顎が外れたら何科?歯医者(歯科)に行こう!|広島市中区立町の歯医者(紙屋町、八丁堀、袋町からすぐ)|ブランデンタルクリニック|土曜日、日曜日、祝日診療

〒730-0032 広島県広島市中区立町2-1 立町中央ビル4F

082-258-6411

ネット予約はこちらから
受付

顎が外れたら何科?歯医者(歯科)に行こう!

顎が外れたら何科?歯医者(歯科)に行こう!|広島市中区立町の歯医者(紙屋町、八丁堀、袋町からすぐ)|ブランデンタルクリニック|土曜日、日曜日、祝日診療

2024年11月19日

顎が外れたら何科?歯医者(歯科)に行こう!

(院長の徒然ブログ)

顎が外れるとは?

前の歯科医院にいた時、急患で時々主訴であった症状に「顎が外れてしまった!」というのがありました。

顎が外れるというのは、顎関節が正常な位置からずれて前に行ってしまう状態を指します。

これが起こると、顎を動かす際に痛みや不快感を感じたり、そもそも口を閉じることが難しくなったりします。

初めて起こった時は、患者さんがパニックになっていることも多く、また一度起こると習慣化してしまうことも珍しく無いんです。

なお、「顎を元の位置に整復する」ことができる職種は3つで、医師、柔道整復師、そして歯医者です。

特に歯医者は、日常から顎の関節を診ているため、顎の関節を元に整復のが得意なことが多いんですよ。

顎なんてそう簡単に外れるの?


顎関節脱臼の発生率は、一般的にはそれほど高くはありません。

しかし、外傷や事故、スポーツ活動中に顎に強い力が加わることで脱臼が発生することがあります。

また、顎関節症がある方がふとした動作(例えば欠伸)で脱臼することもあるのです。

因みに歯科治療時も大きな口開けるので、外れる可能性ありますよ。

ですので、顎関節脱臼は外傷性の顎関節障害の中では割と一般的なものの一つなんですよ。

具体的な発生率は研究によって数値にばらつきがありますが、人口の約1%から5%が生涯に一度は経験するとされています。

顎関節脱臼の原因

①外的な衝撃

交通事故やスポーツ(柔道とか)による直接的な外的な衝撃が顎に加わると、顎関節が外れることがあります。

特に、口を大きく開けた状態で衝撃を受けると、脱臼が起こりやすいです。

②顎関節症

顎関節症(TMD)は、顎の骨、筋肉や関節周囲の組織(関節包や関節円板という軟骨や靭帯)に関連する障害で、顎の動きに影響を与えます。顎関節症の患者は、顎の動きが不安定になり、脱臼のリスクが高まります。

特に普段からクリッキング音(顎の開閉の際にかくっと音がなる)がある方は要注意です。

このTMDと顎関節脱臼の関連は、この分野では1番研究されていて、顎関節の機能不全が脱臼のリスクを高めることが示されています。

③不適切な咬合

歯の噛み合わせが悪い場合、顎関節に不均等な力がかかり、脱臼を引き起こすやすくなります。

特に左右の顎のバランスが崩れて、咬合平面が斜めになっている方!

上顎の平面と下顎の平面がズレている方はどちらかの顎の関節に負担がかかりやすく、顎関節脱臼のリスクが高くなってしまいます。

④ストレスや緊張

ストレスや緊張によって顎の筋肉が緊張し、顎の動きが制限されることがあります。

また、普段からクレンチングやグライディングといった食いしばり歯ぎしりによって、顎の関節に負担をかけてしまっているため、顎関節が外れるリスクが高まります。

⑤過度の開口

限界を超えて大きな口を開けること(例えば、あくびや大声での発声)によって、本来の関節が正常な位置から外れることがあります。

(下顎骨の関節突起が関節結節を乗り越えてしまい、帰って来れなくなる。)

顎関節脱臼の治療法

①徒手的整復法

兎にも角にも、まず脱臼した顎関節を元の位置に戻さなくてはいけません。

患者の頭部を固定し、下顎を後下方に強く圧下しながら、下顎を回転させることで下顎頭を元の位置に戻します。

Hippocrates法やBorchers法がありますが、私はHippocrates法を使います

(Hippocrates法では、患者の前方に術者が位置取りし、両手の親指で左右の下顎大臼歯部の歯槽上あるいは咬合面に置きます。

そして他の4指で下顎下縁隅角部を保持した後、下顎を後下方に強く圧下しながら、下顎を回転させて元の関節窩に顎関節を戻していきます)

通常、医療機関で行われ、歯科医師や医師が行います。整復後は安静を保つことが重要で、専用の帽子(オトガイ帽と呼ばれ、顎にストッパーがある)で顎を固定したり、包帯を巻いて口が開かないようにすることもあります。

②消炎鎮痛

脱臼を治した後は、一時的な痛みが生じるため、鎮痛剤や抗炎症薬が処方されることがあります。

③リハビリテーション

下顎の関節突起を、また外れないように関節窩に安定させるために、リハビリテーションが行われることがあります。

これにより、顎の筋肉を強化し、再発を防ぐことが目的です。

脱臼してから時間がたつと、筋肉がその位置に慣れてしまうので、再発リスクは上がります。

速やかに整復し、本来の位置で筋肉をしっかり慣らしてあげなければいけません。

④咬合調整やマウスピース作成

そもそもの噛み合わせに不調和があり、顎関節脱臼の原因となったと考えられるケースでは、咬合調整や矯正治療などで噛み合わせ2回戦をはかります。

また、食いしばりや歯ぎしりが原因と考えられるケースではマウスピースの使用も検討されます。

⑤外科手術

例えば関節結節が擦り減って、重度の脱臼や再発を繰り返す場合には、外科的な治療が検討されることがあります。

終わりに

いかがでしたか?

顎関節脱臼は、適切な治療を受けることで改善が期待できます。

何よりすぐ整復するために病院に来ていただくことが大切です。

顎が外れた際は、是非ご連絡ください。

TOP