2024年10月12日

(歯科衛生士さんのある日の日誌)

はじめに:八重歯は「見た目」だけでなく、磨きやすさと噛み合わせにも関係します
八重歯というと、「少しチャームポイントのように見える」「見た目の問題だけ」と思われることがあります。けれど、歯科医院で八重歯を見るときには、見た目だけでなく、歯ブラシが届きやすいか、歯ぐきに負担がかかっていないか、噛み合わせの中で犬歯がうまく働いているかも一緒に確認します。
八重歯は、前から3番目の犬歯が歯並びの外側に出ている状態を指すことが多いです。犬歯は、見た目の印象だけでなく、噛み合わせの中でも大切な役割を持つ歯です。そのため、「八重歯があるから必ず矯正しなければいけない」と一律に決めるのではなく、磨きにくさ、歯ぐきの状態、虫歯・歯周病リスク、噛み合わせ、年齢、本人の悩みを合わせて考えることが大切です。

八重歯とは?犬歯が歯並びの外側に出ている状態です
八重歯は、一般的には犬歯が歯並びの外側に出ている状態を指します。犬歯は前から3番目の歯で、糸切り歯とも呼ばれます。
犬歯はほかの歯より根が長く、しっかりした形をしていることが多い歯です。食べ物を噛むときだけでなく、あごを横に動かしたときに、ほかの歯へ負担がかかりすぎないように助ける役割もあります。専門的には、噛み合わせの中で大事な「キートゥース」と表現されることがあります。
ただ、犬歯が歯列の外側に出ていると、犬歯本来の役割が十分に発揮されにくい場合があります。また、歯が重なっている部分は歯ブラシが当たりにくく、汚れが残りやすくなります。歯科衛生士としては、八重歯を見るときに「見た目」だけでなく、「ここは毎日きちんと磨けているかな」という視点でも確認しています。

八重歯で気をつけたいのは、磨き残しがたまりやすいことです
八重歯がある方で特に注意したいのは、歯が重なっている部分の磨き残しです。歯がきれいなアーチ状に並んでいる場合と比べて、歯ブラシの毛先を当てる角度が難しくなります。
犬歯の周り、隣の歯とのすき間、歯ぐきとの境目には、プラークが残りやすくなります。毎日歯磨きをしているつもりでも、同じ場所に汚れが残り続けると、虫歯や歯ぐきの腫れ、出血、口臭につながることがあります。
特に、八重歯の周りで歯ぐきが赤くなりやすい、フロスが通しにくい、歯ブラシを当てると出血する、同じ場所に着色や汚れが残るという場合は、磨き方の確認をおすすめします。矯正治療をすぐに始めるかどうかとは別に、まずは今の歯並びでどこに汚れが残りやすいかを知ることが大切です。

八重歯はなぜ起こるの?
八重歯が起こる理由の一つは、歯が並ぶスペースが足りないことです。永久歯は順番に生えてきますが、犬歯は比較的あとから生えてくるため、すでに前後の歯が並んでいると、入る場所が少なくなって外側に出てくることがあります。
また、乳歯が抜ける時期や永久歯の生え方も関係します。乳歯がなかなか抜けなかったり、永久歯の生える方向がずれたりすると、犬歯が本来の位置に入りにくくなることがあります。
子どもの場合は、成長途中で歯並びが変化することもあります。大人の場合は、すでにあごの成長が終わっているため、自然に大きく改善することは期待しにくくなります。そのため、年齢によって相談の意味が少し変わります。

子どもの八重歯と、大人の八重歯では相談のポイントが違います
子どもの八重歯では、今すぐ矯正装置をつけるかどうかだけでなく、成長や歯の生えかわりを見ながら判断することが大切です。乳歯が残っているか、永久歯がどの向きに生えているか、あごのスペースが足りているかを確認します。
小学生から中学生の時期は、歯並びや噛み合わせが変化しやすい時期です。八重歯が気になり始めたときは、「様子を見てよい状態なのか」「早めに相談した方がよい状態なのか」を確認しておくと安心です。
大人の八重歯では、清掃性や歯ぐきの状態、虫歯・歯周病リスク、噛み合わせ、見た目の悩みを総合的に考えます。長年同じ場所に磨き残しがたまりやすい場合や、歯ぐきが下がってきている場合は、矯正相談だけでなく、日常のケア方法の見直しも大切です。

