2026年9月23日

(院長の徒然コラム)

はじめに
こんにちは。ブランデンタルクリニックの受付です。
診察が終わったあと、先生から、
「一度、大学病院で診てもらいましょう」
「広島大学病院をご紹介しますね」
と言われたら、その次に気になることがありますよね。
「大学病院の予約って、自分で電話するの?」
普段の歯医者なら、患者さん自身がWEBやLINE、電話で予約することが多いと思います。
ところが、歯科医院から大学病院へ「紹介」で受診する場合は、同じとは限りません。
患者さん自身が予約する病院もあれば、紹介元の歯科医院から予約を申し込む病院もあります。同じ病院でも、診療科によって予約方法が違うこともあります。
たとえば、広島大学病院の歯科を通常の地域連携ルートで紹介する場合、現在は紹介元の医療機関から予約を申し込む仕組みになっています。
ですから、
「紹介状をもらったら、自分で大学病院へ電話すればいい」
とは限りません。
反対に、
「紹介状をもらったから、大学病院の予約も全部終わっている」
とも限らないんです。
今回は、歯医者から大学病院を紹介されたあと、誰が予約するのか、予約日はどう決まるのか、予定を変更したいときはどこへ連絡するのかを、広島大学病院への紹介を具体例にしながら受付目線で整理します。
まず大切なのは「紹介状」と「予約」は別ということ
大学病院への紹介が決まったあとには、いくつかの手続きがあります。
- 歯科医師が紹介先を決める
- 紹介状を作成する
- 紹介先へ予約を申し込む
- 大学病院側で診療科や日時を調整する
- 予約日時が決まる
- 患者さんへ受診日時や持ち物を案内する
このため、
「紹介状はできているけれど、予約日はまだ決まっていない」
ということはあり得ます。
紹介状、正式には診療情報提供書は、これまでの症状や治療経過、紹介する目的などを紹介先へ伝えるためのものです。
一方、予約は「いつ、どの診療科で診てもらうか」を決める手続きです。
この2つは関連していますが、同じものではありません。
そもそも、なぜ歯科医院から大学病院や市民病院へ紹介することがあるのかについては、「歯科治療で紹介状が必要になるのはどんな時?大学病院・市民病院と連携する理由を受付目線で解説」でも詳しくご紹介しています。
今回はその続きとして、「紹介すると決まった、そのあと」に焦点を当てます。
大学病院を紹介されたら、患者さんが自分で予約するの?
これは、病院や診療科によって違います。
紹介元の医療機関から予約を申し込む病院もあれば、紹介状を受け取った患者さん自身が予約センターなどへ連絡する病院もあります。
さらに、同じ大学病院でも診療科によって方法が異なる場合があります。
広島大学病院でも、地域連携による通常の紹介予約では医療機関から申し込みますが、矯正歯科では、地域連携室を介した紹介とは別に、患者さん自身が初診相談ダイヤルなどへ電話して予約する方法も公式に案内されています。
つまり、
「広島大学病院だから全部同じ予約方法」
というわけでもありません。
紹介されたときには、
「予約は自分で取りますか?医院から申し込んでもらえますか?」
と確認していただいて大丈夫です。
さらに、
「予約日が決まったら、どこから連絡がありますか?」
まで聞いておくと、その後の流れが分かりやすくなります。
広島大学病院の歯科を地域連携で紹介する場合は、紹介元から予約します
では、広島大学病院への地域連携による歯科紹介では、実際にどのように予約が進むのでしょうか。
広島大学病院では、地域連携による受診申し込みは医療機関から受け付けています。
歯科をFAXによる地域連携ルートで紹介する場合、紹介元医療機関から、「紹介・予約申込書」と「診療情報提供書のコピー」を送り、予約を申し込みます。
患者さんから見ると、診察室で「大学病院へ紹介します」と言われたところまでは分かっても、そのあと医院側で何をしているのかは見えにくいかもしれません。
実際には、紹介元の歯科医院から、どのような症状があり、何を目的に、どの診療科へ紹介したいのかという医療情報を大学病院へ伝えながら予約調整をお願いしています。
つまり、単に「空いている時間を一枠取る」だけの予約とは少し違うんですね。

