デンタルフロスにPFAS?Oral-B Glideの素材変更と血中PFAS研究の限界|広島市中区立町の歯医者(紙屋町、八丁堀、袋町からすぐで通いやすい)|ブランデンタルクリニック|土曜日、日曜日、祝日診療

〒730-0032 広島県広島市中区立町2-1 立町中央ビル4F

082-258-6411

ネット予約はこちらから
受付

デンタルフロスにPFAS?Oral-B Glideの素材変更と血中PFAS研究の限界

デンタルフロスにPFAS?Oral-B Glideの素材変更と血中PFAS研究の限界|広島市中区立町の歯医者(紙屋町、八丁堀、袋町からすぐで通いやすい)|ブランデンタルクリニック|土曜日、日曜日、祝日診療

チャットボット チャットボット

2026年10月27日

デンタルフロスにPFAS?Oral-B Glideの素材変更と血中PFAS研究の限界

(歯科衛生士さんのある日の日誌)

はじめに

普段、何気なく使っているデンタルフロス。

歯と歯の間に通すときの滑りやすさ、繊維の太さ、持ちやすさ、歯垢の取れやすさなどは、患者さんに清掃用品をご案内する際にも気になるポイントです。

でも、考えてみると、フロスが「何でできているのか」まで意識する機会は、それほど多くないかもしれません。

そんな身近なデンタルフロスについて、2026年10月18日、米国のWashington Postが興味深いニュースを報じました。

米国で長く販売されてきたOral-B Glide(オーラルビー・グライド)などのデンタルフロスで、PTFEという素材から別の繊維素材への変更が進んでいるというものです。

PTFEは、テフロンという名称でも知られるフッ素系の高分子材料です。そして、近年、環境や健康への影響が世界的に注目されているPFASという物質群にも分類されます。

「PFAS」と聞くと、水道水の汚染や健康への影響を心配するニュースを思い浮かべる方もいるでしょう。

毎日口の中に入れるフロスにも関係するのであれば、気になるのは自然なことです。

ただし、ここには大切な問題があります。

デンタルフロスにPTFEが使われていたことと、フロスの使用によって有害なPFASが体内に吸収され、健康被害が生じたことが証明されているかどうかは、別の話です。

実際、2019年に発表された研究では、Oral-B Glideを使用していると回答した女性の血液中で、ある種類のPFAS濃度が高いという関連が報告されました。

一方、2025年に発表された米国成人6,750人の研究では、測定するPFASの種類によって異なる方向の結果が示されています。

それでは、なぜメーカーは素材を変更したのでしょうか。

これまでの研究で何が分かり、何がまだ分かっていないのでしょうか。

そして、私たちはこれからデンタルフロスをどのように選べばよいのでしょうか。

今回は、いつもの歯間清掃を少し違う角度から見つめながら、研究論文とメーカーの発表を順番に読み解いてみたいと思います。

① Oral-B Glideのフロスは本当に素材が変わった?

2026年3月、研究機関が素材変更を発表

今回のニュースの中心となっているのは、P&Gが展開するOral-B Glideというデンタルフロスです。

Glideは、歯と歯の間に滑らかに通しやすいことを特徴としてきた製品です。

従来の製品には、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)が使用されていました。

このPTFEについて、2026年3月31日、米国の環境健康研究機関Silent Spring Instituteは、Oral-BがGlideシリーズからPTFEを除去したと発表しました。

Silent Spring Instituteは、2019年にデンタルフロスと血中PFAS濃度の関連を報告した研究に関わった機関でもあります。

同研究機関は、2019年の研究以降に続いた科学的な検討や社会的な関心を背景として、今回の素材変更を紹介しています。

10月18日の報道で再び注目された

その後、2026年10月18日、Washington Postがデンタルフロスの素材変更について報道しました。

記事では、以前のGlideと比べて新しい製品の手触りが変わったと感じる消費者の声も紹介されています。

P&Gの担当者は、Oral-B GlideからPTFEとPFASを除去するよう製品を改良したことを認めています。

新しいGlideに使用されているのは、ナイロンと弾性素材を組み合わせた微細な凹凸を持つ繊維です。

Pebaxというポリマーも、繊維の強度や耐久性、操作性を補う材料として紹介されています。

つまり、今回の素材変更は、単にパッケージの表示を変えたというものではありません。

歯と歯の間を通る繊維そのものの構成が変更されたということです。

新素材の方が安全だと証明されたの?

ここで、最初の注意点があります。

メーカーがPTFEを除去したことは確認できますが、それだけで従来のPTFE製Glideが人体に健康被害を起こしていたと証明されたわけではありません。

同様に、新しい素材を使用しているという事実だけで、あらゆる健康上のリスクがなくなったと証明されたわけでもありません。

素材変更という製品上の事実と、その素材が人体へ与える影響を評価した研究結果は区別する必要があります。

また、ここで紹介しているのは主として米国での発表です。

日本国内で販売されているすべてのOral-B製品について、同じ時期に同じ素材へ切り替わったとまでは断定できません。

では、そもそもPTFEはなぜフロスに使用されてきたのでしょうか。

② PTFEはなぜデンタルフロスに使われてきた?

PTFEは滑りやすさが特徴の高分子素材

PTFEは、炭素とフッ素を主な構成元素とする高分子材料です。

一般には、テフロンという名称でもよく知られています。

摩擦が少ないこと、化学的に安定していること、熱への耐性があることなどが特徴で、さまざまな工業製品や生活用品に利用されてきました。

デンタルフロスにとって特に重要なのは、摩擦が少ないという性質です。

歯と歯の接触が強い部分では、フロスを通そうとしても抵抗を感じることがあります。

そのような場所で滑りやすい素材が使われていれば、比較的スムーズに挿入できる場合があります。

通しやすいことは、清掃を続けやすいことにもつながる

歯科衛生士として清掃用品を考えるとき、単に歯垢が取れるかどうかだけでなく、患者さんが無理なく使えるかどうかも重要です。

どれほど優れた清掃用品でも、毎回使うたびに引っかかる、痛い、操作しにくいと感じるようでは、日常の習慣として続けることが難しくなります。

そのため、デンタルフロスの滑りやすさには、実用上の意味があります。

ただし、ここで勘違いしてはいけないのは、滑りやすいことと、歯垢を最もよく除去できることは同じではないという点です。

フロスの清掃能力には、繊維の形状や太さ、表面の特徴、歯面への当て方、動かし方など、さまざまな要因が関係します。

2023年には、実際に4種類のフロス素材について、機械的な特性と使用感を比較した研究も発表されています。

その結果は後ほど詳しく紹介します。

一般的なフロスの種類や使い方については、当院の「おすすめのデンタルフロスはどれ?歯と歯の間の虫歯・歯周病・口臭を防ぐ選び方と使い方」でも説明しています。

今回の記事では、その一歩先にある「素材の化学的な性質」に注目してみましょう。

③ PFAS・PTFE・PFHxS・PFOAは同じもの?

