2024年10月11日

(歯科衛生士さんのある日の日誌)

はじめに:シーラントは「奥歯の深い溝」を守る予防処置です
子どもの奥歯は、大人が思っている以上に虫歯になりやすい場所です。特に、生えたばかりの6歳臼歯や乳歯の奥歯は、噛む面の溝が深く、歯ブラシの毛先が届きにくいことがあります。
シーラントは、その奥歯の溝に歯科用の材料を流し込み、汚れがたまりにくい形に整える予防処置です。虫歯を削って詰める治療ではなく、虫歯になる前の歯を守るために行います。
ただし、シーラントをすれば絶対に虫歯にならない、というものではありません。歯と歯の間、歯ぐきの近く、シーラントが外れた部分などは、これまで通り注意が必要です。毎日の歯磨き、仕上げ磨き、フッ素の活用、定期検診を組み合わせることで、子どもの奥歯をより守りやすくなります。

シーラントとは?奥歯の溝を歯科用材料で浅くする処置です
奥歯の噛む面には、細い溝があります。この溝は「小窩裂溝」と呼ばれ、食べかすやプラークが残りやすい場所です。大人でも磨きにくい場所ですが、子どもの場合は手先の動きがまだ発達途中で、奥まで歯ブラシを当てることが難しいことがあります。
シーラントは、この溝に歯科用の樹脂などを薄く流し込んで、溝を浅くする処置です。溝がなだらかになることで、汚れがたまりにくくなり、歯磨きもしやすくなります。
イメージとしては、深く細い溝を「ふさぐ」というより、汚れが入り込みにくい形に整える予防処置です。歯の表面をすべて覆うわけではなく、主に奥歯の噛む面の溝を守るために行います。

どの歯にシーラントをすることが多い?
シーラントの対象になりやすいのは、6歳前後に生えてくる第一大臼歯、いわゆる6歳臼歯です。6歳臼歯は、子どもの歯の一番奥に生えてくるため、保護者の方が生えてきたことに気づきにくいことがあります。
また、生えたばかりの永久歯は、まだ歯の質が成熟しきっておらず、虫歯の影響を受けやすい時期です。さらに、歯の一部だけが歯ぐきから出ている途中は、歯ブラシが当たりにくく、汚れが残りやすくなります。
乳歯の奥歯も、溝が深い場合や虫歯リスクが高い場合には、シーラントを検討することがあります。ただし、すべての子どもに必ず行うものではありません。歯の形、磨きやすさ、虫歯のなりやすさ、生え方、仕上げ磨きの状況などを確認して、必要性を判断します。

シーラントは痛い?歯を削るの?
保護者の方からよく聞かれるのが、「シーラントは痛いですか?」「歯を削るのですか?」という質問です。
シーラントは、基本的には虫歯を削る治療ではありません。多くの場合、麻酔を使わずに行います。処置の流れとしては、まず奥歯の溝をきれいに清掃し、しっかり乾かします。そのあと、材料がくっつきやすいように歯の表面を処理し、歯科用材料を溝に流し込み、光で固めます。最後に、噛み合わせに違和感がないかを確認します。
処置中は、口を開けていることや、水・風が当たることが苦手なお子さんもいます。そのため、ブランデンタルクリニックでは、できるだけお子さんの様子を見ながら、何をするのかを伝えながら進めることを大切にしています。
ただし、すでに虫歯が進んでいる場合は、シーラントではなく虫歯治療が必要になることがあります。シーラントは「虫歯になる前の予防」が中心です。黒く見える、穴がある、しみる、噛むと痛いなどの症状がある場合は、まず診査が必要です。

シーラントをしても歯磨きは必要です
シーラントをしたあとも、歯磨きは必要です。むしろ、シーラントをしたからこそ、定期的に状態を確認しながら、歯磨きや仕上げ磨きを続けることが大切です。
シーラントが守りやすいのは、主に奥歯の噛む面の溝です。一方で、歯と歯の間、歯ぐきの近く、奥歯の側面までは守れません。甘い飲み物をだらだら飲む習慣がある場合や、夜の仕上げ磨きが不十分な場合は、シーラントをしていても虫歯になることがあります。
また、シーラントの周囲に汚れが残ったり、材料が一部欠けたり外れたりすると、その部分に汚れがたまりやすくなることもあります。そのため、定期検診で「シーラントが残っているか」「外れかけていないか」「周囲に虫歯ができていないか」を確認することが大切です。

フッ素・歯磨き・シーラントは、それぞれ役割が違います
シーラントとフッ素は、どちらも虫歯予防に使われますが、役割は同じではありません。
フッ素は、歯の質を虫歯に強くするために役立ちます。フッ素入り歯磨き粉や歯科医院でのフッ素塗布は、歯全体の虫歯予防を考えるうえで大切です。
一方、シーラントは、奥歯の溝に汚れが入り込みにくくするための処置です。つまり、フッ素が「歯の質を支える予防」だとすれば、シーラントは「奥歯の溝の形を守りやすくする予防」と考えると分かりやすいです。
そして、歯磨きや仕上げ磨きは、毎日たまるプラークを落とすために欠かせません。どれか一つだけを選ぶのではなく、フッ素、歯磨き、シーラント、定期検診を組み合わせることで、子どもの虫歯予防はより安定します。