広島大学病院への紹介予約はどう進む?
① 歯科医師が病院への紹介を判断します
診察や検査の結果、より専門的な診査が必要な場合や、治療の難易度が高い場合、病院の設備を利用した方がよい場合、全身状態への配慮が必要な場合などに、大学病院や総合病院をご紹介することがあります。
ただし、大学病院を紹介されたという事実だけで、病気の重さが決まるわけではありません。
② 紹介状を作成します
紹介先でこれまでの経過を把握できるように、診療情報提供書を作成します。
必要に応じて、症状や経過、診断、これまでに行った治療、紹介目的、持病や服薬などの情報を紹介先へ伝えます。
レントゲンやCTなどの画像情報を一緒に引き継ぐこともあります。
③ 紹介元から広島大学病院へ予約を申し込みます
広島大学病院の歯科を通常の地域連携ルートで紹介する場合は、紹介元医療機関から予約を申し込みます。
このルートで手続きしている場合、患者さんが紹介状を受け取った直後に、別途ご自身で大学病院へ予約を取る必要はありません。
ただし、矯正歯科など診療科独自の予約方法が用意されている場合もありますので、実際には紹介時の案内に従ってください。
④ 大学病院側で診療科・担当・日時を調整します
紹介の申し込みを受けた広島大学病院側では、紹介内容を確認しながら予約を調整します。
大学病院は専門性の高い診療科に分かれているため、適切な診療科や担当医を決めるために症状などを検討し、そのうえで日程調整を行う場合があります。
ここも、普段のWEB予約などとは少し違うところです。
「今日紹介されたのに、予約日がまだ分からない」こともあります
ここは患者さんが不安になりやすいところだと思います。
診察で「大学病院へ紹介します」と言われたのに、その日の帰りにはまだ予約日が決まっていない。
そうすると、
「本当に予約してもらえているのかな?」
と思うかもしれません。
広島大学病院が公表している紹介患者の予約調整の目安では、歯科は歯科チェア予約のため、予約日決定まで2~3日かかるとされています。
ここで大切なのは、
「2~3日後に大学病院を受診できる」という意味ではない
ということです。
あくまで、大学病院側で「何月何日に受診してもらうかという予約日を決めるまで」の目安です。
実際の受診日は、診療科や担当医、予約状況などによって変わります。
そのため、その日のうちに予約日時が決まらない=予約手続きが止まっているとは限りません。
紹介元から「大学病院から予約の返事が来たらご連絡しますね」と説明された場合は、大学病院側で予約調整中ということがあります。

予約が決まると、予約票が紹介元へ返ってきます
広島大学病院では、地域連携による紹介予約の日程が決まると、予約日時を記載した「予約票」が紹介元医療機関へ返されます。
紹介元ではその内容を確認し、患者さんへ予約日時などをご案内します。
患者さんから見ると「予約日を教えてもらった」という一つの出来事ですが、その裏では、
紹介元歯科医院 → 広島大学病院 → 紹介元歯科医院 → 患者さん
という情報のやり取りが行われています。
予約日時はどこから連絡される?紹介されたときに確認を
「大学病院から直接電話が来ると思って待っていた」という行き違いも避けたいところです。
広島大学病院の通常の地域連携による歯科紹介では、予約票が紹介元医療機関へ返され、その後、紹介元から患者さんへ予約日時を伝える流れがあります。
一方で、先ほどお話ししたように、診療科によっては患者さん自身が予約する方法もあります。
そのため、紹介された際には、
「予約が決まったら、どこから連絡がありますか?」
と確認しておくと安心です。
広島大学病院の予約を変更したいときは、まず紹介元へ
予約日は決まったけれど、「その日に仕事が入ってしまった」「どうしても外せない予定ができた」ということもあります。
そんなとき、
「大学病院の予約だから、大学病院へ直接電話すればいい」
と思うかもしれません。
しかし、広島大学病院の地域連携による紹介予約では、予約変更やキャンセルについても紹介元医療機関から連絡する運用になっています。
広島大学病院は、病状によって受診日の判断が必要になるため、患者さんからの直接の予約変更・キャンセルは受け付けていないと案内しています。
地域連携で取った予約の場合は、まず紹介元の歯科医院へご連絡ください。
ここは通常の歯科予約とは少し違うところです。

予約が決まったら、当日の持ち物も確認しましょう
大学病院の予約が決まったら、次は受診の準備です。
広島大学病院が地域連携による受診当日に必要な書類として案内しているのは、次のものです。
- 広島大学病院からの予約票
- 紹介元医療機関からの紹介状(診療情報提供書)
- マイナンバーカード、または資格確認書
- 広島大学病院を受診したことがある方は診察券
- 必要な各種医療受給者証
これとは別に、紹介内容によっては、お薬の情報やレントゲン・CTなどの資料について案内されることがあります。
画像情報を大学病院へ提供する場合、広島大学病院ではDICOM共通規格のCD・DVDを案内しています。
すべての患者さんが同じ追加資料を持参するわけではありませんので、紹介元から受けた案内を確認することが一番大切です。
他院で撮影したレントゲンや紹介状などの資料については、「他院で撮ったレントゲンや紹介状は必要?持参できる資料と受付で確認すること」も参考にしてみてください。