PFASは一つの物質名ではない

PFASとは、Per- and Polyfluoroalkyl Substancesの略称です。

日本語では、一般に「有機フッ素化合物」と説明される物質群です。

PFASという言葉は、たった一種類の化学物質を指しているわけではありません。

化学構造や分子の大きさ、物理化学的な性質が異なる、多数の物質が含まれています。

そのため、ある種類のPFASについて分かった健康影響を、別の種類のPFASへそのまま当てはめることはできません。

PTFEは高分子、PFHxSとPFOAは別の化合物

今回の記事には、主に4つの名前が登場します。

PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)

従来のGlideに使用されていた高分子素材です。多くの分子単位が連なった材料で、低分子PFASとは溶解性や体内への取り込まれ方などが異なります。

PFHxS(ペルフルオロヘキサンスルホン酸)

2019年の研究で、Glide使用申告との関連が報告された血中PFASです。

PFOA(ペルフルオロオクタン酸)

2025年の米国成人研究で、歯間清掃の使用申告との関連が確認された物質です。

PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)

環境中での残留や人体への健康影響が研究されている、別のPFASです。

ここで大切なのは、PTFEとPFHxSは同じ物質ではないということです。

2019年研究の対象製品に使用されていたPTFEと、血液中で関連が見つかったPFHxSを、同一物質のように扱うことはできません。

PFASに共通する性質と、共通しない性質

PFASに分類される物質の多くは、炭素とフッ素の結合を持ちます。

この結合は化学的に安定しており、物質によっては自然環境で分解されにくい性質があります。

そのため、環境中に長く残留することが問題になっています。

一方、人体への吸収、体内に残る期間、排泄される速度、有害性については、個々の物質によって違いがあります。

「PFASだからすべて同じように危険」と考えるのも、「PTFEは高分子だから一切の問題がない」と考えるのも、適切ではありません。

今回の研究を理解するためには、この区別が出発点になります。

④ 歯科のフッ化物とPFASは混同しない

ここで、歯科衛生士として一つ補足しておきたいことがあります。

PFASのニュースでは「フッ素」という言葉が登場するため、歯科医院でむし歯予防に使用するフッ化物と混同されることがあります。

しかし、フッ化ナトリウムなどの無機フッ化物と、PTFEやPFHxSなどの有機フッ素化合物は、化学的に異なるものです。

「フッ素」という名前だけで同じ危険性にはならない

歯科で使用するフッ化物は、歯の再石灰化や脱灰の抑制などを通して、むし歯の予防に役立ちます。

適切な濃度や量で使用することが大切ですが、PFASに関する健康影響を、そのまま歯科用フッ化物へ当てはめることはできません。

また、研究で「総フッ素が検出された」と書かれている場合も、何の物質に由来するフッ素なのかを確認する必要があります。

総フッ素を測定することと、特定の有機フッ素化合物を同定することは、別の分析です。

この違いについては、当院の「PFASと歯医者のフッ素は同じ?有機フッ素化合物とフッ化物の違いを歯科医師が解説」でも詳しく紹介しています。

今回のデンタルフロスの話題をきっかけに、フッ化物配合歯磨剤の使用をやめる必要はありません。

⑤ 実は2009年にもフロスの化学物質は調べられていた

2019年の血液研究が注目される以前から、フロスに関連するフッ素系化学物質の調査は行われていました。

2009年、米国環境保護庁(EPA)のGuoらは、市販製品に含まれるペルフルオロカルボン酸類(PFCA)を調べた報告書を公表しました。

調査対象は116試料

研究では、カーペット、繊維製品、食品包装、調理器具、フッ素樹脂を使用した製品など、さまざまな商品が対象となりました。

品質基準を満たして分析された試料は116です。

この中には、デンタルフロスやフロスピックなどの歯間清掃用品も含まれていました。

製品群の一部では、PFOAを含むPFCAが検出されました。

PTFE製のデンタルフロス・関連製品については、PFOAが最大96.7 ng/gという濃度まで検出されています。

96.7 ng/gはどのような数字?

ngはナノグラムという質量の単位です。

1ngは10億分の1gに相当します。

96.7 ng/gという表記は、製品1g当たりのPFOA量を表しています。

ただし、これは分析用の方法で製品から抽出された化学物質の量です。

実際にフロスを使用したとき、その量がすべて口の中へ出てくるわけではありません。

唾液への移行量を測った数値でも、血液中へ吸収された量でもありません。

そのため、製品に含まれる濃度と人体が実際に受ける曝露量は分けて考える必要があります。

製品分析と血液研究では見ているものが違う

2009年の研究では、製品中の化学物質を調べています。

一方、2019年の研究では、人の血液中のPFAS濃度と生活行動の関連を調べています。

この二つを組み合わせることで、フロスがPFAS曝露源になり得るのではないかという仮説が生まれます。

しかし、製品中にPFOAがあったという結果と、血液中のPFHxSが高かったという結果は、測定した物質も調査方法も異なります。

両者をそのまま結びつけて、特定のフロスが血中PFHxSの原因だったと説明することはできません。

⑥ 2019年、178人の女性の血液を調べた研究

ここからが、今回のニュースで繰り返し取り上げられている2019年研究です。

Boronowらは、米国の研究参加者178人について、生活行動と血中PFAS濃度との関連を調べました。

研究は2019年1月8日にオンライン公開され、Journal of Exposure Science & Environmental Epidemiology に掲載されています。

対象は米国の中年女性178人

解析対象となった178人は、アフリカ系米国人女性87人と、非ヒスパニック系白人女性91人でした。

聞き取り時点での年齢は48〜56歳です。

参加者の大多数はカリフォルニア州に居住していました。

この研究は、米国のすべての年齢層や男女を代表する大規模調査ではありません。

対象集団の特徴を理解したうえで、結果を読む必要があります。

血液を採取したのは2010〜2013年

研究では、参加者の血液中に存在する複数のPFASを測定しました。

血液採取は2010〜2013年に実施されています。

一方、生活行動に関する聞き取りが行われたのは2015〜2016年でした。

つまり、血液を採取してから数年後に、どのような製品を使用しているかを尋ねた研究なのです。

この時間差は、結果を解釈するうえで非常に重要です。

聞き取り時点でGlideを使っていたとしても、採血時点で同じ製品を使っていたとは限りません。

逆に、聞き取り時点で使っていなかった人が、以前は使用していた可能性もあります。

長期間同じ生活習慣が続いていたかどうかを、研究で完全に確認できたわけではありません。

フロス以外の生活行動も調べた

研究者は、Oral-B Glideの使用だけを調べたわけではありません。

食品包装、撥水・防汚加工製品、調理器具、飲料水など、PFAS曝露に関係する可能性がある生活行動についても調査しました。

そして、年齢や集団の特徴などの要因を考慮しながら、血中PFAS濃度との統計的な関連を調べています。

ここで用いられたのは観察研究の解析です。

研究者が参加者にGlideを使用させ、使用前後の血中濃度を測定したわけではありません。

⑦ 血中PFHxSが24.9%高かった――この数字はどう読む?

2019年研究で最も注目された数字は、24.9%です。

解析では、Oral-B Glideを使用したと回答した女性の血中PFHxS濃度が、使用しなかったと回答した女性と比較して、調整後の推定で24.9%高いという関連が認められました。

95%信頼区間は0.2〜55.7%でした。

24.9%は何の数字?

