2025年4月25日

虫歯にならないように毎日歯磨きなどの口腔ケアを行っていると思います
歯を丈夫にするにはフッ素の塗布の他にもしっかりと栄養をとることが大切です🦷
歯の健康はただの清潔管理だけではなく、栄養の質に深く依存しています。
特に、歯のエナメル質や象牙質、粘膜、歯肉などの構成成分が、私たちの食生活の影響を受けているのです。では、どのような栄養素が歯の構造を強化し、虫歯や歯周病のリスクを低減させるのか解説します。
丈夫な歯とはどういう状態?
・虫歯になりにくい
・歯茎の状態が良い
・歯が硬い、簡単に割れない
これらを踏まえて、丈夫な歯を作るために必要な栄養についてお話します
カルシウム (Ca) とリン (P) – 基礎的かつ重要なミネラル
エナメル質を形成する主要成分です。
歯のエナメル質の約96%は無機物で、その大部分はカルシウムとリンのリン酸塩であるヒドロキシアパタイト(Ca10(PO4)6(OH)2)です。
ビタミンDは、腸管内のカルシウムとリンの吸収を促進します。
これにより、血中カルシウム濃度を調整し、歯のエナメル質の再石灰化を支援します。
永久歯がつくられる時期もまたカルシウムの存在が重要です。象牙質という組織は、ほとんどカルシウムで形成されています。
そのため永久歯がつくられる幼少期にはカルシウムを摂ることは丈夫な永久歯を育てるために重要です!
この二つの物質は再石灰化という働きに効果があります。
カルシウムは再石灰化をサポートする役割を担っています。逆にカルシウム不足によって再石灰化と脱灰のバランスが崩れ、虫歯になりやすくなります。
カルシウムを含む食材
・乳製品(牛乳、チーズ、卵)
・魚介類(ししゃも、煮干し)
・海藻類(わかめ、ひじき)

ビタミンD – ミクロレベルの調整役
カルシウムとリンの調整役を担っています。
ビタミンDは、腸管上皮細胞に発現するカルシウムとリンの輸送タンパク質を調節し、効率的な吸収を促します。
活性型ビタミンDの活性型は、核内受容体を介し、カルシウム結合タンパク質の発現を促進し、これにより血中カルシウム濃度が安定し、歯の維持に貢献します。
フッ素 (F) – エナメル質の耐酸性を向上させる
フッ素は、エナメル質のヒドロキシアパタイトをフルオロアパタイトに変換し、これによりより耐酸性が高まり、虫歯菌の産生する酸に対抗できます。
微小なフッ素イオンは、エナメル質の欠損部分に元素レベルで取り込まれることで局所的に歯を丈夫にします。
マグネシウム (Mg) – エナメル質の微細構造に関わる重要ミネラル
歯の結晶構造の形成調節
マグネシウムは、ヒドロキシアパタイト晶格の成長に微細な調整をもたらすことで、硬さの維持と耐酸性をサポートを行います。
マグネシウムは、歯周組織の骨代謝や象牙質の再生にも関与すると考えられています。
ビタミンK – ミネラル代謝を制御
ビタミンKは、骨のためのオステオカルシンや、血管のカルシウム沈着を防ぐマクロファージ系のマトリックスGlaタンパク質の活性化を促します。
適切なビタミンK摂取は、カルシウムの歯と骨への効率的な利用を促進し、歯の強化を助けます。
コラーゲンとアミノ酸
象牙質の約70%はコラーゲンから構成されており、プロリンやリジンなどのアミノ酸がその合成に必須。
また、ビタミンCはコラーゲン合成の要(プロリンのヒドロキシ化に必要)となります。
まとめ
歯の健康を維持・強化するためには、これらの栄養素をバランスよく摂取することが重要です。
特にビタミンDとカルシウム、フッ素の相乗効果は、エナメル質の再鉱化と耐酸性強化に不可欠です。また、コラーゲンとビタミンKは、象牙質や歯周組織の微細構造を支える重要な役割を果たします。
歯の健康は全身の栄養状態とも密接に関連しています。日常の食生活を見直し、マクロからミクロまで深く意識した栄養管理が、丈夫な歯を長く保つ秘訣です。