更年期に口が乾く・舌がヒリヒリする方へ:ドライマウスと毎日のやさしいケア|広島市中区立町の歯医者(紙屋町、八丁堀、袋町からすぐ)|ブランデンタルクリニック|土曜日、日曜日、祝日診療

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更年期に口が乾く・舌がヒリヒリする方へ:ドライマウスと毎日のやさしいケア

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2026年6月19日

更年期に口が乾く・舌がヒリヒリする方へ:ドライマウスと毎日のやさしいケア

(歯科衛生士のある日の日誌)

はじめに

こんにちは。ブランデンタルクリニックの歯科衛生士です。

「最近、口の中が乾きやすい」「舌がヒリヒリする」「夜中に口が乾いて目が覚める」
更年期の時期に、このようなお悩みを感じる方は少なくありません。

口の乾きは、ただ水分が足りないだけとは限りません。唾液には、口の中をうるおすだけでなく、むし歯や歯周病を防ぐ、粘膜を守る、食べ物を飲み込みやすくする、口臭を抑えるなど、たくさんの働きがあります。そのため、乾きが続くと、舌のヒリヒリ感、口臭、味の違和感、食べにくさ、話しにくさにつながることもあります。

更年期だから仕方ない、と我慢しなくて大丈夫です。毎日のケアで楽になることもありますし、歯科で確認した方がよい原因が隠れていることもあります。

更年期に口の乾きやヒリヒリ感を感じることがあります

更年期は、女性ホルモンの変化に伴って、体のさまざまな部分に変化が出やすい時期です。汗をかきやすい、眠りが浅い、気分が揺れやすい、疲れやすいといった全身の変化と同じように、口の中にも違和感が出ることがあります。

たとえば、口が乾く、舌がピリピリする、口の中がネバネバする、味が分かりにくい、歯ぐきが腫れやすい、口臭が気になる、といった症状です。

ただし、大切なのは「更年期だから」と決めつけすぎないことです。口の乾きには、薬の影響、ストレス、口呼吸、睡眠時の開口、糖尿病、貧血、シェーグレン症候群、口腔カンジダ症、舌痛症、粘膜疾患など、いくつもの原因が関係することがあります。

更年期は、口の変化に気づきやすいタイミングです。だからこそ、「年齢のせい」と片づけず、今のお口に合ったケアを見直すきっかけにしていただければと思います。

【更年期と口腔の健康について詳しく知りたい方はこちら】

唾液は「ただの水分」ではありません

唾液というと、口をうるおす水分のように思われがちですが、実はお口を守る大切な働きをしています。

唾液は、食べ物をまとまりやすくして飲み込みを助けます。口の中の汚れを洗い流し、細菌が増えすぎないように働きます。さらに、歯の表面から溶け出した成分を戻す「再石灰化」にも関係しています。粘膜を保護し、話す・食べる・飲み込むといった日常の動きも支えています。

そのため、唾液が少なくなったり、唾液の質が変わったりすると、口の中が乾くだけでなく、むし歯が増えやすい、歯ぐきが荒れやすい、口内炎ができやすい、舌が痛い、入れ歯がこすれて痛い、口臭が強くなる、食事がしにくいといった困りごとにつながることがあります。

口が乾くのに、唾液が出ているように見えることもあります

患者さんから「乾くのに、見た目ではそんなに乾いていないと言われたことがある」と聞くことがあります。

実は、口の乾きには、患者さんが感じる「乾燥感」と、検査で分かる「唾液の分泌量低下」があります。この二つは重なることもありますが、必ず同じではありません。

唾液量が明らかに少なくなっている方もいれば、唾液量の測定値は大きく低下していなくても、舌のヒリヒリ感やネバつき、灼けるような違和感を強く感じる方もいます。

だからこそ、「見た目に大きな異常がないから大丈夫」とは言い切れません。つらさがある場合は、症状の出方、時間帯、食事との関係、服用中のお薬、口呼吸、ストレス、粘膜の状態などを一緒に確認していくことが大切です。

