2026年9月06日

(歯科助手さんの治療見学ノート)

はじめに
「前に歯医者で型取りをしたとき、オエッとなってしまって……」
診療室で患者さんから、そんなお話を聞くことがあります。
歯科助手として横で聞いていると、以前なら「今回も型取りが大変かもしれないな」と思っていたかもしれません。
でも今は、歯の形をカメラのような機械で読み取る口腔内スキャナーがあります。
ブランデンタルクリニックでも口腔内スキャナーを使用しているので、私は最初、こんなふうに考えていました。
「型取りでオエッとなる患者さんなら、もう全部スキャンでいいんじゃないの?」
ところが、実際の治療を見ているとそうではありません。
患者さんが「型取りが苦手です」と話しているのに、先生が口の中を確認したあと、「今回は従来の型取りの方が適しています」と説明することがあります。
せっかく口腔内スキャナーがあるのに、どうしてわざわざ印象材を使うのでしょう。
今回の治療見学ノートでは、「患者さんにとって楽な型取り」と「その治療に適した型取り」は同じなのか?という疑問を追いかけてみます。
先に結論をいうと、型取りでオエッとなりやすい方に、口腔内スキャンはとても有力な選択肢です。
ただし、「オエッとなるなら口腔内スキャン一択」ではありません。
ここが今回、私が治療を見ながら一番おもしろいと思ったところです。
型取りで「オエッ」となるなら、口腔内スキャンの方が楽?
まず、患者さんの負担という点では、口腔内スキャンには大きなメリットがあります。
従来の型取りでは、トレーと印象材を口の中に入れます
従来の型取りでは、トレーと呼ばれる器具に印象材を盛り、口の中へ入れて歯や歯ぐきの形を記録します。
使用する材料や目的によって方法は異なりますが、材料が固まるまで、しばらく口の中に保持する必要があります。
嘔吐反射が強い方にとっては、この時間がとてもつらく感じられることがあります。
特に上顎全体の型取りなどでは、トレーや印象材が口蓋側まで広がるため、
- 喉の方まで何か入ってくる感じが苦手
- 息がしづらいように感じて怖い
- 印象材が入ると思っただけで吐きそうになる
- 以前の型取りでつらい経験をした
という方もいらっしゃいます。
歯科治療中の嘔吐反射は、印象材などによる軟口蓋、舌の後方、咽頭付近への刺激によって起こる場合があります。
一方、口腔内スキャンだけで必要な情報を採れるケースなら、トレーいっぱいの印象材を口の中に入れ、固まるまで待つ必要はありません。
細長いスキャナーチップを歯に沿って少しずつ動かし、歯や歯ぐきの表面を読み取っていきます。

患者さんの感じ方を比較した臨床研究でも、デジタル印象の方を好む患者さんが多く、従来印象より不快感が少なかったという報告があります。
ですから、「型取りが苦手なので、可能なら口腔内スキャンにしたい」という希望は不自然なものではありません。
でも「スキャンなら絶対にオエッとしない」わけではありません
ここで一つ注意があります。
口腔内スキャナーは、口の外から写真を撮る機械ではありません。
スキャナーチップそのものは口の中に入ります。
奥歯の頬側や舌側、一番奥の歯まで読み取るためには、スキャナーを口の奥へ動かすこともあります。
そのため、嘔吐反射が非常に強い方では、口腔内スキャナーでも反射が起こる可能性があります。
さらに、嘔吐反射は「喉に何か触れた」という物理的な刺激だけで起こるものでもありません。
歯科治療への不安や恐怖、以前のつらかった経験など、心理的な要素が関係する場合もあります。
つまり、「印象材を使わなければ、嘔吐反射そのものがなくなる」わけではないのです。
型取りだけでなく、レントゲン撮影やミラー、歯ブラシなどが口の中に入るだけでもえずきやすい方もいます。
嘔吐反射が強い方が予約時に伝えておくとよいことや、歯科医院で考えられる対応については、受付さんの備忘録「嘔吐反射が強い場合、初診前に相談できる?歯医者でえずきやすい方が予約時に伝えたいこと」でも詳しく紹介しています。
先生に聞いて分かったこと――「楽」と「正確」は別の話でした
私は最初、
「患者さんが楽なら、スキャンを選べばいいのでは?」
と思っていました。
でも、型取りで一番大切なのは、患者さんの負担が少ないことだけではありません。
型取りの本来の目的は、そのあとに作るものに必要な情報を、できるだけ正確に記録することです。
例えば、歯科で「型取り」が必要になるものには、
- 被せ物
- ブリッジ
- 詰め物
- インプラントの被せ物
- マウスピース
- 矯正装置
- 入れ歯
などがあります。
そして、必要になる情報はすべて同じではありません。
被せ物なら、削った歯の形だけではなく、削った部分と削っていない部分の境目を正確に記録する必要があります。
入れ歯なら、歯だけではなく、広い範囲の粘膜や、頬・舌を動かしたときに入れ歯の縁をどこまで伸ばせるかという情報が重要になることもあります。
そこで大切になるのが、
「患者さんにとって楽な方法」と「今回の治療に必要な情報を採りやすい方法」は、必ずしも同じではない
ということでした。

