2025年1月27日

転んだり事故に遭ったりして歯が抜けてしまったら、驚きと不安でどうすればいいのかわからなくなることがあるかもしれません。しかし、迅速で正しい対処を行うことで、抜けた歯を元の位置に戻せる可能性があります。今回は、歯が抜けたときの応急処置と注意点について分かりやすくお伝えします。
歯が抜けたときの応急処置
1. 歯を見つけたら根っこの部分には触れない
抜けた歯を拾うときは、歯の**白い部分(歯冠)を持ち、歯の根っこ(歯根)**には触れないように注意してください。根っこの表面には重要な組織があり、触れると再植手術の成功率が下がる可能性があります。
2. 歯を優しく洗う
抜けた歯が汚れている場合は、水道水で軽くすすぎましょう。ただし、ゴシゴシこすったり、洗剤やアルコールで消毒するのは避けてください。歯根の表面にある組織が傷ついてしまうためです。
3. 歯を元の位置に戻す
抜けた歯が清潔であれば、歯の根っこの向きを確認し、元の歯の位置に戻して軽く噛んで固定してください。このとき、無理に押し込まないように気をつけましょう。
4. 戻せない場合は保管する
歯を元に戻せない場合は、乾燥を防ぐために適切な方法で保管してください。以下の保管方法を参考にしてください:
• 牛乳に浸ける(最適な保管方法の一つ)
• 生理食塩水に浸ける
• 口の中(舌の下や頬の内側)に入れる(ただし、お子様や飲み込む恐れがある場合は避ける)
• 水道水で一時的に保管することも可能ですが、短時間に留めるようにしましょう。
5. できるだけ早く歯科医院に行く
抜けた歯を保存する時間が短いほど、歯を再植できる可能性が高まります。理想的には、30分以内に歯科医院を受診することが望ましいです。
抜けた歯が乳歯の場合は?
子どもの乳歯が抜けた場合、再植は行わないのが一般的です。無理に戻そうとすると、後から生えてくる永久歯に影響を及ぼす可能性があるため、抜けた乳歯を持参して歯科医院で診てもらうことをおすすめします。
応急処置を行う際の注意点
• 歯の根っこを絶対にこすらない
歯根表面にある繊細な組織を守るため、洗う際は優しくすすぐだけにしましょう。
• 乾燥を防ぐ
抜けた歯が乾燥すると再植成功率が下がるため、できるだけ早く適切な液体に浸けることが重要です。
• 放置しない
抜けた歯をそのまま放置すると、再植が難しくなります。早めに歯科医院を受診しましょう。
歯科医院での治療方法
歯科医院では、抜けた歯を適切に再植する治療が行われます。以下のような流れで処置が進むことが多いです:
1. 抜けた歯と口腔内の状態を確認
2. 必要に応じて歯を洗浄・消毒
3. 抜けた歯を元の位置に戻して固定(スプリント固定)
4. 治癒期間中の経過観察とフォローアップ
再植が成功するかどうかは、歯が抜けてから治療を受けるまでの時間や、応急処置の適切さに左右されます。

転んで歯が抜けてしまったときは、焦らずに迅速で正しい対応をすることが大切です。抜けた歯をできるだけ清潔に保ち、乾燥を防ぎながら、できるだけ早く歯科医院にご相談ください。
当院では、緊急の対応にも力を入れています。もしもの場合に備え、何か気になることがあればお気軽にお問い合わせください!