舌のヒリヒリは、ドライマウスだけとは限りません

舌がヒリヒリする、ピリピリする、灼けるように痛いという症状は、ドライマウスで起こることがあります。乾燥によって粘膜が刺激を受けやすくなり、歯みがき粉、辛いもの、酸味の強いもの、熱い飲み物などがしみやすくなることもあります。

一方で、舌のヒリヒリ感には別の原因が関係していることもあります。口腔カンジダ症、口内炎、義歯や被せ物の刺激、歯の鋭い部分によるこすれ、貧血、亜鉛不足、ビタミン不足、糖尿病、薬の影響、舌痛症、口腔粘膜の病気などです。

そのため、舌がヒリヒリする場合は、「乾いているから保湿だけすればよい」と単純に考えず、粘膜に赤みや白い苔のようなものがないか、傷がないか、被せ物や入れ歯が当たっていないか、味覚の変化がないかも確認します。

特に、ヒリヒリが2週間以上続く、白い部分や赤いただれがある、片側だけ強い違和感がある、食事がしにくいほど痛い、急に症状が強くなった、という場合は早めに歯科で相談してください。

【口腔粘膜の病気について詳しく知りたい方はこちら】

夜中や朝に乾く方は、口呼吸や睡眠中の開口も関係します

日中よりも、夜中や朝起きた時に口の乾きを強く感じる方もいます。

睡眠中は唾液の分泌が少なくなります。さらに、鼻づまり、口呼吸、いびき、睡眠中に口が開く癖があると、口の中の水分が蒸発しやすくなります。夜中に水を飲むために目が覚める、朝に舌やのどが乾く、起床時の口臭が強いという場合は、睡眠中の乾燥も考えます。

ただし、自己判断で口を強く閉じるテープなどを使うことはおすすめしません。鼻づまりや睡眠時無呼吸がある方では、かえって危険な場合があります。鼻の通りが悪い、いびきが強い、日中の眠気が強い方は、耳鼻科や医科との連携が必要になることもあります。

歯科では、口の乾きだけでなく、歯ぎしり・食いしばり、口呼吸の癖、口腔内の乾燥、歯ぐきの炎症、むし歯の増え方なども見ながら、ケアの方向を考えます。

薬の影響が関係することもあります

更年期以降は、血圧の薬、アレルギーの薬、睡眠に関する薬、気分を整える薬、痛み止め、胃腸の薬など、何らかのお薬を飲む機会が増える方もいます。

薬の中には、副作用として口の乾きが出るものがあります。もちろん、薬は体のために必要があって処方されていますので、口が乾くからといって自己判断で中止してはいけません。

大切なのは、「薬が悪い」と考えることではなく、今の症状と服用中のお薬を一緒に確認することです。歯科でお薬手帳を確認し、必要に応じて処方医の先生と相談しながら、口腔保湿やむし歯予防、歯周病管理を行っていきます。

薬剤性口腔乾燥症については、専門的な判断が必要になることもあります。詳しい内容は院長コラムでも解説しています。

【薬剤性口腔乾燥症について詳しく知りたい方はこちら】

毎日のケアは「刺激を減らして、うるおいを守る」ことから

更年期の口の乾きやヒリヒリ感がある時は、強いケアを足すよりも、まず刺激を減らすことが大切です。

歯みがきは、強くこすりすぎないようにします。歯ブラシはやわらかめを選び、歯と歯ぐきの境目に毛先をやさしく当てます。舌がヒリヒリする時は、舌をゴシゴシこする舌みがきは控えめにしましょう。舌苔が気になる場合も、力を入れず、必要な範囲で行います。

歯みがき粉は、刺激の強い香味や発泡感がつらい場合があります。しみる、痛い、ピリピリする時は、低刺激のものに変えると楽になることがあります。むし歯予防のためにはフッ素入り歯みがき粉を使うことも大切ですが、痛みが強い時は、どの製品が合うか歯科衛生士に相談してみてください。

