2024年11月15日
歯はエナメル質、象牙質、セメント質の硬い組織(硬組織)からできています。歯が口の中に露出している部分を歯冠、歯冠より下の部分を歯根といいます。
1. エナメル質: 歯の最外層で、非常に硬い組織です。歯を保護し、外部の刺激から守ります。
この部分には神経はないので、強い刺激が加わっても痛みを感じることはありません。また、ミネラル分が95%以上と構造的に十分な硬度があるので、硬い食べ物でもしっかりと咬み砕くことができます。ただ、化学変化には脆く虫歯などで一度完全に穴が空いてしまうと、再生能力がほとんどないため元には戻りません。
なお、日本人は西洋人に比べてエナメル質が薄い傾向があります。
2. 象牙質: エナメル質の下にある層で、歯の大部分を占めています。象牙質はエナメル質よりも柔らかく、神経や血管が通る部分に近いです。
ミネラル分も70%程度で、虫歯菌の出す酸に対する抵抗力が弱く、エナメル質に穴が開いて象牙質に達すると虫歯が進行するスピードも速くなり、痛みを感じるようになります。定期的に歯医者さんで診てもらい、初期症状の段階で治療を行うことをおすすめします。
3. 歯髄(しずい): 歯の中心にある柔らかい組織で、神経や血管が含まれています。歯髄は歯に栄養を供給し、感覚を伝える役割を果たします。歯髄は痛みを感じさせることで、「これは大変なことになっている」と言った警告信号を与える役目をしています。
また、歯髄は歯そのものを栄養して循環させているので、これを取ると黒ずんでくることがあります。
4.歯肉(歯ぐき):歯肉は歯根を取り囲んでいます。歯肉はとても軟らかい組織であり、ちょっとした刺激で傷ついて出血したりします。
5.歯根膜(しこんまく):歯根膜は歯周靭帯とも言われ、無数のシャーピー繊維で歯と歯槽骨の間をつなぎ、まるでクッションのように歯にかかった圧力を吸収・緩和しています。また極端に固いものを噛んだ時に痛いと感じるのは、この歯根膜が圧力センサーの働きをしているからです。
6. セメント質: 歯根の外側を覆う薄い層で、歯を歯槽骨に固定する役割があります。
骨との間のシャーピー繊維という繊維を中に取り込み、しっかり骨に歯を固定するアンカーが埋まっています。
7.歯槽骨: 歯が埋まっている骨の部分で、歯を支える重要な役割を果たしています。歯周病になるとこの歯槽骨が吸収され歯を支えきれなくなります。