大学病院を紹介された=かなり重症、とは限りません
「大学病院」と聞くと、
「そんなに悪い状態なの?」
「大きな手術になるの?」
と心配になる方もいらっしゃると思います。
しかし、大学病院へ紹介されたことだけで病気の重さを判断することはできません。
広島大学病院の歯科保存診療科が2025年に報告した調査では、2023年度の初診患者419人のうち331人が紹介患者で、紹介率は79.0%でした。
また、2024年度上半期の平均紹介率は82.9%と報告されています。
ただし、これは広島大学病院の歯科全体ではなく「歯科保存診療科」のデータです。
さらに、2023年6月から2024年5月までに地域歯科医院から同科へ紹介された292人を調べた研究では、紹介理由として、治療の難しさや症状が改善しない場合だけでなく、精査、セカンドオピニオン、抜歯が必要かどうかの判断、歯根破折の診断、全身疾患への配慮、麻酔への対応など、さまざまな目的が報告されています。
つまり大学病院への紹介は、「重い病気だから行く」という一つの理由だけではなく、地域の歯科医院と専門診療科が役割分担する方法の一つでもあります。

大学病院へ紹介されたら、元の歯医者にはもう通わない?
これもよくある疑問です。
大学病院への紹介は、必ずしも「転院」を意味しません。
たとえば、専門的な検査だけ大学病院へお願いする場合、難しい処置だけ病院へお願いする場合、手術部分をお願いする場合、専門医による診断をお願いする場合などがあります。
必要な専門診療が終わったあと、通常の治療や定期的なメインテナンスは、再び地域の歯科医院で続けることもあります。
「紹介」と「治療途中で歯医者を変えること」の違いについては、「治療途中で歯医者を変えたいとき|転院相談で持ってきてほしい情報を受付が解説」も参考にしてください。
大学病院を受診したあとも、紹介元との連携は続きます
紹介は、患者さんへ紹介状を1枚渡して終わる仕組みではありません。
広島大学病院の地域連携では、紹介された患者さんが受診すると、受診日当日に「受診しました」という受診報告を紹介元医療機関へFAXで送る仕組みになっています。
さらに、診断結果やその後の経過については、後日、紹介元医療機関へ送付されます。
つまり、
地域の歯科医院 → 大学病院
と情報が一方向に流れるだけではなく、
大学病院 → 地域の歯科医院
へも情報が戻ってきます。
患者さん自身が、大学病院で聞いたことを記憶だけで全部説明し直さなければ情報が途切れる、という仕組みではありません。
大学病院が担当する専門的な診療と、地域の歯科医院が担当する継続的な治療や管理。
それぞれが情報をつなぎながら患者さんを診ていくのが、医療連携の大切な役割です。

