことで、虫歯になった部分を中心に削り、残せる歯質をできるだけ保存する考え方が広がりました。
虫歯があれば、必ずレジンを詰めるの?
歯の溝が黒く見えたり、表面が着色していたりしても、必ずしもすぐに削ってレジンを詰めるとは限りません。
エナメル質の範囲にとどまる初期の虫歯のなかには、フッ化物の使用、歯磨き、食生活の見直し、定期的な観察などによって進行を抑えられるものがあります。
一方、歯の表面が崩れて穴ができている場合や、象牙質まで虫歯が進んでいる場合、食べ物が詰まりやすく清掃が難しい場合には、虫歯を除去して修復する治療が必要になることがあります。
歯科医師は見た目だけで判断しているわけではありません。
歯の表面の状態、触ったときの硬さ、エックス線写真、痛みの有無、虫歯の深さ、進行している可能性などを確認し、削る治療が必要かどうかを判断します。
虫歯が深く、歯の神経が正常に反応しているか確認する必要がある場合には、冷たい刺激や電気刺激を使った検査を行うことがあります。詳しくは、歯医者で歯に冷たいものや電気を当てるのはなぜ?冷温度診・電気歯髄診で「歯の神経」をどう調べる?をご覧ください。
コンポジットレジンが向いている虫歯
コンポジットレジンは、小さな虫歯だけに使う材料と思われることがあります。
確かに、小さな虫歯は代表的な適応です。しかし現在は、材料、接着技術、歯の形を作る器具などが進歩し、以前よりも広い範囲に使用されるようになっています。
レジンを選びやすいケース
コンポジットレジンは、次のような治療で使われます。
- 前歯の虫歯
- 奥歯の噛む面にできた虫歯
- 歯の根元にできた虫歯
- 歯と歯の間に限局した虫歯
- 前歯や奥歯の小さな欠け
- 古いレジンの部分的な修理

ただし、同じ大きさの虫歯でも、レジンが適しているかどうかは歯によって異なります。
残っている歯の壁が十分にあるか、噛む力がどの方向から加わるか、治療部分を直接確認しながら形を作れるか、唾液や血液が入らないように管理できるかなどを総合的に判断します。
レジンだけでは治しにくいケース
虫歯が広く、歯の山や壁が大きく失われている場合には、コンポジットレジンだけで修復すると、噛む力に耐えられないことがあります。
残っている歯質が薄くなっている場合には、レジンが欠けるだけでなく、自分の歯が割れる可能性も考えなければなりません。
また、虫歯が歯ぐきの深い位置まで広がっている場合、出血や歯肉溝から出る液によって接着操作が難しくなることがあります。
このような場合には、次のような治療を検討します。
- 型取りや口腔内スキャンをして作るインレー
- 歯の山を覆うアンレーやオーバーレイ
- 歯全体を覆うクラウン
- 虫歯が神経まで達している場合の根管治療
- 歯ぐきより深い部分を治療できる環境へ整える処置

「白い詰め物ができるか」だけではなく、残っている歯を長く守るためにどの修復方法が適しているかを考えることが重要です。
コンポジットレジン治療の流れ
コンポジットレジン治療では、白い材料を詰める前にも、いくつもの工程があります。
見た目には小さな虫歯であっても、虫歯の診断、接着、防湿、形態回復、噛み合わせ、研磨まで丁寧に行う必要があります。
1.虫歯の深さと歯の状態を確認する
まず、虫歯の深さ、広がり、歯の神経の状態、隣の歯との位置関係などを確認します。
痛みがなくても、歯と歯の間や古い詰め物の下で虫歯が進んでいることがあります。必要に応じてエックス線撮影を行います。
治療中に痛みが出る可能性がある場合には、局所麻酔を行います。小さな虫歯や治療部位によっては、麻酔を使わないこともあります。
2.虫歯になった歯質を除去する
回転する器具などを使い、虫歯によって感染・軟化した歯質を取り除きます。