この数字は、血中PFHxS濃度の群間差を割合で示したものです。

つまり、Glideの使用申告がある群とない群を、統計モデルで比較した結果です。

ここで大切なのは、次の二つの文章は意味が違うということです。

「Glideを使用したと回答した人の血中PFHxS濃度は、調整後の推定で24.9%高かった」

「Glideを使うと血中PFHxSが24.9%増える」

前者は研究で得られた関連を説明しています。

後者は、フロスの使用が原因となって血中濃度を上昇させたという因果関係を示唆します。

この研究から直接言えるのは前者です。

95%信頼区間は0.2〜55.7%

24.9%という値だけを見ると、はっきりした差があるように感じるかもしれません。

しかし、95%信頼区間は0.2〜55.7%と広い範囲に及んでいます。

これは、効果の大きさにかなりの不確実性が残っていることを意味します。

統計学的にはゼロをわずかに上回る範囲で有意な関連が認められていますが、推定値の精度が高いとはいえません。

6種類すべてのPFASで高かったわけではない

研究では、検出状況などを踏まえて6種類のPFASについて解析しています。

そのうち、Glide使用との統計的に有意な関連が確認されたのはPFHxSでした。

PFOAやPFOSなど、ほかの測定対象について、同じように24.9%高かったわけではありません。

「Glide使用者は血中PFASが全体的に24.9%高かった」という説明は正確ではありません。

さらに、24.9%という値は病気の発生率や発がん率を示す数字でもありません。

研究結果は、特定のPFASについて観察された血中濃度との関連です。

この区別は、今回の記事の中で最も大切にしたい部分です。

⑧ 18種類のフロスを調べると、6種類でフッ素を検出

2019年研究では、人の血液を調べるだけでなく、市販のデンタルフロスそのものについても分析が行われました。

対象となったのは18種類のフロスです。

分析の結果、6種類の製品でフッ素が検出されました。

どのような製品から検出された?

フッ素が検出された製品には、Oral-B Glideの3種類が含まれていました。

そのほか、Glideに類似する製品として販売されていた2種類と、テフロン繊維を使用していると表示された1種類でも検出されています。

これらの結果は、フッ素を多く含むPTFEの使用と整合するものです。

使用されたのはPIGE法

研究者が用いたのは、PIGE(Particle-Induced Gamma-ray Emission)という分析方法です。

日本語では、粒子誘起ガンマ線放出法と呼ばれます。

この方法は、試料に含まれるフッ素元素を検出するために利用できます。

ただし、ここには分析方法の限界があります。

フッ素が検出されたという結果だけで、それがPFHxSなのか、PFOAなのか、PTFEなのかを一つずつ同定したことにはなりません。

6製品でPFHxSが確認されたわけではない

今回の研究結果を読む際には、次の区別が必要です。

18製品中6製品でフッ素が検出されたことは事実です。

しかし、その6製品からPFHxSが直接測定されたわけではありません。

また、フロス使用時にPFHxSが唾液へ溶け出す量が測定されたわけでもありません。

当然ながら、製品から検出されたフッ素の量を、そのまま人体が吸収したPFASの量として扱うこともできません。

製品中にフッ素が存在することと、特定のPFASが人体へ移行することの間には、まだ検証すべき段階が残っています。

⑨ それでも「フロスが血液中のPFASの原因」とは断定できない

ここまで読むと、次のように考えたくなるかもしれません。

「PTFEを使ったフロスからフッ素が検出された」

「そのフロスを使っていた人の血中PFHxSが高かった」

「だからフロスからPFHxSが体内へ入ったのではないか」

確かに、その可能性を考えることは自然です。

2019年研究も、そのような曝露経路の可能性を示した点で重要でした。

しかし、科学的に因果関係を確かめるには、いくつかの段階があります。

最初の段階:製品に何が含まれているか

まず、製品の中にどのような化学物質が含まれているかを確認する必要があります。

高分子であるPTFEが存在することと、特定の低分子PFASがどれだけ含まれているかは、分けて測定しなければなりません。

次の段階:使用中に何が移行するか

次に、実際に口の中でフロスを動かしたとき、どのような物質が、どの程度、唾液などへ移行するのかを調べる必要があります。

分析用の溶媒で抽出された量と、通常使用時に移行する量が一致するとは限りません。

さらに必要なのは体内吸収の評価

仮に使用中に特定の化学物質が移行したとしても、それがどの程度体内へ吸収されるのかは別の問題です。

飲み込まれる量や消化管からの吸収、体内での分布、排泄などを考慮する必要があります。

血液中のPFASには別の曝露経路もある

PFASへの曝露は、デンタルフロスだけで起こるものではありません。

飲料水、食品、食品包装、室内環境、特定の生活用品など、さまざまな経路が考えられます。

そのため、血液中にPFHxSが検出されたとしても、どの製品からどれだけ入ったのかを血中濃度だけで判定することはできません。

最後に健康影響を評価する必要がある

仮にフロスからの曝露量が測定できたとしても、それが実際に健康上どの程度の意味を持つのかは、さらに別の評価です。

物質の有害性、曝露量、曝露期間、ほかの曝露経路、個人差などを考える必要があります。

つまり、今回の問題では、

「製品に含まれる」

「使用時に移行する」

「体内に吸収される」

「血中濃度へ寄与する」

「健康影響につながる」

という段階を、一つずつ区別しなければなりません。

2019年研究は重要な問題提起でしたが、これらすべての段階を検証した研究ではありません。

⑩ 米国科学アカデミーは2019年研究をどう評価した?

2019年研究については、その後、独立した立場からの評価も行われています。

2022年、米国科学・工学・医学アカデミー(NASEM)が公表したPFASに関する報告書では、デンタルフロスと血中PFAS濃度の研究が取り上げられました。

注目されたのは研究方法の限界

NASEMは、178人の女性を対象とした研究で、Glide使用申告と血中PFHxS濃度に関連が認められたことを紹介しています。

その一方で、いくつかの問題も指摘しました。

まず、血液採取とフロス使用状況の聞き取りに数年の時間差があることです。

次に、製品分析に使われたフロスの試料数が限られていたことです。

さらに、解析した複数のPFASのうち、大部分では統計学的に有意な関連が認められていなかったことも挙げられています。

フロスが重要な曝露経路かどうかは不明

NASEMは、これらの限界から、デンタルフロスが人体のPFAS曝露にとって重要な経路なのかどうかは、現時点では明確ではないと評価しています。

これは、2019年研究を無意味だと否定するものではありません。

研究によって、従来十分に検討されていなかった可能性が示されました。

しかし、その可能性が実際にどの程度の寄与を持つのかは、さらに検証が必要だということです。

研究で関連が見つかったという段階と、その関係が因果的に証明されたという段階を分けること。

その考え方は、PFASだけでなく、歯科のさまざまな臨床研究を読むときにも重要だと思います。

⑪ PTFEは本当に使いやすい?4種類のフロスを比較した研究

ここまでPFASについて見てきましたが、今度は少し視点を変えて、フロスの清掃用品としての特徴を考えてみましょう。

2023年、Huangらは、素材が異なる4種類のデンタルフロスについて、物理的な特性と使用感を比較した研究を発表しました。

比較したのは4種類の素材

研究対象となったのは、次の4種類です。

  • PTFE
  • ナイロン
  • シルク
  • 超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)

