2025年1月27日

歯周病は、初期段階ではほとんど症状がないため、「気づいたときには進行していた」ということが少なくありません。歯を失う原因の第一位である歯周病を早期発見・早期治療するためには、歯周病精密検査が重要です。今回は、この検査でどんなことをするのか、わかりやすく解説します。
歯周病精密検査の目的
歯周病精密検査は、歯周病の状態を正確に把握するための検査です。歯茎の健康状態や歯を支える骨の状態を調べることで、現在の進行度を診断し、最適な治療計画を立てるために行います。
検査で行う主な項目
歯周病精密検査では、以下のような項目を調べます:
1. 歯周ポケットの深さ測定
歯と歯茎の間の溝(歯周ポケット)の深さを専用の器具で測ります。
• 健康な歯茎:1~2mm
• 歯周病の可能性:3mm以上
ポケットが深いほど、歯周病が進行している可能性があります。
2. 出血の有無
検査時に歯茎からの出血が見られる場合、炎症がある可能性が高いです。出血は歯周病のサインのひとつです。
3. 歯の動揺(ぐらつき)のチェック
歯周病が進行すると、歯を支える骨が減少し、歯がぐらつくことがあります。指や専用の器具を使って歯の動きを確認します。
4. レントゲン撮影
歯を支える骨(歯槽骨)の状態を詳しく調べるために、レントゲン撮影を行います。骨がどの程度減少しているかを確認することで、歯周病の進行度を把握します。
5. 細菌検査(必要に応じて)
必要に応じて、歯周ポケット内の細菌を採取し、どのような菌がいるのかを調べることもあります。この結果は治療方法の選択に役立ちます。
歯周病精密検査は痛い?
「検査が痛そう」と心配される方もいらっしゃいますが、ほとんどの方は軽い違和感を感じる程度で、痛みはありません。検査器具も歯茎に優しい形状になっているため、ご安心ください。
ただし、歯周病が進行している場合、炎症の影響で少し痛みを感じることがあります。その際は遠慮なくお伝えください。
検査の結果で何がわかるの?
検査結果に基づいて、歯周病の進行度を以下のように分類します:
• 軽度歯周病:歯周ポケットが浅く、治療で改善しやすい状態
• 中等度歯周病:ポケットが深くなり始め、骨の減少が見られる状態
• 重度歯周病:歯を支える骨が大きく減少し、抜歯のリスクが高い状態
この分類をもとに、スケーリングやルートプレーニングといった基本的な治療から、場合によっては歯周外科治療まで、最適な治療計画をご提案します。

定期的な検査で歯を守りましょう!
歯周病は、一度進行すると自然に治ることはありません。しかし、早期に発見して適切な治療を行うことで、進行を食い止めることができます。当院では、患者様一人ひとりの歯周病の状態をしっかり把握し、丁寧にサポートいたします。
気になる症状がある方はもちろん、「歯茎の健康状態を確認したい」という方もぜひお気軽にご相談ください!