虫歯の範囲を確認する補助として、虫歯検知液を使用することがあります。
ただし、赤く染まった部分をすべて機械的に削り取ればよいわけではありません。虫歯が歯の神経に近い場合には、歯髄を守るため、深い部分の削り方を調整することがあります。
虫歯検知液が何を染めているのかについては、虫歯治療で赤い液を塗るのはなぜ?虫歯検知液は何を染め、何を染めない?で詳しく解説しています。
3.唾液や血液が入らないようにする
虫歯を除去したあとは、治療する歯に唾液や血液が入りにくい状態を作ります。
治療中、歯科助手はバキュームで唾液を吸い、綿を交換し、舌や頬が治療部位へ触れないように支えています。
これは、患者さんの口の中に水がたまらないようにするためだけではありません。
コンポジットレジンの接着操作中に唾液や血液が入ると、歯とレジンの接着を妨げる原因になるためです。
治療する場所や歯ぐきの状態に応じて、ロールワッテ、防湿用の器具、ラバーダムなどを使用します。
ラバーダムは、薄いゴム状のシートで治療する歯を周囲から分ける方法です。すべてのレジン治療で必ず使用するわけではありませんが、唾液や湿度の影響を受けやすい場所では有効な選択肢になります。
4.歯の表面を接着しやすい状態にする
虫歯を削ったあと、歯科医師が青色や透明の液を塗ることがあります。
患者さんからは消毒液のように見えることがありますが、主な目的は、歯とコンポジットレジンを接着させる準備です。
使用する材料によって手順は異なりますが、歯の表面を処理したあとに接着材を塗布し、風を当てて薄く広げます。
風を当てるのは、接着材を乾燥させるだけではありません。材料に含まれる水分や溶媒を適切に飛ばし、歯の細かな構造へ接着材を行き渡らせる意味があります。
その後、専用の光を照射して、薄い接着層を硬化させます。
エナメル質と象牙質は構造が違うため、使用する接着材や歯の状態によって処理方法を調整します。

5.コンポジットレジンを詰める
接着層を作ったあと、コンポジットレジンを詰めて歯の形を回復します。
深い部分や広い部分では、一度に大量のレジンを詰めるのではなく、少しずつ積み重ね、その都度光を照射することがあります。
光で固まるコンポジットレジンには、材料ごとに光が十分届く厚みがあります。厚く詰めすぎると、表面は硬化していても、深い部分が十分に重合しない可能性があります。
一方、比較的厚く詰められるように設計された材料もあります。
歯科医師は、使用する材料の性質、虫歯を削った部分の深さ、光を当てる方向などを考えながら、詰め方を選びます。
6.青い光を何度も当てて硬化させる
治療中、同じ青い光を何度も当てているように見えることがあります。
最初は接着材を硬化させ、その後は積み重ねたコンポジットレジンを固めています。
光照射の効果は、照射時間だけで決まるわけではありません。
照射器から材料までの距離、光の角度、材料の厚みや色、照射器の出力などによって、材料へ届く光の量が変わります。
そのため、照射器の先端をできるだけ材料へ近づけ、必要な方向から光を当てます。
なお、この光は歯を削るレーザーではなく、接着材やコンポジットレジンを硬化させるための光です。
7.歯の形を整え、噛み合わせを確認する
レジンが硬化したあと、余分な材料を取り除き、天然歯に近い丸みや溝を作ります。
歯と歯の間を治療した場合には、フロスが適切な抵抗で通るか、段差やレジンのはみ出しがないかを確認します。
その後、上下の歯を噛んでもらい、治療したレジンだけが高く当たっていないかを調べます。
麻酔が効いている間は、患者さん自身では噛み合わせの違和感が分かりにくいことがあります。そのため、噛み合わせを記録する紙などを使って接触状態を確認します。