口腔内スキャンが得意なのはどんな型取り?
単冠や比較的小さな範囲の被せ物・ブリッジ
現在の口腔内スキャナーはかなり進歩しています。
特に単冠や比較的小さな範囲のブリッジなど、歯に固定する被せ物を作る場面では、口腔内スキャンが広く利用されています。
2026年の日本補綴歯科学会誌でも、口腔内スキャナーは単冠や小型ブリッジでは従来法と同等以上の精度を示す一方、広い範囲の欠損や深い歯肉縁下では注意が必要であり、症例に応じて印象法を選択することが重要だと整理されています。
つまり、ここでも「新しいから全部デジタル」ではありません。
読み取りたい部分がきちんと見えているケース
口腔内スキャナーが力を発揮しやすい条件の一つが、読み取りたい部分がスキャナーからきちんと見えていることです。
歯ぐきより上にある歯面で、唾液や血液に覆われておらず、スキャナーの光を十分に当てられる。
こうした場所は口腔内スキャンに向いています。
足りない場所だけ追加で読み取りやすい
もう一つ便利なのが、スキャンした範囲を画面上で確認できることです。
口の中をスキャンしていくと、画面上に歯列の3Dデータが少しずつ出来上がっていきます。
もし一部分だけデータが抜けていれば、「ここが足りない」と確認して、その場所へ戻って追加で読み取れることがあります。
口腔内スキャナーがどうやって小さな画像をつなぎ、歯型を3Dデータにしているのかについては、以前の治療見学ノート「口腔内スキャナーで歯型が3Dになるのはなぜ?カメラで読み取る光学印象のしくみ」で詳しく見学しています。
では、口腔内スキャナーが苦手なのはどんな場所?
口腔内スキャナーはとても高性能です。
それでも、何でも読み取れるわけではありません。
今回いろいろ調べてみて、患者さんにも一番分かりやすいと思った説明がこれでした。
スキャナーは「見えないもの」を撮れません。
当たり前のようですが、これがとても重要です。
歯ぐきの奥に隠れた被せ物の境目は読み取りにくい
被せ物を作るために歯を削ったとき、歯科医師が特に正確に記録したい場所の一つが、削った部分と削っていない部分の境目です。
歯科では「フィニッシュライン」や「マージン」と呼ぶ部分です。
この境目が歯ぐきより上にあれば、スキャナーから見えやすいため比較的読み取りやすくなります。
問題は、境目が歯ぐきの内側に入っている場合です。
歯ぐきが覆いかぶさっていると、そのままではスキャナーの光が届きません。
いくら高性能な機械でも、歯ぐきの向こう側を透視しているわけではないからです。
一方、従来の印象材には流動性があります。
歯ぐきを適切に広げて印象材を流し込むことで、材料が歯と歯ぐきの間へ入り、光学的には見えにくい部分の形を記録しやすい場合があります。
だから、「スキャナーが新しいから、従来の型取りより必ず正確」ではありません。
「歯ぐきの下○mmまでならスキャンできる」と単純には決められません
研究では、歯肉縁下1mmや2mmといった位置に境目を設定した歯の模型をスキャンし、精度を調べたものがあります。
模型上では、深い位置でも臨床的に許容できる精度を示した条件があります。
しかし、ここで「2mmまでなら大丈夫」と考えることはできません。
実際の口の中には、
- 歯ぐき
- 唾液
- 出血
- 頬や舌
- 隣の歯
- 歯の削り方
- スキャナーを向けられる角度
- 軟らかい組織の動き
など、模型にはない条件があります。
また、使用するスキャナーによっても、深い場所や細かな形を読み取る特性は同じではありません。
そのため臨床では、「何mmだからスキャン、何mmだから従来印象」と数字だけで分けるのではなく、その場所が実際に見えているか、唾液や出血を管理できているかなども含めて判断します。
先生がスキャン前に「糸」を入れていたのは、このためでした
ここで私は、これまで治療中に何度も見てきた光景を思い出しました。
先生が被せ物の型を採る前に、歯と歯ぐきの境目へ細い糸のようなものを入れることがあります。
これは圧排糸と呼ばれるものです。
以前の私は、
「どうして型取りの前に、わざわざ糸を入れるんだろう?」
と思っていました。
理由の一つは、歯ぐきを一時的に避け、記録したい被せ物の境目を見えやすくするためです。
スキャンの場合には特に、スキャナーの光が必要な場所まで届く状態を作るという意味があります。

