2024年10月27日
(院長の徒然ブログ)
口唇ヘルペスの症状
こんばんは、本日のコラムです。
季節の変わり目で、急に寒くなり風邪の方も増える季節です。こういう時に増加するのが口唇ヘルペスです。
口唇ヘルペスは、主に単純ヘルペスウイルス(HSV-1)によって引き起こされる感染症で、痛くて痛くて問い合わせをされる方も、意外に多いのです。
まずは口唇ヘルペスの主な症状から見ていきましょう。
①初期症状
唇にチクチクとした痛みやピリピリ感、
患部に軽度の腫れや赤みが見られることがあります。
②水膨れができる
数日後、赤く小さな幾つかの水膨れができます。
同時に明確に痛みを感じます。
この時期はウイルスが活発なので感染力が高いので注意!
接触感染や唾などから感染します。
③水膨れが破れて潰瘍(アフタ)になる
水膨れが破れると透明な液体が出てしぼみ、潰瘍(アフタ)が形成されます。
この潰瘍もかなり痛いです。
④かさぶたになる
3日から5日程度でかさぶたが形成されます。
かさぶたは通常、数日から1週間程度で自然に剥がれます。
口唇ヘルペスの原因
①ウイルス感染
口唇ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスの感染によって起こります。(主にHSV-1によって引き起こされますが、稀にHSV-2も口唇に感染することがある)
そもそも多くの人が⼦どものころに初期感染していると⾔われています。
初期感染のときは症状がないことが多く、免疫力が落ちた時にウイルスの力が身体に勝ち、ウイルスが皮膚や粘膜表面に出てきてしまい、症状が出ます。
②接触感染
要するに人にうつされる場合、もしくは自分のヘルペスの部分のウイルスが他の部位にうつって、そこで発症した場合です。
感染者の唾液や皮膚•粘膜の接触によってウイルスが広がります。
例えば感染者とのキスや、子供への口移し、感染者が使用したタオルや食器などを共有することによって起こります。
③免疫力の低下
ヘルペスの再発は、ストレス、疲労、風邪などによって免疫力が低下すると、ウイルスが活発になって発症します。
④日光刺激などによる外的要因の刺激
強い日光や寒暖差、唇の乾燥なども、口唇ヘルペスの再発症の原因となる場合があります。
⑤ホルモンバランスの乱れ
生理周期や妊娠などによるホルモンバランスの乱れも、免疫の低下を招いて口唇ヘルペスを引き起こすことがあります。
口唇ヘルペスの治療法
①抗ウイルス薬の処方
ヘルペスウイルスが活発な状態、例えば水膨れのときや、潰瘍は出来立ての場合は、抗ウイルス薬を処方していきます。
②レーザーで殺菌、かさぶた状態にする
口唇ヘルペスに伴う痛みの軽減のためにレーザーを当てるとともに、患部を殺菌し、さらに表面をかさぶた状態にすることで治りを早くします。
③ヘルペス周囲部の清潔保持
口唇ヘルペスの患部を清潔に保つことが重要ですので、口腔内の衛生指導を行います。
④治りを早くする薬を塗る
非ステロイド系の傷薬を塗って、治りを観察していくことがあります。
ただし、水膨れは無く、ウイルスの活動が終わった後の治る時期に限ります。
注意
絶対に水疱などのウイルスが活発な時期に、どこかの医院や薬局で買った傷薬(ステロイドが入っているもの)をつけないでください。
ステロイドは塗った部分の免疫力を低下させるため、かえって症状が悪化します。
口唇ヘルペスの再発について
⼝唇ヘルペスは初期感染の時に、三叉神経と呼ばれる神経の神経節に潜伏します。
そのため、症状が治ったとしてもウイルスは⽣涯にわたって体の中にいるということなのです。
健康な時は、免疫⼒で抑えられて神経節に押し込められているのですが、何らかの原因で身体の免疫⼒が落ちると、ウイルスが再び活発になり⽪膚や粘膜に到達し、症状がでます。
一度体内に入って潜伏した単純ヘルペスウイルスを、駆逐することは現代医学では不可能です。
しかし、発症の兆しがあった際に、すぐ歯医者で適切な治療を行ったり、健康的な生活…すなわち栄養のバランスのとれた⾷事ですとか、⼗分な睡眠、適度な運動を行うことにより、疲れやストレスを溜めないようにしましょう。
その他の口腔外科分野についても何かご質問などありましたら、お問い合わせください。