2025年1月24日
歯を鏡で見たとき、「歯の根元がくびれている気がする」「冷たいものがしみる」といった症状が気になったことはありませんか?それは「くさび状欠損」という状態かもしれません。今回は、くさび状欠損の原因や症状、そして予防法についてわかりやすく解説します。
くさび状欠損とは?
「くさび状欠損」とは、歯の根元(歯と歯茎の境目)がくさびのような形に削れてしまう状態を指します。この部分は「歯頚部(しけいぶ)」と呼ばれ、エナメル質が薄く、外部からの刺激に弱いため、さまざまな原因で欠損が進行しやすい場所です。
くさび状欠損が進むと、歯の見た目に影響を与えるだけでなく、知覚過敏や虫歯のリスクが高まることがあります。
くさび状欠損の主な原因
1. 強すぎる歯磨き
硬い歯ブラシや力を入れすぎた歯磨きによって、歯の根元が削れてしまうことがあります。特に横磨き(横方向に強くこする磨き方)は要注意です。
2. 噛み合わせの力の負担
歯ぎしりや食いしばりなど、歯に過剰な力がかかると歯の根元に負担が集中し、欠損を引き起こすことがあります。
3. 酸によるダメージ
酸性の飲食物(炭酸飲料や柑橘類など)を頻繁に摂取すると、歯のエナメル質が弱くなり、削れやすくなります。
4. 歯周病や歯茎の後退
歯周病などで歯茎が下がると、露出した歯根が欠損しやすくなることがあります。歯根はエナメル質ではなく象牙質で覆われているため、削れやすい特徴があります。
くさび状欠損の症状
• 歯の根元が削れているのが目に見える
歯茎付近がV字型にくびれていることがあります。
• 冷たいものや甘いものがしみる
知覚過敏の症状が現れることがあります。
• 歯磨きの際に痛みを感じる
欠損部分に触れると不快感を覚えることがあります。
くさび状欠損を放置するとどうなる?
くさび状欠損は放置すると次のようなリスクがあります:
• 欠損がさらに進行し、歯が折れやすくなる
• 知覚過敏が悪化して食事や歯磨きがつらくなる
• 欠損部分から虫歯が発生する
早めの対処が大切です。
くさび状欠損の予防法
1. 歯磨きの方法を見直す
• 力を入れすぎず、ペンを持つように軽く歯ブラシを握りましょう。
• 歯ブラシは柔らかめのものを選び、小刻みに動かして優しく磨くことを心掛けてください。
2. 噛み合わせや歯ぎしりの対策を行う
• 歯ぎしりや食いしばりが原因の場合、マウスピース(ナイトガード)の使用が有効です。
• 噛み合わせが原因の場合は、歯科医院での調整が必要になることがあります。
3. 酸性の飲食物を控える
• 酸性の飲み物を飲む際はストローを使うと、歯へのダメージを軽減できます。
• 酸性の飲食物を摂取した後は、水で口をすすぐことをおすすめします。
4. 定期的な歯科検診を受ける
• 定期的に歯科医院を受診することで、くさび状欠損の早期発見や適切なケアが可能です。
くさび状欠損の治療方法
くさび状欠損が進行している場合、以下のような治療が行われることがあります:
• 詰め物やコーティング
欠損部分にコンポジットレジン(歯科用樹脂)を詰めて修復する方法です。
• 噛み合わせの調整
必要に応じて、噛み合わせを調整して歯への負担を軽減します。
歯の根元がくびれている「くさび状欠損」は、日々の習慣や癖が原因で進行することがあります。しかし、正しいケアや適切な治療で防ぐことが可能です。
「歯の根元が気になる」「冷たいものがしみる」という方は、ぜひ一度当院にご相談ください。あなたの歯を健康で美しく保つお手伝いをさせていただきます!