研究者は、引張強さ、表面粗さ、エナメル質に対する摩耗特性などを調べています。

さらに16人を対象に、実際にフロスを使用したときの主観的な評価も実施しました。

表面粗さはPTFEで最も小さかった

表面の凹凸の大きさを表すRaという指標では、PTFEの値が最も小さくなりました。

PTFEは0.048±0.003 µmでした。

一方、シルクは0.304±0.025 µmで、4素材の中で最も大きい値でした。

Raは表面粗さを表す指標であり、値が小さいほど測定された表面の凹凸が少ないことを示します。

つまり、この研究で比較したPTFEは、非常に滑らかな表面を持っていたと考えられます。

引張強さはPTFEが最も高いわけではない

一方、引っ張ったときの強さを比較すると、異なる結果になりました。

PTFEの引張強さは11.78±0.77 MPaでした。

これに対し、UHMWPEは194.18±24.61 MPaと、4素材の中で最も高い値でした。

つまり、この研究でのPTFEは、引張強さが最も優れていたわけではありません。

素材にはそれぞれ異なる特徴があることが分かります。

16人の使用感評価ではPTFEが好まれた

興味深いのは、実際に使用した人の評価です。

16人による使用感の調査では、PTFEが最も好まれ、ナイロンは最も好まれない結果となりました。

この結果は、PTFEの滑らかさが使用感に影響していた可能性を示しています。

ただし、16人という比較的小さな研究です。

また、主観的な好みが良好だったからといって、歯垢除去性能や長期的な歯周病予防効果も最も高いとはいえません。

エナメル質の摩耗試験では有意差なし

研究では、エナメル質を用いた実験室での摩耗試験も行われました。

その結果、4素材間で統計学的に有意な摩耗差は確認されませんでした。

ただし、これも限られた実験条件での結果です。

長期間の使用によるすべての臨床的影響が同じであると証明したわけではありません。

この研究から分かるのは、素材によって表面の粗さや強度、使用感が異なるということです。

滑りやすい素材を別の素材へ変更するには、単に材料名を置き換えるだけではなく、使い心地や耐久性を考慮した製品設計が必要になると考えられます。

⑫ 2024年の分析技術ではフロスの高分子素材まで調べられた

2019年研究で使用されたPIGE法は、フッ素元素の存在を調べる方法でした。

しかし、その後の研究では、フッ素が検出された製品について、実際にどのような高分子が使用されているのかを確認する分析も行われています。

2024年、Skedungらは、スウェーデン市場から、フッ素系高分子を含むことが疑われる、または既に知られている消費者製品45試料を選び、化学分析を行った研究を報告しました。

この研究は、市場で販売されている製品を無作為に抽出し、PFAS含有製品の割合を推定するためのものではありません。

フッ素系高分子を含む可能性のある製品について、どのような高分子が存在するかを分析・同定するための研究です。

総フッ素と高分子の同定を組み合わせた

この研究では、主に二つの分析方法が用いられています。

一つは、燃焼イオンクロマトグラフィーです。

試料に含まれる総フッ素を測定するための方法です。

もう一つは、熱分解ガスクロマトグラフィー質量分析法(Py-GC/MS)です。

試料を加熱して分解した際に生じる成分を分析することで、PTFEなどの高分子材料の同定に役立ちます。

単にフッ素が含まれていることを調べるだけでなく、その由来をより具体的に調べられる点が重要です。

フロス試料では非常に高い総フッ素値も

論文に掲載されたフロスピック試料H74では、総フッ素濃度が632,670 µg F/gでした。

糸状のデンタルフロス試料H79では、573,835 µg F/gでした。

これらの試料では、熱分解GC/MSによってPTFEが確認されています。

この数値を見ると、非常に大量の有害物質が含まれているのではないかと感じるかもしれません。

しかし、ここで測定されているのは、試料全体に含まれるフッ素元素の量です。

PTFE自体がフッ素を多く含む高分子であるため、高い総フッ素値を示すことは不思議ではありません。

573,835 µg F/gという数字は、約57.4%がフッ素元素の質量に相当するという意味です。

それがそのまま57.4%のPFOAやPFHxSを含むという意味ではありません。

まして、使用時にその量が体内へ取り込まれるという意味でもありません。

H79はフッ化物表示がある製品だった

H79の製品について、研究者は興味深い点を報告しています。

製品表示ではフッ化物が含まれることが示されていましたが、分析ではPTFEも確認されました。

つまり、製品に含まれるフッ素の由来を正確に判断するには、表示だけでなく追加分析が必要になる場合があります。

この研究は、製品分析の技術が進んでいることを示しています。

一方で、製品中の高分子を同定する研究と、通常使用時の人体曝露量を測定する研究は、依然として別のものです。

⑬ 2025年には米国成人6,750人の血中PFASが解析された

2019年の178人研究から数年後、より大きな集団を対象とした研究が発表されました。

2025年、Jiaoらは、米国のNHANESデータを利用し、成人6,750人について歯間清掃の使用状況と血中PFAS濃度との関係を調べました。

NHANESとは、米国国民健康栄養調査のことです。

健康診査、血液検査、質問票などを組み合わせて、米国住民の健康状態を調べるための調査です。

対象は30歳以上の6,750人

今回の研究では、2009〜2020年のNHANESデータを用いています。

解析対象となったのは、30歳以上の成人6,750人でした。

論文で「デンタルフロス使用あり」と分類された人は4,384人、「使用なし」は2,366人です。

2019年研究の178人に比べると、大きな集団を対象としています。

しかし、人数が増えたことだけで、曝露源を特定できるようになったわけではありません。

実際の質問票にはフロス以外の清掃用品も含まれていた

今回の研究を読む際に、特に注意したいことがあります。

論文では「dental floss use」という表現が使われています。

しかし、解析に使用されたNHANESの質問項目OHQ870では、過去7日間にデンタルフロスまたはその他の器具を使って歯間を清掃した日数を質問しています。

つまり、回答にはフロス以外の歯間清掃器具の使用も含まれる可能性があります。

さらに、この質問票では、使用したフロスのブランドや素材は分かりません。

PTFE製のGlideを使っていた人と、ナイロン製のフロスを使っていた人を区別することもできません。

2019年研究では特定ブランドの使用申告を調べていたのに対し、2025年研究では、より広い歯間清掃行動を捉えていることになります。

二つの研究は、同じものを同じ方法で比較しているわけではありません。

⑭ PFOAは高く、総合PFASスコアには有意差なし――2025年研究の読み方

2025年研究では、血中の6種類のPFASと、歯間清掃行動の関係が解析されました。

興味深いのは、測定された物質によって、異なる方向の関連が報告されていることです。

PFOAは使用申告あり群で高かった

研究の調整後解析では、血中PFOA濃度は次のようになりました。

歯間清掃なし群:2.534 ng/mL

歯間清掃あり群:2.605 ng/mL

両群の差は0.071 ng/mLです。

論文の表では、この差について多重比較補正後もp<0.0001となっています。

統計学的に有意な差が認められたということです。

ただし、この数字が意味するのは、統計モデルで調整した後の血中PFOA濃度に群間差があったということです。

特定のフロスからPFOAが体内に吸収されたことを示すものではありません。

調整前の比較では有意差がなかった

ここで、もう一つ重要な結果があります。

実は、共変量を調整する前の比較では、PFOA濃度に統計学的な有意差は認められていませんでした。

調整前の値は、次のとおりです。

歯間清掃なし群:2.513 ng/mL

歯間清掃あり群:2.558 ng/mL

p=0.484

つまり、単純に二つの群を比較した段階では、統計学的に有意な差はありませんでした。

一方、性別、年齢、人種・民族、教育水準、身体活動、所得関連指標などを考慮した調整後の統計モデルでは、群間差が有意になっています。

この違いは、研究を理解するうえで見逃せません。

調整前と調整後で結果が変わるということは、比較する集団の背景にある要因や、統計モデルの設定が推定結果に影響していることを示しています。

もちろん、共変量を調整した結果が有意になったからといって、その関連が間違っているという意味ではありません。

しかし、観察研究において共変量を調整することと、特定の清掃行動が原因で血中濃度が変化したことを証明することは、同じではありません。

今回の研究では、フロスのブランドや素材を特定していないことも考える必要があります。

そのため、調整後に認められたPFOAの差を、PTFE製デンタルフロスによる曝露の証拠として解釈することはできません。

他のPFASでは逆方向の結果も

同じ研究では、PFOAとは逆に、歯間清掃あり群の方が調整後の血中濃度が低いPFASもありました。

つまり、測定されたすべてのPFASで同じ方向の関連が認められたわけではありません。

もし単純に「歯間清掃をすると、すべてのPFASが増える」という関係であれば、このような異なる方向の結果を説明することはできません。

それぞれの物質の性質、曝露経路、生活習慣、解析上の要因などを考慮する必要があります。

総合PFAS負荷スコアはどうだった?