型取りの前に歯をどのように整え、なぜ境目を明確にする必要があるのかについては、「型取りの前に歯を整えるのはなぜ?」でも詳しく紹介しています。
私が横でバキュームしていることにも意味があった
そしてもう一つ。
口腔内スキャン中、助手は横でバキュームを持つことがあります。
頬や舌が邪魔にならないようにしながら、唾液を吸います。
必要に応じて、歯面や記録したい場所が見える状態を保ちます。
私は以前、
「スキャナーなのだから、少しくらい濡れていてもカメラで撮れるのでは?」
と思ったことがありました。
でも、光で表面を読み取るスキャナーにとって、唾液や血液によって本来読みたい場所が隠れてしまうことは問題になります。
特に被せ物の境目を読みたいとき、そこへ血液や唾液が入り込めば、記録したい部分そのものが見えにくくなります。
つまり、助手が行っている、
- バキューム
- 唾液の除去
- 頬や舌の排除
- 記録する部分が見えているかの確認
といった操作も、単に先生が治療しやすくするためだけではありません。
できるだけ正確なデジタルデータを採るための環境作りでもあるのです。
治療を見学していて、助手の仕事の見え方が少し変わったところでした。
「カメラなら何でも撮れる」わけではありません
スキャナーが苦手になる条件には、光が入りにくい形もあります。
例えば、
- 歯と歯の間
- 深いくぼみ
- 歯ぐきの奥
- 光が回り込みにくい、くぼんだ形
などです。
こうした場所では、スキャナーをいろいろな方向から向けても、光が届かない「影」ができることがあります。