矯正を考えた方がよいサイン
八重歯があるからといって、全員に同じ治療が必要になるわけではありません。ただ、次のような状態がある場合は、矯正相談を検討してもよいタイミングです。
歯ブラシやフロスが入りにくい、八重歯の周りだけ歯ぐきが腫れやすい、同じ場所に虫歯ができやすい、噛んだときに犬歯がうまく当たっていない気がする、口元や笑ったときの見た目が気になる。このような悩みがある場合は、一度歯科医院で確認してみるとよいでしょう。
矯正相談というと、「すぐに高額な治療を勧められるのでは」と心配される方もいます。しかし、実際には、まず今の歯並びの状態、虫歯や歯周病のリスク、清掃状態、治療の必要性や優先順位を確認することが大切です。相談したからといって、すぐに矯正治療を始めなければならないわけではありません。

矯正は「歯を削って差し歯にする治療」ではありません
歯並びを整える方法にはいろいろな言葉があり、患者さんが混乱しやすいところです。矯正治療は、基本的には歯を削って差し歯にする治療ではありません。装置を使って歯やあごの骨に少しずつ力をかけ、時間をかけて歯を動かしていく治療です。
一方、短期間で見た目を整えるために、歯を削って被せ物を入れる治療が選択されることもあります。ただし、健康な歯を削ることにはデメリットもあります。八重歯が気になる場合は、見た目だけで急いで判断するのではなく、矯正治療で整える方法、補綴治療で形を変える方法、それぞれの利点と注意点を確認することが大切です。
ブランデンタルクリニックでは、患者さんの年齢、歯の状態、虫歯や歯周病のリスク、噛み合わせ、見た目の希望を確認したうえで、必要に応じて治療の選択肢をご説明します。

八重歯がある方の毎日のケア
八重歯がある方は、歯ブラシをまっすぐ当てるだけでは、重なっている部分に毛先が届きにくいことがあります。犬歯の外側、隣の歯との境目、歯ぐきのラインに合わせて、歯ブラシの角度を少し変えながら磨くことが大切です。
フロスや歯間ブラシを使う場合も、歯並びによって通し方にコツが必要です。無理に押し込むと歯ぐきを傷つけることがあるため、うまく通らない場合は歯科衛生士に相談してください。
矯正治療をするかどうかにかかわらず、「今の歯並びでどう磨くか」を知ることはとても大切です。八重歯をすぐに治さない場合でも、磨き方を工夫することで、虫歯や歯ぐきのトラブルを減らせることがあります。

広島市中区立町で八重歯・歯並びを相談したい方へ
八重歯は、見た目だけでなく、磨きやすさ、歯ぐき、虫歯・歯周病リスク、噛み合わせにも関係することがあります。気になっているけれど、矯正が必要かどうか分からないという段階でも、相談していただいて大丈夫です。
広島市中区立町のブランデンタルクリニックでは、八重歯や歯並び、噛み合わせについてのご相談を受け付けています。紙屋町・八丁堀・袋町周辺で、学校やお仕事の合間に相談したい方、土日に歯並びの相談をしたい方も、お気軽にご相談ください。
予約時には、「八重歯が気になる」「犬歯が外側に出ている」「歯磨きしにくい場所がある」「子どもの歯並びを見てほしい」などと伝えていただくと、当日の確認がスムーズです。ご予約はWEB予約、公式LINE、お電話から受け付けています。
よくある質問
Q. 八重歯は必ず矯正した方がいいですか?
必ず矯正が必要とは限りません。磨きやすさ、歯ぐきの状態、虫歯や歯周病のリスク、噛み合わせ、見た目の悩みを総合的に見て判断します。気になる場合は、まず相談して状態を確認することが大切です。
Q. 八重歯は虫歯になりやすいですか?
八重歯そのものが虫歯というわけではありません。ただ、歯が重なっている部分は歯ブラシが届きにくく、汚れが残りやすくなることがあります。その結果、虫歯や歯ぐきの炎症につながる場合があります。
Q. 子どもの八重歯は様子を見ても大丈夫ですか?
成長途中では歯並びが変化することがありますが、犬歯の生える方向やスペース不足によっては早めの確認が役立つこともあります。自己判断で長く様子を見るより、一度歯科医院で確認しておくと安心です。
Q. 大人になってから八重歯の矯正はできますか?
大人になってからでも矯正相談は可能です。ただし、虫歯や歯周病の状態、歯ぐきや骨の状態、噛み合わせによって治療方針は変わります。まずは現在のお口の状態を確認することが大切です。
Q. 八重歯を削って見た目を整えることはできますか?
歯を削って被せ物などで見た目を整える方法が検討されることもありますが、健康な歯を削ることにはデメリットがあります。矯正で歯を動かす方法と、補綴で形を変える方法は考え方が異なるため、利点と注意点を確認してから選ぶことが大切です。
Q. 矯正相談のときは何を伝えればよいですか?
八重歯がいつ頃から気になっているか、磨きにくい場所があるか、歯ぐきの腫れや出血があるか、見た目の悩みがあるか、過去に矯正相談をしたことがあるかを伝えていただくと、確認がスムーズです。