8.表面を研磨する
最後に、コンポジットレジンの表面を滑らかに磨きます。
研磨には、見た目をきれいにするだけでなく、舌触りを良くし、プラークや着色が付着しやすい粗い部分を減らす目的があります。

歯と歯の間では、マトリックスやウェッジを使う
歯と歯の間の虫歯では、虫歯を削ることで歯の側面の壁が失われることがあります。
壁がない状態でレジンを詰めると、材料が歯ぐき側へはみ出したり、隣の歯との接触が弱くなったりする可能性があります。
そこで使用するのが「マトリックス」と呼ばれる薄い板です。
マトリックスを歯へ沿わせることで、失われた歯の壁を一時的に作ります。さらに「ウェッジ」という小さなくさびや、専用のリングなどを使って固定します。
これらの器具には、単にレジンが流れ出ないように囲うだけではなく、次のような目的があります。
- 隣の歯との自然な接触を作る
- 食べ物が詰まりにくい形にする
- 歯ぐき側の段差やレジンのはみ出しを防ぐ
- フロスが適切に通る隙間を回復する
詳しい仕組みは、CR治療でマトリックスとウェッジを使うのはなぜ?歯と歯の間の形・接触面を再現する仕組みでご説明しています。
コンポジットレジンのメリットと注意点
コンポジットレジンは、現在の虫歯治療に欠かせない材料です。
ただし、どの材料にも得意なことと不得意なことがあります。
コンポジットレジンの主なメリット
コンポジットレジンは、虫歯を削った部分へ直接材料を詰め、歯に接着させられます。
型取りや技工所での製作を必要としないため、多くのケースでは1回の通院で治療を終えられます。
また、インレーを入れるための形を作る治療と比べて、健康な歯質を削る範囲を抑えられることがあります。
歯に近い色を選べるため、金属の詰め物より目立ちにくいことも特徴です。
虫歯治療として歯の状態や治療内容などの条件を満たす場合には、保険診療で行われます。
コンポジットレジンの主な注意点
コンポジットレジンは、セラミックや金属と同じ性質ではありません。
長期間使用するなかで、表面に細かな傷がついたり、摩耗したり、飲食物によって着色したりすることがあります。
特に、コーヒー、紅茶、赤ワイン、カレーなど色の濃い飲食物や喫煙の影響で、表面の色が変化することがあります。
また、広い範囲をレジンで修復した場合には、強い噛み合わせ、歯ぎしり、食いしばりなどによって欠ける可能性があります。
ただし、「レジンはすぐに変色する」「奥歯には使えない」「最も寿命が短い材料」と一律に決めることはできません。
修復物の大きさ、残っている歯質量、接着操作、防湿、噛み合わせ、清掃状態、食生活などによって経過は異なります。
コンポジットレジンの寿命は何年?
「レジンは何年もちますか」と聞かれることがあります。
しかし、コンポジットレジンの寿命を「2年」「3年」「5年」など、一つの数字で示すことはできません。
小さな虫歯を治したレジンと、歯と歯の間を広く修復したレジンでは、条件が異なります。
前歯と奥歯でも、加わる力、清掃のしやすさ、求められる見た目が違います。
レジンの経過には、次のような要素が関係します。
- 修復した範囲
- 残っている歯の量
- 治療した歯の位置
- 噛み合わせ
- 歯ぎしりや食いしばり
- 唾液量
- 虫歯のなりやすさ
- 間食や飲食の頻度
- 歯磨きやフロスの状態
- 治療時の接着や防湿
- 定期的なメインテナンス
数年で修理や再治療が必要になるレジンもあれば、長期間問題なく使用できるものもあります。
一定の年数が経過しただけで、問題のないレジンを必ず交換するわけではありません。
定期検診で、レジンと歯の境目、欠け、段差、摩耗、二次う蝕の有無などを確認することが大切です。
レジンが変色したら、すべて交換するの?