さらに重要なのが、6種類のPFASを組み合わせて評価した総合PFAS負荷スコアです。

調整後の推定値は、歯間清掃なし群で3.260、あり群で3.250でした。

多重比較補正後のp値は0.399です。

つまり、この総合スコアについては、統計学的に有意な群間差が認められていません。

このスコアは、個々のPFAS濃度を単純に合計したng/mLの数値ではなく、研究で作成された複合指標です。

論文の結論と表を照らし合わせる

論文の要約では、フロス使用者の総合的なPFAS負荷が低いという趣旨の説明がされています。

しかし、Table 2に掲載された調整後の総合スコアについては、有意差が認められていません。

そのため、この研究を紹介する際に「フロスを使うと総合的なPFASが減少する」と断定することも適切ではありません。

逆に、PFOAの差だけを取り上げて、「フロスを使うとPFAS曝露が増える」と一般化することもできません。

統計学的な有意性と健康上の重要性

6,750人という比較的大きな集団では、小さな数値差が統計学的に有意となる場合があります。

しかし、統計学的に有意であることと、その差が実際の健康影響につながることは同じではありません。

今回の0.071 ng/mLという差が、フロスという特定製品の使用によるものか、健康にどの程度の意味を持つのかは、この解析だけでは判断できません。

さらに、調整前には有意差が認められず、調整後に有意差が認められていることからも、結果を単純な因果関係として説明することには慎重さが必要です。

⑮ 2019年と2025年で結果が違うのはなぜ?

2019年研究では、Glideの使用申告と血中PFHxS濃度の高さに関連が認められました。

一方、2025年研究では、PFOAは歯間清掃あり群で高いものの、ほかの一部PFASでは逆方向の結果も認められています。

この違いを見て、「2019年の研究は間違っていたのではないか」と考えるかもしれません。

しかし、そこまで断定することもできません。

研究対象が違う

2019年研究は、48〜56歳の米国女性178人を対象にしています。

2025年研究は、30歳以上の男女6,750人を対象にしています。

年齢や生活環境、調査時期が異なれば、PFAS曝露の背景も異なる可能性があります。

質問している内容が違う

2019年研究では、Oral-B Glideというブランドの使用を尋ねています。

2025年研究では、フロスまたはその他の歯間清掃器具を使用した日数を調べています。

使用した製品の素材を特定できるかどうかという点で、大きな違いがあります。

解析方法が違う

両研究は、使用した統計モデルや考慮した共変量も異なります。

2025年研究では、調査デザインを考慮した加重解析や、複数の統計的手法が利用されています。

一方、どちらの研究も、特定の素材のフロスを使用させて血中PFAS濃度の変化を測定した介入試験ではありません。

結果が異なるからこそ、曝露経路の検証が必要

二つの研究を単純に比較して、どちらが正しいかを決めることはできません。

むしろ、現在の研究では、フロス使用と血中PFAS濃度の関係を一つの明確な因果関係として説明するには、まだ情報が不足していることが分かります。

今後は、実際に使用している製品を特定し、その製品中の低分子PFAS、使用中の溶出、人体への取り込みなどを組み合わせた研究が重要になると考えられます。

⑯ 健康被害が確定していなくても、メーカーが素材を変更する理由

ここで、今回のニュースの中心となる疑問へ戻りましょう。

フロスが健康被害を起こしていると証明されていないのに、なぜメーカーはPTFEを使用しない素材へ変更したのでしょうか。

素材変更には複数の背景がある

2026年10月のWashington Postの報道では、科学研究による問題提起、消費者の関心、PFASをめぐる規制の変化などが紹介されています。

2019年研究では、特定のフロスがPFAS曝露に関係する可能性が示されました。

その後、消費者団体による製品調査や、PFASを含む製品への規制が進んでいます。

このような状況では、企業が製品の素材を見直す理由は一つとは限りません。

製品の性能、環境への影響、消費者の期待、将来的な規制への対応など、複数の要因を考える必要があります。

人体への直接的な影響だけが問題ではない

PFASをめぐる問題では、製品を使用する本人への曝露だけでなく、製造から廃棄までの過程も重要です。

ある素材が通常使用で人体にどの程度吸収されるかという問題と、製造工程で発生する化学物質や廃棄後の環境中での残留は、別々に評価する必要があります。

特定の製品による健康被害が証明されていなくても、環境への負荷を減らす目的で代替素材の開発が進むことは考えられます。

素材変更は「健康被害を認めた」という意味ではない

ここは誤解しないようにしたい部分です。

P&GがGlideからPTFEを除去したという事実をもって、2019年研究で健康被害が証明されたことをメーカーが認めた、と解釈することはできません。

研究で関連が見つかったことと、企業が素材を変更することは、異なる判断です。

同様に、素材変更後の製品がすべての面で優れているという結論にも直結しません。

ただし、毎日使用される清掃用品について、素材の化学的な性質を考慮した製品改良が行われたこと自体は、注目すべき動きだと思います。

⑰ ヨーロッパでは67種類のフロスの素材が調べられた

今回の話題は、米国だけの問題ではありません。

デンマークの消費者団体Forbrugerrådet Tænkも、デンタルフロスのPFAS使用状況について調査を行っています。

67製品中17製品でPTFE含有とされた

同団体は、店舗やオンライン販売から67種類のフロス関連製品を選び、メーカーへの問い合わせや製品表示の確認などを行いました。

その結果、17製品について、PTFEを含むと報告しています。

一方、当初42製品については、メーカーからPFASを使用していないという回答が得られていました。

残る8製品については、当初の公表時点では含有状況を確認できませんでした。

その後、Colgateの2製品とSøstrene Greneの1製品について、PFAS不使用との回答が追加されました。

現在も5製品については、PFASの含有状況が確認されていません。

すべての製品を化学分析した結果ではない

この67製品調査を読む際にも、研究方法の違いに注意が必要です。

17製品という数字は、67製品すべてを同じ実験室分析にかけて得られた検出数ではありません。

製品表示やメーカー回答などに基づく市場調査です。

そのため、17/67をそのまま欧州市場全体のPFAS含有率と考えることはできません。

2025年には35製品の分析も

同団体は、2025年春に欧州市場のフロス35製品を実験室で調べ、6製品でPFASが確認されたと報告しています。

これは、メーカーへの問い合わせを中心とした67製品調査とは異なる調査です。

対象製品と方法が異なるため、二つの結果を合算したり、単純に比較して含有率の変化を計算したりすることはできません。

並行輸入品では旧仕様が残ることも

さらに興味深いのは、並行輸入品の問題です。

メーカーが特定の国で旧素材の販売を終了していても、別の販売ルートから旧製品が流通する場合があります。

つまり、同じブランド名であっても、販売国や製造時期によって素材が異なる可能性があります。

これは日本の消費者にとっても参考になる考え方です。

海外で素材変更が発表されたからといって、日本で手に入る同じブランドの全製品が、直ちに同一仕様になっているとは限りません。

⑱ 米国ミネソタ州ではフロスもPFAS規制の対象に

米国では、州ごとにPFASを含む消費者製品への規制が進んでいます。

その一つがミネソタ州です。

2025年1月から対象製品の販売が規制された

ミネソタ州では、2025年1月1日から、特定の11製品カテゴリーについて、意図的に添加されたPFASを含む製品の販売や販売目的の流通が禁止されました。

対象には、デンタルフロスも含まれています。

この規制は、PTFEを使ったフロスに限らず、法令の定義に該当するPFASを意図的に添加した対象製品について適用されるものです。

2026年の検査では19製品中17製品が適合

2026年9月22日、ミネソタ州公害管理庁は、製品の検査結果を公表しました。

デンタルフロス19製品を調べたところ、17製品が規制に適合していました。

割合にすると89.5%です。

一方、2製品は適合しませんでした。

この結果は、PFASを含む製品への規制が市場に影響を与えている可能性を示しています。

ただし、調査された19製品の結果を、米国で販売される全フロスの適合率として一般化することはできません。

規制への適合と人体への安全性は別

また、規制に適合したという結果は、その製品について長期的な人体への影響がすべて調べられたという意味ではありません。

法令で定められた条件を満たしていることと、あらゆる化学物質について健康リスクがゼロであることは、異なる問題です。

それでも、メーカーの素材変更が研究機関の発表だけにとどまらず、実際の規制や市場の動きと結びついていることは分かります。

⑲ 日本ではどう規制されている?PTFE製フロスは禁止なの?