シーラントが外れたらどうすればいい?
シーラントは、一度つけたら一生そのまま残るものではありません。噛む力、歯ぎしり、食事、歯の生え方などによって、少しずつすり減ったり、一部が外れたりすることがあります。
外れたからといって、すぐに大きな問題になるとは限りません。ただし、外れた部分に汚れが入りやすくなっていることもあるため、気づいた場合は定期検診や受診時に確認するのがおすすめです。
保護者の方が見ても、シーラントが残っているかどうかは分かりにくいことがあります。白っぽく見えることもあれば、歯の色になじんで分かりにくいこともあります。無理にご家庭で判断せず、検診のときに「シーラントはまだ残っていますか?」と聞いていただければ大丈夫です。
保険でできる?費用はどうなる?
シーラントは、保険診療で行える場合があります。ただし、年齢、歯の状態、虫歯リスク、保険制度上の条件などによって扱いが変わることがあります。
そのため、「必ず保険でできます」と一律に判断するのではなく、実際にお口の中を確認したうえで、対象になるかどうかを説明します。気になる場合は、予約時や診察時に「シーラントを相談したい」と伝えてください。
また、すでに虫歯がある場合は、シーラントではなく虫歯治療が必要になることがあります。予防処置でよいのか、治療が必要なのかを見極めるためにも、まずは歯科医院で確認することが大切です。
こんなときはシーラントの相談をおすすめします
6歳臼歯が生えてきた、奥歯の溝が深いと言われた、仕上げ磨きをしても奥歯に汚れが残りやすい、きょうだいに虫歯が多い、甘いものを食べる機会が多い。このような場合は、シーラントを含めた虫歯予防の相談をしてもよいタイミングです。
特に6歳臼歯は、これから長く使っていく大切な永久歯です。生えたばかりの時期は、歯ぐきに一部が隠れていて磨きにくいこともあります。完全に生えそろうまでの間、保護者の方が気づかないうちに汚れがたまり、虫歯が進んでしまうこともあります。
「まだ小さいから大丈夫」と思っている時期こそ、予防の相談が役立ちます。シーラントをするかどうかだけでなく、フッ素の使い方、歯ブラシの当て方、仕上げ磨きの姿勢、間食の取り方まで一緒に確認できます。

広島市中区立町で子どもの虫歯予防を相談したい方へ
ブランデンタルクリニックでは、子どもの虫歯予防として、歯の状態の確認、シーラントの相談、フッ素塗布、歯磨き指導、仕上げ磨きのアドバイスなどを行っています。
シーラントは、奥歯の溝を守るための大切な選択肢ですが、それだけで虫歯を完全に防ぐものではありません。お子さんの年齢、歯の生え方、磨き方、生活習慣に合わせて、無理なく続けられる予防方法を一緒に考えることが大切です。
広島市中区立町、紙屋町・八丁堀・袋町周辺で、お子さんの奥歯の虫歯予防や6歳臼歯のチェックを相談したい方は、お気軽にご相談ください。ご予約はWEB予約、公式LINE、お電話から受け付けています。
よくある質問
Q. シーラントは何歳からできますか?
シーラントは、年齢だけで決めるものではありません。奥歯がどのくらい生えているか、溝の形がどうなっているか、虫歯リスクが高いかどうかを見て判断します。6歳前後に生えてくる6歳臼歯は、相談のきっかけになりやすい歯です。
Q. シーラントは痛いですか?
多くの場合、シーラントは歯を大きく削る処置ではなく、麻酔を使わずに行います。ただし、口を開けていることや、水・風が当たることが苦手なお子さんもいます。不安が強い場合は、事前に受付や診療時にお伝えください。
Q. シーラントをすれば虫歯になりませんか?
シーラントは奥歯の溝の虫歯予防に役立ちますが、虫歯を完全に防ぐものではありません。歯と歯の間、歯ぐきの近く、シーラントが外れた部分などは虫歯になる可能性があります。毎日の歯磨き、仕上げ磨き、フッ素、定期検診を組み合わせることが大切です。
Q. シーラントは取れることがありますか?
あります。噛む力や食事、歯ぎしり、歯の生え方によって、シーラントがすり減ったり一部外れたりすることがあります。外れた場合は、必要に応じて再処置を検討します。定期検診で状態を確認しましょう。
Q. フッ素塗布とシーラントはどちらが大切ですか?
どちらか一方だけを選ぶというより、役割が違います。フッ素は歯の質を支える予防、シーラントは奥歯の溝を守る予防、歯磨きは汚れを落とす予防です。お子さんの状態に合わせて組み合わせることが大切です。
Q. 虫歯がある歯にもシーラントできますか?
すでに虫歯が進んでいる歯では、シーラントではなく虫歯治療が必要になることがあります。見た目だけでは判断が難しい場合もあるため、まずは診察で確認します。
Q. 予約のときは何を伝えればよいですか?
「6歳臼歯が生えてきたので見てほしい」「奥歯の溝が深いと言われた」「シーラントを相談したい」「子どもが歯医者を怖がりやすい」などを伝えていただくと、当日の確認がスムーズです。小さなお子さんの場合は、年齢、症状、歯磨きで困っていることも一緒に伝えてください。