コンポジットレジンは、時間の経過とともに色が変化することがあります。
ただし、変色して見える原因は一つではありません。
表面に飲食物の色素が付着している場合もあれば、レジンと歯の境目に着色が入り込んでいる場合もあります。細かな段差や表面の傷によって、境目が暗く見えることもあります。
また、修復物の下にある歯質の色が透けて見えることもあります。
表面の着色や粗さだけであれば、研磨によって見た目が改善する場合があります。
一方、レジンの下や周囲に新しい虫歯ができている場合や、接着界面が大きく劣化している場合には、レジンを外して治療し直す必要があります。
「色が変わったからすべて交換する」「痛くないからそのままでよい」と、見た目や症状だけで判断するのではなく、歯科医院で状態を確認することが大切です。
レジンの周りが黒いと、必ず虫歯?
レジンと歯の境目が茶色や黒っぽく見えても、必ずしも虫歯が再発しているとは限りません。
考えられる原因には、次のようなものがあります。
- 飲食物による表面着色
- レジンと歯の境目の着色
- 修復物表面の細かな傷
- レジンの縁に生じた小さな段差
- 修復物の下にある歯の色が透けている
- レジンの周囲や下にできた新しい虫歯
着色と虫歯は、見た目だけでは区別しにくいことがあります。
必要に応じて、表面の状態、硬さ、エックス線写真などを確認し、研磨で対応できるのか、部分的な修理が必要なのか、全体を外す必要があるのかを判断します。
欠けたレジンは、全部やり直すの?
コンポジットレジンの一部が小さく欠けた場合、必ずしも修復物全体を削り取るとは限りません。
虫歯がなく、残っているレジンが安定していれば、欠けた部分だけを整え、新しいレジンを追加できることがあります。
また、表面の着色や粗さだけであれば、研磨で対応できる場合もあります。
一方で、次のような場合には、修復物全体を外して治療し直すことがあります。
- レジンの下に広い虫歯がある
- レジンと歯の境目が広い範囲で劣化している
- 歯そのものに亀裂がある
- 修復物が大きく破折している
- 残っている歯質が薄くなっている
- 噛み合わせによって再び欠ける可能性が高い
部分修理で済むかどうかは、欠けた範囲だけでなく、なぜ欠けたのかを確認して判断します。
歯そのものが欠けた場合には、歯が欠けたけれど痛くない――いつ歯医者へ行く?当日中に相談したい症状と予約時に伝えることも参考にしてください。
コンポジットレジン治療後にしみることはある?
虫歯が深かった場合や、歯の神経に近い部分を治療した場合には、治療後に冷たい物が一時的にしみることがあります。
麻酔が切れたあと、数日間ほど歯が敏感に感じられる場合もあります。
ただし、次のような症状がある場合には、早めに歯科医院へご相談ください。
- 噛むと治療した歯だけが先に当たる
- 痛みが徐々に強くなっている
- 何もしていなくてもズキズキする
- 温かい物で強く痛む
- 冷たい物の痛みが長く残る
- 噛んだときの痛みが続く
- フロスが通らない、引っかかる、切れる
- 食べ物が治療前より詰まりやすくなった
- レジンが欠けた、または外れた
- 舌で触ると鋭い部分がある

治療後の痛みは、必ずしもレジンだけが原因とは限りません。
虫歯の深さ、治療前からの歯髄の状態、噛み合わせ、歯の亀裂などが関係することもあります。
噛み合わせが少し高いだけであれば、短時間の調整で改善する場合があります。我慢して噛み続ける必要はありません。
コンポジットレジンを長持ちさせるために
コンポジットレジンだけを特別な方法で磨く必要はありません。
ただし、レジンと自分の歯の境目にプラークをためないことが重要です。
歯ブラシだけでは歯と歯の間を十分に清掃できないため、歯の隙間に合ったフロスや歯間ブラシを使用します。
糖分を含む飲食物を少量ずつ長時間摂る習慣や、頻繁な間食は、レジンの種類にかかわらず、修復物の周囲に新しい虫歯ができるリスクを高めます。
口が乾きやすい方、虫歯を繰り返している方、歯ぐきが下がって歯の根元が露出している方などは、フッ化物の使い方を含めた予防管理が重要です。
歯ぎしりや食いしばりがある方、大きなレジン修復が入っている方は、レジンの欠けだけでなく、残っている歯に亀裂が生じていないかも定期的に確認します。
レジンは、入れたら一生確認しなくてよい材料ではありません。
しかし、小さな変化の段階で研磨や部分修理ができれば、修復物全体や健康な歯質を大きく削り直さずに済む可能性があります。
よくある質問
コンポジットレジン治療は必ず1回で終わりますか?