米国での規制を知ると、日本ではどうなっているのか気になるかもしれません。

日本でもPFASに関する規制は進んでいますが、すべての物質や製品を同じように規制しているわけではありません。

PFOS・PFOA・PFHxSは規制対象

日本では、PFOS、PFOA、PFHxSなどが、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律、いわゆる化審法に基づき、第一種特定化学物質として規制されています。

製造や輸入などは、法令に基づいて原則禁止されています。

PFHxS関連物質についても、2026年6月17日から第一種特定化学物質としての規制が施行されています。

ただし、PFASという大きな物質群に含まれるあらゆる物質が、同じ法的扱いを受けているわけではありません。

また、個々の物質についての製造・輸入規制と、それらを含む製品の販売規制は、それぞれの法令で定められた対象や条件に従って判断する必要があります。

水道水では2026年4月から水質基準に

また、2026年4月1日から、PFOSとPFOAの合算値について、水道水の水質基準が施行されました。

基準値は50 ng/L以下です。

ここでの50 ng/Lという数値は、水道水1L当たりのPFOS・PFOAの合計濃度です。

フロス製品中の総フッ素濃度を判定する基準ではありません。

また、人の血液中で測定されるPFAS濃度とも直接比較できません。

測定している試料、物質、単位、評価目的が異なるからです。

PTFE製フロスが一律禁止されたわけではない

米国ミネソタ州のように、デンタルフロスを明示してPFASの意図的な添加を規制する制度と、日本のPFOS・PFOA・PFHxSおよびその関連物質に関する規制は、対象や仕組みが異なります。

したがって、日本でPTFEを使用したフロスがすべて一律に販売禁止されたと説明することはできません。

海外のニュースを読む際には、その国や地域の制度と、日本で実際に適用される制度を区別する必要があります。

⑳ PFASの発がん性評価は、フロスの危険性を示している?

PFASについて調べると、発がん性という言葉を目にすることがあります。

特にPFOAとPFOSについては、国際がん研究機関(IARC)による評価が公表されています。

PFOAはGroup 1、PFOSはGroup 2B

IARCは、PFOAを「ヒトに対して発がん性がある」Group 1に分類しました。

一方、PFOSは「ヒトに対して発がん性がある可能性がある」Group 2Bに分類されています。

この評価は、2023年11月に発表されたものです。

しかし、この分類を理解する際には、「ハザード」と「リスク」を区別する必要があります。

ハザードとリスクは同じではない

ハザードとは、ある物質が健康に有害な影響を引き起こす性質を持つかどうかという問題です。

一方、リスクを評価する際には、実際にどの程度の量に、どのような経路で、どれくらいの期間曝露されるのかを考慮する必要があります。

IARCの発がん性分類は、特定の製品を使った人が何%の確率でがんになるかを示すものではありません。

また、PFOAがGroup 1に分類されていることをもって、PTFE製フロスが発がん性を持つと結論づけることもできません。

PTFEとPFOAは異なる物質であり、製品からの曝露量も別途評価しなければなりません。

心配することと断定することは違う

毎日口に入れるものについて、素材の化学的な性質を気にすることには意味があります。

一方で、現時点で確認できていない健康影響まで、すでに証明された事実のように説明することは避けなければなりません。

研究の不確実性をそのまま伝えることも、患者さんへ情報を提供するうえで大切なことだと思います。

㉑ PTFE不使用・PFAS不使用のフロスはどう選ぶ?

ここまで研究を見てきたところで、実際の製品選択について考えてみましょう。

素材が気になる場合、PTFEを使用していないフロスを選ぶことは一つの方法です。

ただし、製品表示の意味を正確に理解する必要があります。

「PTFE不使用」は何を意味する?

PTFE不使用とは、その製品にPTFEという特定の高分子素材を使用していないという意味です。

しかし、それだけで、あらゆる種類のPFASが一切存在しないと保証するものではありません。

ほかの原材料、コーティング剤、製造工程などについては、別の確認が必要になる場合があります。

「PFAS不使用」の意味も確認する

PFAS不使用という表示は、PTFEよりも広い物質群を対象としています。

ただし、メーカーがどの範囲の物質を対象にしているのか、原材料の情報に基づく表示なのか、実際の製品分析を行っているのかによって、評価できる内容は異なります。

製品表示だけでは詳細が分からない場合、メーカーへ確認することも選択肢です。

ナイロンやシルクなら絶対に大丈夫?

ナイロンやシルクを使用したフロスは、PTFEを使用しない選択肢として考えられます。

ただし、繊維の素材だけで製品全体の成分が決まるわけではありません。

フロスにはワックスや香料、その他の加工剤が使用される場合もあります。

そのため、天然素材という表示だけで、製品全体に化学的な懸念がないと判断することも適切ではありません。

今使っているフロスは捨てるべき?