ブランデンタルクリニックから病院をご紹介することもあります
ブランデンタルクリニックでも、症例や治療目的などに応じて、広島大学病院や広島市民病院などへご紹介することがあります。
どの医療機関へ紹介するか、どの診療科へ紹介するか、誰が予約手続きをするかは、そのときの紹介内容によって変わります。
そのため、
「以前、家族が大学病院へ紹介されたときは自分で予約したから、今回も同じ」
とも限りませんし、
「以前は歯医者が全部予約してくれたから、今回も待っていればいい」
とも限りません。
紹介が決まった際には、「今回は誰が予約するのか」をその都度確認していただければと思います。
こんなときは紹介元の歯科医院へ確認してください
- 誰が予約するのか分からない
- 紹介状だけ受け取って、予約方法を聞き忘れた
- 予約日時の連絡がまだない
- どこから予約の連絡が来るのか分からない
- 予約日を変更したい
- 予約票を受け取ったか分からない
- どの診療科へ行くのか分からない
- 受診日までに痛みや腫れなどの症状が強くなった
このような場合は、まず紹介元の歯科医院へ確認してみてください。
特に、紹介元が予約調整を進めている途中で患者さん側から別に予約を取ると、手続きが分かりにくくなる可能性があります。
迷ったときは、
「大学病院への紹介予約について確認したいのですが」
と受付へお問い合わせいただければ大丈夫です。
よくある質問
Q.大学病院を紹介されたら、自分で電話して予約するのですか?
病院や診療科、紹介方法によって違います。
広島大学病院の歯科を通常の地域連携ルートで紹介する場合は、紹介元医療機関から予約を申し込みます。一方、矯正歯科のように患者さん自身から予約できる方法が用意されている診療科もあります。
Q.紹介状をもらったら、もう予約は取れていますか?
必ずしもそうではありません。
紹介状の作成と予約日時の決定は別の手続きです。「紹介状はあるけれど、予約日は後日連絡」ということもあります。
Q.紹介されたその日に予約日が分からなくても大丈夫ですか?
あり得ます。
広島大学病院では、歯科について、歯科チェア予約のため予約日決定まで2~3日かかるという目安を示しています。
これは「2~3日後に受診できる」という意味ではなく、大学病院側で予約日を決定するまでの目安です。
Q.広島大学病院の予約を変更したい場合は?
地域連携を通して取った紹介予約の場合は、まず紹介元の医療機関へ相談してください。
広島大学病院では、紹介予約の変更・キャンセルについて、紹介元医療機関から連絡するよう案内しています。
Q.大学病院へ紹介されたら、元の歯医者にはもう通えませんか?
必ずしもそうではありません。
専門的な診査や処置だけ大学病院へお願いし、その後の治療やメインテナンスを地域の歯科医院で続けることもあります。
Q.大学病院へ紹介されたということは、重症なのでしょうか?
紹介されたという事実だけでは判断できません。
詳しい診断、治療の難易度、専門的な処置、全身状態や安全面への配慮など、さまざまな理由で大学病院や総合病院をご紹介することがあります。
Q.紹介状以外には何を持っていけばいいですか?
広島大学病院の地域連携受診では、予約票、紹介状、マイナンバーカードまたは資格確認書、受診歴がある場合の診察券、必要な各種医療受給者証が案内されています。
紹介内容によっては、お薬の情報や画像資料などについて別途案内される場合がありますので、紹介元からの説明を確認してください。
Q.大学病院で診てもらった結果は、元の歯医者にも伝わりますか?
広島大学病院の地域連携では、受診当日に受診報告を紹介元医療機関へ送り、診断結果やその後の経過についても後日紹介元へ送る仕組みになっています。
まとめ 「紹介されたら自分で予約」と思い込まず、まず確認を
先生から「大学病院をご紹介します」と言われたあと、患者さんが自分で大学病院へ電話するとは限りません。
今回の大切なポイントは、次のとおりです。
- 紹介状を作ることと、予約を取ることは別
- 誰が予約するかは病院・診療科・紹介方法によって違う
- 広島大学病院の歯科を通常の地域連携ルートで紹介する場合は、紹介元医療機関から予約を申し込む
- 歯科では、予約日が決まるまで2~3日かかることがある
- 「2~3日」は受診までの日数ではなく、予約日決定までの目安
- 地域連携による予約の変更・キャンセルも紹介元を通して行う
- 大学病院への紹介は、必ずしも転院を意味しない
- 受診後も大学病院と紹介元の間で情報連携が続く
紹介されたときに分からなければ、
「予約は自分で取りますか?医院から取ってもらえますか?」
と聞いていただいて大丈夫です。
そして、
「予約日が決まったら、どこから連絡がありますか?」
まで確認しておけば、受診までの流れがさらに分かりやすくなります。
大学病院への紹介は、患者さんに紹介状を渡して「あとは一人でお願いします」というものではありません。
地域の歯科医院と大学病院が、それぞれの役割を分担しながら、必要な診療へ患者さんをつないでいく医療連携の仕組みです。
ブランデンタルクリニックでも、病院への紹介が必要になった場合には、紹介先や予約方法、受診までに確認していただきたいことをご案内します。
分からないことがありましたら、受付でも遠慮なくお尋ねください。
※広島大学病院に関する予約方法・運用は、2026年9月時点で確認できる公式情報をもとにしています。実際の受診時には最新の案内をご確認ください。
参考資料
- 広島大学病院「外来初診患者さんの紹介について」
- 広島大学病院「紹介患者(新規患者)予約日決定までの目安について」
- 広島大学病院 矯正歯科「初診の患者様へ」「ご紹介について(医療関係者の方へ)」
- 古玉大祐ほか「広島大学病院歯科保存診療科紹介患者の実態調査」日本歯科保存学雑誌 68巻1号、2025年