洗口液を使う場合は、アルコール入りのものや刺激が強いものがしみることがあります。口が乾く方は、爽快感の強さよりも、低刺激で続けやすいものを選ぶ方が安心です。

水分はこまめにとりましょう。ただし、砂糖入りの飲み物や酸性の強い飲み物を頻繁に飲むと、むし歯や酸蝕のリスクが上がることがあります。日常的な水分補給は、水やお茶などを中心にし、口の中を乾かしやすいアルコールやカフェインの取りすぎにも注意します。

唾液を促すために、無糖のガムやタブレットが役立つ方もいます。噛むことで唾液腺が刺激され、口の中がうるおいやすくなります。ただし、顎が痛い方、入れ歯が不安定な方、詰め物が外れやすい方は、無理に噛み続けないようにしてください。

口腔保湿ジェルや保湿スプレー、人工唾液のような保湿用品が合う方もいます。特に夜間の乾きがつらい方は、寝る前に保湿剤を使うことで楽になる場合があります。どれを選べばよいか迷う時は、歯科で相談してください。

乾きがある時ほど、むし歯と歯周病のチェックが大切です

口が乾くと、歯の表面を洗い流す力が弱くなります。そのため、以前と同じ食生活・同じ歯みがきでも、むし歯や歯ぐきの炎症が進みやすくなることがあります。

特に注意したいのは、歯と歯ぐきの境目、被せ物や詰め物の周り、歯と歯の間、奥歯の溝です。乾燥がある方は、根元のむし歯や、被せ物の境目のむし歯が進みやすくなることもあります。

また、口の中が乾くと、汚れが停滞しやすくなり、口臭や歯ぐきの腫れにつながることもあります。口臭が気になる方は、胃腸だけでなく、お口の乾燥や舌苔、歯周病、むし歯も確認しておきましょう。

【口臭の原因について詳しく知りたい方はこちら】

歯科では何を確認するのか

口の乾きや舌のヒリヒリで受診された場合、歯科ではまずお話を丁寧に伺います。

いつから乾くのか、朝・夜・食事中のどのタイミングで強いのか、舌が痛いのか、のども乾くのか、味が変わったのか、口内炎ができやすいのか、目の乾きや全身の症状があるのか、服用中のお薬があるのか、生活の中でストレスや睡眠の変化があるのかを確認します。

そのうえで、口腔内を見て、粘膜の乾燥、舌の状態、歯ぐきの炎症、むし歯、被せ物や入れ歯の刺激、カンジダが疑われる所見などを確認します。必要に応じて、唾液の量を調べたり、医科への相談をおすすめしたりすることもあります。

歯科衛生士としては、患者さんが毎日続けられるケアを一緒に考えることが大切だと思っています。完璧なケアを一気に目指すより、「今の生活の中で無理なくできること」を一つずつ増やしていく方が、長く続きます。

受診の目安

口の乾きは、軽い時には生活習慣の見直しで楽になることもあります。しかし、次のような場合は歯科で相談してください。

口の乾きが2週間以上続く場合。舌のヒリヒリや灼けるような痛みが続く場合。食事や会話がつらい場合。口内炎、白い苔、赤いただれ、出血がある場合。むし歯が急に増えたように感じる場合。夜間の乾きで何度も目が覚める場合。お薬を飲み始めてから口の乾きが強くなった場合。

「この程度で相談していいのかな」と思う段階で大丈夫です。乾きやヒリヒリは、患者さんご本人にしか分からないつらさがあります。見た目だけで判断せず、困っていることをそのままお伝えください。

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おわりに

更年期に口が乾く、舌がヒリヒリする、口の中がネバネバする。こうした症状は、年齢のせいだけで片づける必要はありません。

もちろん、更年期の体の変化が関係することもあります。しかし、薬の影響、口呼吸、睡眠、ストレス、むし歯や歯周病、粘膜の病気、全身状態など、さまざまな要因が重なっていることもあります。