2019年の研究だけを根拠に、PTFE製フロスを使っているすべての人へ直ちに使用中止や廃棄を勧めることはできません。

実際、デンマークの消費者団体も、すでに持っているフロスを必ずしも捨てる必要はないと説明しています。

素材が気になる場合には、次回購入する際にPTFE不使用の製品を候補にするという考え方もあります。

そのときは、素材だけでなく、歯と歯の間に通しやすいか、ほつれにくいか、歯面へ適切に当てられるかという点も確認しましょう。

㉒ フロスをやめる必要はある?歯間清掃の効果も考えよう

PFASについてのニュースを読んでいると、そもそもデンタルフロスを使わない方がよいのではないかと考える方もいるかもしれません。

しかし、歯科衛生士としては、フロスの素材に関する問題と、歯間清掃の必要性を分けて考えることが重要だと思います。

歯ブラシだけでは届きにくい歯間部がある

歯と歯の接触している部分や、その周囲の歯面には、歯ブラシの毛先が十分に届きにくいことがあります。

そのような場所では、フロスや歯間ブラシなどの補助的な清掃用品が役立ちます。

特に歯間部は、歯垢の付着や歯肉の炎症、隣接面う蝕などに注意が必要な場所です。

コクランレビューでは35試験・3,929人を解析

2019年、Worthingtonらは、歯磨きに歯間清掃器具を追加した場合の効果について、コクランレビューを発表しました。

対象となったのは35件のランダム化比較試験で、無作為化された成人参加者は3,929人です。

レビューでは、フロスや歯間ブラシを歯磨きに追加することで、歯肉炎やプラークが減少する可能性が報告されています。

歯間ブラシがフロスより有効である可能性も示されています。

ただし、エビデンスの確実性は低い〜非常に低いと評価されています。

研究の多くは比較的短期間で、長期的な歯周炎や隣接面う蝕の予防効果を十分に検証できるものではありませんでした。

つまり、歯間清掃には有用性が期待できる一方、すべての効果が高い確実性で証明されているわけではありません。

素材への懸念と歯間清掃は両立できる

ここまでの研究を踏まえると、PTFEを使用したフロスへの不安があるからといって、歯間清掃そのものをやめる必要はありません。

PTFE不使用のフロスを選ぶこともできますし、歯間の状態によっては歯間ブラシを使用することもできます。

大切なのは、清掃の目的を保ちながら、自分が納得して使える用具を選ぶことです。

歯間清掃の研究については、当院の「歯ブラシだけで大丈夫?フロス・歯間ブラシ併用の効果を徹底解説」でも詳しく解説しています。

㉓ 歯間の形に合う清掃用品を選ぶことも大切

デンタルフロスの素材を考えるとき、もう一つ忘れてはいけないのが、患者さんの歯間の状態です。

歯間の広さや歯肉の形は、一人ひとり異なります。

同じ人でも、前歯と奥歯、健康な歯周組織の部分と歯肉退縮のある部分では、適切な清掃用品が異なる場合があります。

歯間が狭い場合

歯と歯の接触が強く、歯間ブラシが無理なく入らない場合は、デンタルフロスが選択肢になります。

使用する際には、フロスを急激に歯肉へ押し込まず、接触点をゆっくり通すことが大切です。

その後、歯面に沿わせて動かし、隣接面のプラークを取り除くようにします。

フロスの滑りやすさは操作を助けますが、ただ歯と歯の間へ通して抜くだけで十分に清掃できるとは限りません。

歯間に隙間がある場合

歯肉退縮や歯周病治療後などで歯間に空隙がある場合、サイズの合った歯間ブラシが役立つことがあります。

実際、フェーズ2で確認した日本語の総説でも、英国のガイドラインをもとに、歯間ブラシが入る空隙では歯間ブラシを、狭い歯間ではフロスを使うという考え方が紹介されています。

ただし、大きすぎる歯間ブラシを無理に挿入すると、歯肉を傷つけるおそれがあります。

無理なく通せるサイズを選ぶことが重要です。

詳しくは、当院の「ブラックトライアングルができた歯間はどう磨く?歯間ブラシ・フロスの選び方とサイズの合わせ方」でも説明しています。

新しいフロスが引っかかる場合

素材を変更したフロスを使用すると、以前と異なる抵抗や手触りを感じることがあるかもしれません。

しかし、フロスが引っかかったり切れたりする原因は、素材だけではありません。

隣接面の虫歯、歯石、詰め物や被せ物の段差などが関係している場合もあります。

特定の場所で繰り返し引っかかる場合には、その部分の歯面や補綴物の状態を確認することも大切です。

詳しくは、「歯と歯の間の虫歯はなぜ見つかりにくい?フロスが引っかかる・切れるサイン」も参考にしてください。

使いやすさと清掃性能の両方を見る

フェーズ2のライブラリー調査では、2024年の日本歯科衛生学会の抄録に、ホルダー型フロスの使用方法を比較した模型研究がありました。

同じ種類のフロスでも、複数の歯間へ連続して使用する場合と、歯間ごとに繊維を拭き取って使用する場合では、人工プラークの除去率が異なっていました。

ただし、これは人工歯を用いた小規模な模型実験であり、人体での臨床効果やフロス素材の安全性を証明するものではありません。

それでも、フロスの性能が材料名だけで決まるわけではないということを考える材料になります。

清掃用具を選ぶ際には、素材、形状、操作方法、使用する歯間の状態を合わせて考える必要があります。

㉔ よくある質問

Q1.すべてのデンタルフロスにPFASが含まれていますか?

いいえ。すべてのデンタルフロスにPFASが使用されているわけではありません。

フロスにはPTFE、ナイロン、シルクなど、さまざまな素材が利用されています。

ただし、繊維以外の加工剤やコーティング材が使用される場合もあるため、製品全体の成分を知るにはメーカー情報の確認が必要です。

Q2.Oral-B Glideは現在もPTFEを使っていますか?

米国Oral-Bの公式説明では、新しいGlideはPTFEやPFASを使用しない構成に変更されたとされています。

ただし、日本国内で流通する製品や、古い在庫、並行輸入品などについてまで、すべて同じ仕様であると断定することはできません。

購入する製品ごとの表示を確認することが大切です。

Q3.フロスを使うと血液中のPFASが増えるのですか?

2019年研究では、Oral-B Glideの使用申告と血中PFHxS濃度の高さに関連が認められました。

しかし、その研究だけでフロスが血中PFHxSの原因だったと証明されたわけではありません。

Q4.毎日フロスを使うほど危険なのでしょうか?

現在確認できる研究からは、フロスの使用頻度が増えるほどPFAS曝露量や健康リスクが増加するという用量反応関係は確立されていません。

2019年研究でも、使用頻度に応じた血中濃度の変化を十分に検証できたわけではありません。

Q5.PTFE不使用なら絶対に安全ですか?

PTFE不使用は、PTFEという特定の素材を使っていないことを意味します。

それだけで、製品に含まれるすべての化学物質について健康リスクがゼロと証明されたわけではありません。

ただし、PTFEを避けたい場合には選択の目安になります。

Q6.PFASと歯科医院で使うフッ素は同じですか?

同じではありません。

歯科でむし歯予防に使用するフッ化物と、今回の問題で取り上げているPFASは、化学的な構造や性質が異なります。

PFASのニュースを理由に、年齢に合った適切なフッ化物配合歯磨剤の使用を中止する必要はありません。

Q7.新しいGlideの方が清掃性能は高いですか?

メーカーは新素材の清掃性や操作性を説明しています。

しかし、今回確認した資料からは、新旧Glideの長期的な臨床清掃性能について、独立した研究による十分な比較結果は確認できませんでした。

素材変更による使用感の違いと、実際の歯垢除去性能は分けて考える必要があります。

Q8.今使っているPTFE製フロスは捨てるべきですか?

現在の研究結果だけを根拠に、すべての使用者へ一律に廃棄を勧めることはできません。

素材が気になる場合には、次回の購入時にPTFE不使用の製品を選ぶという方法もあります。

Q9.ナイロン製やシルク製のフロスならPFASは含まれませんか?

繊維の素材がナイロンやシルクであっても、製品全体の加工剤やコーティング材まで同じとは限りません。

特定の製品にPFASが使用されているかを確認するには、メーカーが公表する原材料情報などを確認する必要があります。

Q10.フロスと歯間ブラシはどちらがよいですか?