多くのケースでは、虫歯を除去し、その日のうちにレジンを詰めて治療を終えられます。
ただし、虫歯が深い場合、歯の神経の状態を確認する必要がある場合、歯ぐきからの出血が強い場合、欠損が大きい場合などには、複数回に分けることがあります。
レジンを詰めた直後から食事できますか?
コンポジットレジン自体は、光を当てた時点で硬化しています。
ただし、麻酔が効いている間は、頬や舌を噛んだり、熱い物でやけどをしたりする可能性があります。感覚が戻ってから食事をするほうが安全です。
青い光は体に悪くありませんか?
一般的な歯科用LED照射器は、接着材やコンポジットレジンを硬化させるための強い可視光を使用します。歯を削るレーザーやエックス線とは異なります。
ただし、強い光を直接見続けると目への負担になるため、歯科医師やスタッフは遮光板や保護具を使用します。患者さんも光を直視する必要はありません。
レジンが変色したら必ず交換しますか?
表面の着色や粗さだけであれば、研磨によって改善することがあります。
虫歯、欠け、接着界面の大きな劣化などがなく、機能にも問題がなければ、色だけを理由に必ず交換するとは限りません。
レジンの下でも虫歯になりますか?
レジン自体が虫歯になるわけではありません。
レジンと歯の境目にプラークがたまり、残っている自分の歯に新しい虫歯ができることがあります。これを二次う蝕と呼ぶことがあります。
修復物の周囲を清潔に保ち、定期的に境目を確認することが重要です。
銀歯をすべてレジンにできますか?
銀歯の大きさ、残っている歯質量、虫歯の有無、噛み合わせなどによって異なります。
小さな金属修復物であれば、コンポジットレジンへ置き換えられる場合があります。
一方、歯の壁や山が広く失われている場合には、レジンよりもインレー、アンレー、クラウンなどが適していることがあります。
金属を外すこと自体が目的になるのではなく、歯をどのような材料と形で修復すると長期的に安定しやすいかを考えて治療方法を決めます。
保険のレジンと自費のダイレクトボンディングは同じですか?
どちらもコンポジットレジンを歯へ直接盛り付ける治療ですが、治療目的や対象範囲が異なることがあります。
虫歯を除去して歯の形と機能を回復する治療は、条件を満たす場合に保険診療で行われます。
一方、虫歯の治療ではなく、歯の形、隙間、色調など見た目を整えることを主な目的とする場合には、自費診療となることがあります。
使用する材料だけで保険か自費かが決まるのではなく、治療目的や治療内容を含めて判断されます。
白い材料を詰めるだけに見えても、多くの工程があります
コンポジットレジン治療は、虫歯を削った穴へ白い材料を入れるだけの治療ではありません。
虫歯の診断、歯の神経の評価、虫歯の除去、防湿、歯面処理、接着、材料の選択、光照射、歯の形の再現、噛み合わせ調整、研磨まで、一つひとつの工程に意味があります。
コンポジットレジンは、適応を正しく判断して使用すれば、健康な歯質をできるだけ残しながら、その日のうちに歯の形と機能を回復できる有用な材料です。
一方、虫歯や欠損が大きい場合、残っている歯が薄い場合、強い噛み合わせがある場合などには、レジンだけでは長期的な安定を得にくいことがあります。
「保険の白い詰め物にできるか」だけではなく、残っている自分の歯を長く守るために、どの治療方法が適しているかを考えることが大切です。
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