大切なのは、「我慢すること」ではなく、「今のお口の状態を知ること」です。

ブランデンタルクリニックでは、広島市中区立町で、患者さんのお口の乾きや粘膜の違和感、毎日のケアについてもご相談をお受けしています。気になる症状がある方は、LINE・WEB予約・お電話からご相談ください。

【立町中央ビル4階の歯医者へ初めて来院される方はこちら】

FAQ

Q1. 更年期で口が乾くのは普通ですか?

更年期の時期に口の乾きや舌のヒリヒリ感を感じる方はいます。ただし、「更年期だから普通」「年齢のせいだから仕方ない」と決めつける必要はありません。薬の影響、口呼吸、ストレス、睡眠、全身疾患、粘膜の病気などが関係することもあります。乾きが続く場合は、歯科で一度確認しておくと安心です。

Q2. 舌がヒリヒリするのはドライマウスですか?

ドライマウスで舌がヒリヒリすることはあります。乾燥によって粘膜が刺激を受けやすくなるためです。ただし、舌痛症、口腔カンジダ症、口内炎、義歯や被せ物の刺激、栄養状態、薬の影響など、別の原因が関係することもあります。症状が続く場合は、保湿だけで様子を見るのではなく、歯科で粘膜の状態を確認しましょう。

Q3. 水をたくさん飲めばドライマウスは治りますか?

水分補給は大切ですが、水を飲むだけで解決するとは限りません。唾液には、歯や粘膜を守る成分や、汚れを洗い流す働きがあります。単に水でぬらすだけでは、唾液の働きを完全に代わりにすることはできません。こまめな水分補給に加えて、保湿剤、無糖ガム、低刺激の口腔ケア、むし歯・歯周病予防を組み合わせることが大切です。

Q4. 市販の口腔保湿ジェルやスプレーを使ってもいいですか?

使ってよい場合が多いですが、製品によって使用感や刺激の強さが違います。舌がヒリヒリする方は、香味が強いものやアルコール感のあるものがしみることもあります。寝る前の乾きがつらい方には、保湿ジェルが合うこともあります。どれを選べばよいか分からない場合は、歯科衛生士に相談してください。

Q5. 薬が原因かもしれない時は、薬をやめてもいいですか?

自己判断で薬をやめるのは避けてください。血圧、睡眠、アレルギー、気分、痛みなどのお薬は、体の状態を保つために必要なことがあります。口の乾きが薬と関係していそうな場合は、お薬手帳を持って歯科で相談してください。必要に応じて、処方医の先生と連携しながら、口腔保湿やむし歯予防を行います。

Q6. どのタイミングで歯科に相談すればよいですか?

口の乾きや舌のヒリヒリが2週間以上続く場合、食事や会話がつらい場合、白い苔・赤いただれ・出血がある場合、むし歯や口臭が気になる場合は相談の目安です。夜中に乾いて何度も目が覚める場合や、薬を飲み始めてから乾きが強くなった場合も、早めに確認しておくと安心です。

参考資料

須佐岳人ほか「ドライマウス(口腔乾燥症)の基礎と臨床」北関東医学 2024

大滝千智ほか「更年期女性における口腔の健康とQOLおよび口腔保健行動に関連した要因」千葉県立保健医療大学紀要 2017

奥野健太郎ほか「大阪歯科大学附属病院ドライマウス外来における初診患者の特徴」歯科医学 2019

池田裕子ほか「ドライマウス患者における睡眠の質の評価とその低下に関連する因子」歯科薬物療法 2014

三輪恒幸ほか「口腔乾燥症(ドライマウス)の臨床統計的検討」日本口腔検査学会雑誌 2009

中村誠司「ドライマウスの分類と診断」日本口腔外科学会雑誌 2009

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