どちらが適切かは、歯間の広さや歯周組織の状態によって異なります。

狭い歯間ではフロス、無理なく歯間ブラシが入る空隙では歯間ブラシを検討します。

無理に一種類へ統一する必要はありません。

普段の使用方法については、当院の「口腔ケアの順番:デンタルフロスはいつ使うのか?」でも詳しく紹介しています。


㉕ まとめ|毎日使うものだから、素材も清掃効果も考えたい

今回、デンタルフロスの素材変更について調べてみると、一つのニュースの背景に、長年にわたる化学分析や血液研究、材料研究、消費者の関心、各国の規制など、さまざまな動きがあることが分かりました。

2009年には、デンタルフロスを含む市販製品から、PFOAなどの化学物質が分析されていました。

2019年には、Oral-B Glideの使用申告と血中PFHxS濃度との関連が報告されました。

しかし、その結果だけでフロスが体内曝露の原因だったと確定できるわけではありません。

2025年の米国成人6,750人の研究では、測定するPFASによって異なる方向の関連が認められ、総合的なPFAS負荷スコアについては調整後の有意差が確認されませんでした。

また、PFOAについては調整前の比較で有意差がなく、調整後の解析で有意な群間差が認められたことにも注意が必要です。

一方、2026年には、Oral-B Glideの素材変更が発表され、米国ではフロスを対象に含むPFAS規制も進んでいます。

こうした動きを見ると、製品の素材を気にすることは、決して特別なことではなくなっているのかもしれません。

ただし、私たち歯科衛生士が忘れてはいけないのは、デンタルフロスが歯間を清掃するための用具であるということです。

素材に不安がある場合には、製品表示を確認することができます。

別の素材のフロスを選ぶこともできます。

歯間の状態に応じて、歯間ブラシなどの別の清掃用品を使うこともできます。

それぞれの選択肢について、清掃効果と使いやすさを一緒に考えることが大切です。

科学研究は、これまで見過ごされていた問題に気づくきっかけを与えてくれます。

同時に、研究ではまだ分かっていないこともあります。

分からない部分を無理に断定せず、確認された事実と残された疑問を分けて考えることも、患者さんへ情報を伝えるうえで重要だと感じます。

毎日の歯磨きに使う歯ブラシや歯磨剤、そしてデンタルフロス。

身近な道具だからこそ、これからは清掃性能だけでなく、素材についても少し目を向けてみたいと思います。

何でできているか。使いやすいか。自分の歯間をきちんと清掃できるか。

その三つを大切にしながら、安心して続けられるセルフケアを一緒に考えていきたいですね。


参考文献・資料

主要原著論文

  1. Boronow KE, Brody JG, Schaider LA, Peaslee GF, Havas L, Cohn BA. Serum concentrations of PFASs and exposure-related behaviors in African American and non-Hispanic white women. Journal of Exposure Science & Environmental Epidemiology. 2019;29:206–217.

    https://doi.org/10.1038/s41370-018-0109-y
  2. Guo Z, Liu X, Krebs KA, Roache NF. Perfluorocarboxylic Acid Content in 116 Articles of Commerce. U.S. Environmental Protection Agency. EPA/600/R-09/033. 2009.

    https://nepis.epa.gov/Exe/ZyPURL.cgi?Dockey=P100EA62.TXT
  3. Huang Z, Broadbent JM, Choi JJE. Comparison of dental flosses – an investigation of subjective preference and mechanical properties. Biomaterial Investigations in Dentistry. 2023;10(1):2258919.

    https://doi.org/10.1080/26415275.2023.2258919
  4. Skedung L, Savvidou E, Schellenberger S, Reimann A, Cousins IT, Benskin JP. Identification and quantification of fluorinated polymers in consumer products by combustion ion chromatography and pyrolysis-gas chromatography-mass spectrometry. Environmental Science: Processes & Impacts. 2024;26:82–93.

    https://doi.org/10.1039/D3EM00438D
  5. Jiao Y, Fu Z, Ni X. Association Between Serum Levels of Perfluoroalkyl and Polyfluoroalkyl Substances and Dental Floss Use: The Double-Edged Sword of Dental Floss Use—A Cross-Sectional Study. Journal of Clinical Periodontology. 2025;52(6):877–887.

    https://doi.org/10.1111/jcpe.14126
  6. Worthington HV, MacDonald L, Poklepovic Pericic T, Sambunjak D, Johnson TM, Imai P, Clarkson JE. Home use of interdental cleaning devices, in addition to toothbrushing, for preventing and controlling periodontal diseases and dental caries. Cochrane Database of Systematic Reviews. 2019;4:CD012018.

    https://doi.org/10.1002/14651858.CD012018.pub2

PFASの健康影響・研究評価

  1. National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine. Guidance on PFAS Exposure, Testing, and Clinical Follow-Up. National Academies Press. 2022.

    https://doi.org/10.17226/26156
  2. National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine. White Paper: Review of the PFAS Personal Intervention Literature. 2022.

    https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK584698/
  3. International Agency for Research on Cancer. IARC Monographs evaluate the carcinogenicity of perfluorooctanoic acid (PFOA) and perfluorooctanesulfonic acid (PFOS). 2023.

    https://www.iarc.who.int/news-events/iarc-monographs-evaluate-the-carcinogenicity-of-perfluorooctanoic-acid-pfoa-and-perfluorooctanesulfonic-acid-pfos/
  4. 登田美桜ほか.「食品安全情報(化学物質)」のトピックスについて―令和5年度(2023)―.国立医薬品食品衛生研究所報告. 2024;142:54–62.

製品・市場・規制資料

  1. Silent Spring Institute. Oral-B stops using Teflon in its popular Glide dental floss. March 31, 2026.

    https://silentspring.org/news/oral-b-stops-using-teflon-its-popular-glide-dental-floss
  2. Oral-B. Dental Floss Types – The Pros and Cons. 製品素材に関する公式FAQ.

    https://oralb.com/en-us/oral-health/why-oral-b/floss/dental-floss-types-the-pros-and-cons/
  3. The Washington Post. Dental floss is shedding potentially harmful chemicals. October 18, 2026.

    https://www.washingtonpost.com/health/2026/10/18/dental-floss-cleans-up-its-act-ditches-potentially-harmful-chemicals/
  4. Forbrugerrådet Tænk. Avoid PFAS in Your Dental Floss.

    https://taenk.dk/kemi/visit-our-english-version/avoid-pfas-your-dental-floss
  5. Minnesota Pollution Control Agency. 2025 PFAS prohibitions.

    https://www.pca.state.mn.us/air-water-land-climate/2025-pfas-prohibitions
  6. Minnesota Pollution Control Agency. Minnesota’s new PFAS law is already changing how some products are made. September 22, 2026.

    https://www.pca.state.mn.us/news-and-stories/minnesotas-new-pfas-law-is-already-changing-how-some-products-are-made
  7. Centers for Disease Control and Prevention. NHANES Oral Health Questionnaire, OHQ870.

    https://wwwn.cdc.gov/Nchs/Data/Nhanes/Public/2009/DataFiles/OHQ_F.htm
  8. 環境省.水道水質基準について.PFOS及びPFOAに関する2026年4月施行の基準.

    https://www.env.go.jp/water/water_supply/kijun/
  9. 環境省.PFASに関するよくある質問.

    https://www.env.go.jp/water/pfas/faq.html
  10. 経済産業省.化学物質審査規制法(化審法)関連情報.PFHxS関連物質について2026年6月17日から施行された規制を含む.

    https://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/kasinhou/index.html

歯間清掃・臨床関連資料

  1. 小坂健.「歯・口腔の健康づくりプラン」を支える科学的根拠.保健医療科学. 2024;73(5):350–358.
  2. 杉田龍士郎.歯周治療とプラークコントロール.日本臨床歯周病学会会誌. 2022;40(2):75–78.
  3. 藤村知都ほか.ホルダータイプデンタルフロスの使用方法によるプラーク除去効果のモデル検証.日本歯科衛生学会雑誌. 2024;19(1). ポスター発表抄録.
  4. 荻山大輝ほか.集団歯科健診における歯間清掃啓発に関する質問紙調査.日本歯科衛生学会雑誌. 2024;19(1). ポスター発表抄録.

本記事は2026年10月26日までに確認できた研究論文・公的資料・メーカー発表・報道に基づいて作成しています。製品の仕様や販売状況、法令の内容は国・地域・時期によって異なる場合があります。

TOP