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キシリトールは虫歯菌を疲れさせる

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2024年10月13日

キシリトールは虫歯菌を疲れさせる

(院長の徒然ブログ)

⚫︎キシリトールとは

キシリトールは、5炭糖アルコールと言われる糖アルコールという甘味炭水化物の仲間です。

人工甘味料と勘違いしている人もいますが、天然に存在する糖アルコールで、果実や野菜にも含まれているんです。(苺🍓などにも多く含まれているんですよ)

また実は人間の肝臓でも作られていています。

私たちが普段摂取するガムやグミのキシリトールは、植物から工業的に精製したものですが、構造的にも同じなので、安心してください。

 そんな人体にも自然界にも元々あるキシリトールなので、日本では1997年4月に食品添加物として認可されました。

米国では、その安全性から「1日にどれだけ摂取しても良い食品」として扱われていますが、一方でヨーロッパ圏では量を制限されています。

その理由は後述しますね。

⚫︎キシリトールの特徴

①砂糖(しょ糖)と同じ甘さ

糖アルコールに分類される中では最も甘く、水溶時に周りの熱を奪う性質があるため、清涼感のある甘味料です。

②ばい菌が、歯を溶かす酸を作れない

細菌はキシリトールを分解して、単糖類と酸を作り出そうとします。

しかしキシリトールからは酸は生み出せないばかりか、細菌は5炭糖アルコールをエネルギー源として利用できないので、虫歯菌は疲れてしまい「虫歯予防」に繋がるのです。

また、唾の分泌も促進するので、ばい菌が他で作った酸を中和するのを促します。

③歯垢(プラーク、バイオフィルム)がつくのを防ぐ

キシリトールを定期的に摂取していると、むし歯の原因となる歯垢がつきにくくなります。

これは前述の虫歯菌を疲れさせる効果に関係しています。また、キシリトールはカルシウム成分を捕集する特性があるため、歯の再石灰化を促して更に虫歯を防いでくれます。

④とってもヘルシー

キシリトールは砂糖に負けないくらい甘いにも関わらず、カロリーは砂糖の1/4しかありません。
つまり摂取しても血糖値の急上昇は起こらず、糖尿病患者の糖質コントロールにも役立つ物質なのです。

以上のように、キシリトールには他の甘味料に見られない有用な特徴を持っているのです。

⚫︎え!?キシリトールが危険?

そんなキシリトールですが、ヨーロッパの雑誌でキシリトールの危険性を訴えられたことがあります。

European Heart Journal という雑誌に掲載されたのですが、「キシリトールは血栓形成促進性があり、主要心血管イベント(MACE)と関連している」 …その結果、キシリトールを大量に摂取すると、心臓発作、脳卒中、死亡のリスクが最 大 2 倍増加する可能性があると報じられたのです。

正直なところキシリトールの副作用として有名なのは、短時間に大量摂取することで起こる浸透圧性の下痢だけでした。

それも成人男性で20g程度以上キシリトールを摂取した場合起こるものでした。

(ガムのダースを一度に一気に食べたりすると起こります。)

そういった経緯もありこのジャーナルからの発表には驚かされました。

実際EUではキシリトールを含む糖アルコールの飲料への使用が禁止されたのです。

じゃあキシリトールは危険なものんなんでしょうか?

…実はこの研究結果、事実ではあっても普通の人には不可能なんです。

キシリトールガム一粒あたりキシリトール含有量って、せいぜい1.3g程度なんです。

今回のジャーナルの研究に使われたキシリトール量って、30gのキシリトールを2分で摂取するとか、日常では絶対起こらない状況を、繰り返して起こる健康被害だったんです。

(普通の人はキシリトールガム2ダースを2分で一気喰いするなんてことはまずしないですよね。)

ですので、この場ではっきり申し上げますが、普通の食べ方(毎日何粒かのキシリトールを噛む)をしていれば、健康被害どころか、キシリトールのいい効果をしっかり得られます。

これからもしっかりキシリトールを使って、健康なお口づくりを目指してみてくださいね。

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