普通の写真でも、正面から見えない場所を撮影するにはカメラの角度を変えなければなりません。
ところが口の中には、頬、舌、隣の歯があります。
スキャナーを好きな方向から自由に向けられるとは限りません。
つまり、スキャナーそのものの性能だけでは解決できない「口の中の条件」もあるということです。
全部の歯をスキャンするときは「画像をつなぐ距離」も長くなる
口腔内スキャナーは、口全体を一度に一枚の写真として撮っているわけではありません。
小さな範囲を次々に読み取り、ソフトウェアが共通する形を探しながらデータをつないでいきます。
このように小さなデータをつないでいく処理は「スティッチング」と呼ばれます。
短い範囲であれば、歯の溝や山、歯と歯の境目など、特徴的な形を手がかりに画像同士を合わせやすくなります。
一方、読み取る範囲が長くなれば、画像をつないでいく距離も長くなります。
もちろん、現在の口腔内スキャナーは進歩しており、全顎スキャンも実際の臨床で行われています。
ここで「全顎ならスキャンできない」という意味ではありません。
ただし、2026年に発表された10名を対象として6種類の口腔内スキャナーを比較した臨床研究では、6種類のスキャナーはいずれも全顎記録で100μm未満の真度を示した一方、繰り返し測定したときの精密度については、比較対象となった従来の高精度印象の方が高い結果でした。
これは「全顎ではデジタルが使えない」という意味ではありません。
むしろ、現在のスキャナーでも高い精度が得られる一方で、範囲が広くなるほど、症例や機種、求める精度によって従来法を含めて選択する余地が残っていることを示すデータの一つと考えた方がよさそうです。
入れ歯では「歯がないこと」がスキャンを難しくする要因の一つです
「口腔内スキャン一択」と言えない理由がさらに分かりやすくなるのが、入れ歯の型取りです。
ここで誤解してはいけないのは、歯がないから口腔内スキャンができないわけではないということです。
現在は、歯がまったくない無歯顎の顎堤や粘膜を口腔内スキャナーで記録する研究・臨床応用も進んでいます。
ただし、歯がある口の中とは違った難しさがあります。
歯があると「画像をつなぐ目印」がたくさんあります
歯が並んでいる口の中を見てみると、それぞれの歯には、
- 溝
- 山
- 歯と歯の境目
- 丸み
- 角
など、特徴的な形がたくさんあります。
スキャナーのソフトウェアは、こうした特徴を手がかりに小さな画像をつないでいきます。
一方、すべての歯を失った無歯顎では、広い範囲に似た形の粘膜面が続く場所があります。
そのため、歯列をスキャンするときよりも画像同士をつなぐ手がかりが少なくなり、読み取りが難しくなる部分があります。
さらに、粘膜は動きます
口の中の粘膜は、石膏模型のようにじっとしていません。
頬も動きます。
舌も動きます。
口腔底も動きます。
しっかり付着した粘膜は口腔内スキャナーでも記録できますが、動きやすい軟らかい組織の形を安定して記録することは難しい場合があります。
入れ歯の型取りでは「じっとしている形」だけを採るわけではありません
ここが私には特に面白いところでした。
入れ歯の型取りでは、単に歯ぐきの表面をコピーすればよいわけではありません。
入れ歯の縁が、
「どこまで伸びても頬や舌の動きを邪魔しないか」
という情報が重要になることがあります。
そのため、口や舌を動かしながら義歯の縁の形を整える辺縁形成・筋形成という操作を行う場合があります。
口腔内スキャナーは、その瞬間に見えている表面を光学的に記録することは得意です。
一方で、頬や舌などによって動く軟らかい粘膜を、入れ歯の機能に必要な状態で記録することには課題があります。
特に下顎の舌側など、義歯床の縁をどこまで設定するかが難しい場所では、現在でも従来の印象法や、デジタルと従来法を組み合わせた方法が選ばれる場面があります。

つまり、「型取りが苦手だから入れ歯も全部スキャンで」とは、現在のところ単純には言えないのです。
では「オエッとなる人が入れ歯を作る」ときはどうするの?
ここで最初の疑問に戻ります。
もし嘔吐反射が強く、入れ歯を作るために従来印象やデジタルとの併用が適していると判断された場合はどうするのでしょう。
これは患者さんごとに対応を考えます。
例えば、
- どの場面で嘔吐反射が起こるのか確認する
- トレーの大きさや形を調整する
- 印象材や操作方法を検討する
- 一度に無理をせず段階的に進める
- 診療姿勢を工夫する
- 必要に応じて途中で休憩する
- デジタルと従来法を組み合わせる
など、その方の嘔吐反射の程度と、必要な治療内容の両方を見ながら方法を考えます。
嘔吐反射が非常に強い場合には、単なる「型取り方法の問題」ではなく、歯科治療全体への対応が必要になることもあります。
だからこそ、「以前の型取りで吐きそうになった」という情報は、できれば治療を始める前に教えていただけると助かります。
口腔内スキャンと従来の型取り、結局どちらが正確なの?
ここまで読むと、
「じゃあ結局、スキャンと従来の型取りではどちらが正確なの?」
と思われるかもしれません。
でも、これにも一つだけの答えはありません。

| 比較する点 | 口腔内スキャン | 従来の型取り |
|---|---|---|
| 印象材を口に保持 | 光学印象だけで完結する場合は不要 | 必要 |
| 嘔吐反射が強い方の負担 | 軽減できることが多い | 負担になることがある |
| 単冠・小範囲の被せ物 | 得意 | 得意 |
| 歯ぐきより深い境目 | 見える状態を作ることが重要 | 印象材の特性が有利になる場合がある |
| 唾液・出血 | 読み取りに影響するため管理が重要 | こちらも精度に影響するため管理が重要 |
| 一部のデータ不足 | 必要部分だけ追加スキャンしやすい | 状態によって再印象が必要 |
| 全顎 | 機種・範囲・口腔内条件で精度が変わる | 高精度印象が有利になる条件もある |
| 無歯顎・動く粘膜 | 可能だが難しい場面がある | 従来法や併用が有利な場面がある |
| データ保存・共有 | デジタルで行いやすい | 模型化や追加のデジタル化が必要になる場合がある |
大切なのは、「どちらが上か」ではなく、「今回、何を記録しなければならないのか」です。
口腔内スキャンが優れている治療もあれば、従来印象が向いている場面もあります。
両方を組み合わせることが適しているケースもあります。
先生はどうやって「今日はスキャン」「今日は型取り」を決めている?
実際には、患者さんの希望だけでなく、いろいろな条件を確認して型取り方法を決めています。
- 何を作るのか
- 何本分・どこまでの情報が必要なのか
- 被せ物の境目がどこにあるのか
- 歯ぐきの中に深く入っていないか
- 出血や唾液を管理できるか
- スキャナーを必要な方向へ動かせるだけ口を開けられるか
- 嘔吐反射がどの程度あるか
- 歯を失っている範囲はどのくらいか
- 動く粘膜を記録する必要があるか
- その後どのような方法で補綴物を製作するのか
こうした条件を総合して決めます。
型取りをしたあと、技工所でどのような作業が行われ、なぜ完成まで時間が必要なのかについては、「型取りの後、次の予約まで何を待っている?」でも紹介しています。
また、被せ物では歯の形だけでなく、噛み合わせの情報も必要です。「被せ物を作るときの『噛み合わせの型』は何?咬合採得の役割と高さの決め方」も合わせて読むと、型取りが単なる「歯のコピー」ではないことが分かりやすいと思います。
型取りが苦手な方は、最初に教えてください
型取りが苦手だからといって、
「またオエッとなるのが怖いから、歯医者へ行きたくない」
と我慢してしまう必要はありません。
口腔内スキャンが適している治療であれば、従来の型取りより負担を減らせる可能性があります。
一方で、その治療に必要な情報によっては、従来の型取りや両方の方法をおすすめする場合もあります。
そのため、
- 以前の型取りでとてもつらかった
- 口の奥に物が入るとすぐえずく
- レントゲンでもオエッとなる
- 歯ブラシでも奥歯を磨くと吐きそうになる
などがあれば、分かる範囲で診療前に教えてください。
広島市中区立町のブランデンタルクリニックは、立町駅徒歩1分、立町中央ビル4階にあります。4階まではエレベーターをご利用いただけます。
ご予約時や診療前に「型取りが苦手です」とお伝えいただければ、診察内容と治療目的を確認したうえで、口腔内スキャンが適しているか、従来の印象が必要かを検討します。
また、痛みや腫れなど急な症状もある場合は当日の電話受付も可能です。診療状況に応じて急患の同日対応も可能ですので、急を要する場合は電話でご相談ください。
見学して分かったこと――最新機器があるからこそ「使わない判断」もある
今回、私は最初、
「口腔内スキャナーがあるなら、型取りが苦手な患者さんには全部それを使えばいいのに」
と思っていました。
でも治療を見ているうちに、考え方が変わりました。
口腔内スキャナーは、とても便利な道具です。
印象材を口いっぱいに入れる必要がなくなることで、型取りが苦手な患者さんの負担を大きく減らせることがあります。
必要な場所を画面で確認しながら追加で読み取りやすく、データを保存・共有しやすいことも大きな利点です。
でも、口腔内スキャナーは魔法のカメラではありません。
見えている表面を、光で読み取る機械です。
歯ぐきに隠れていれば、見える状態を作る必要があります。
血液や唾液に覆われていれば、それを管理する必要があります。
広い範囲になれば、たくさんの画像を正しくつなげる必要があります。
動く粘膜や義歯の縁を記録しなければならない入れ歯では、従来法や両方の方法を組み合わせることが力を発揮する場面もあります。
一方の従来印象も、単に「古い方法だから残っている」のではありません。
材料そのものが歯や粘膜へ触れ、その形を写し取る方法だからこそ得意な条件があります。

だから先生が見ているのは、
「デジタルかアナログか」ではなく、「この患者さん、この歯、この治療には、どの方法が一番合っているか」
なのだと思います。
最新の口腔内スキャナーがある医院で、あえて従来の型取りをすることがある。
以前なら少し不思議に思ったかもしれません。
でも今は、新しい機械を持っていることと、何でもその機械で行うことは別なんだと分かるようになりました。
型取りでつらかった経験がある方は、どうぞ遠慮せず診療前に教えてください。
最初から「スキャンでできます」と決めるのではなく、何を作るための型取りなのか、どこまでの情報が必要なのかまで確認したうえで、その方に合った方法を考えていくことが大切です。
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